オープンアップグループ夢真ホールディングスを株式だけで吸収合併し、2年後に両社の名を社名から外す

時期 2021年1月
意思決定者(推定) 西田穣佐藤大央 代表取締役会長兼CEO・代表取締役社長兼COO
論点 経営統合とブランドの再設定
概要
2021年4月1日、株式会社ビーネックスグループが株式会社夢真ホールディングスを吸収合併し、商号を株式会社夢真ビーネックスグループへ変更した経営判断。2022年6月17日に再度の社名変更を発表し、2023年1月1日から株式会社オープンアップグループとなった。
背景
ビーネックスグループは機電・IT系の技術者派遣を、夢真ホールディングスは建設施工管理の技術者派遣を主力とし、主力事業で顧客がほとんど重ならなかった。合併前の直近売上高はビーネックス817億円・夢真586億円、連結従業員は18,125人と9,848人であった。
内容
2021年1月29日に合併を発表し、夢真ホールディングスは3月30日に上場廃止となった。支払対価804億5,600万円のうち803億3,600万円は存続会社の普通株式の交付で、現金の支出を伴わない。認識されたのれんは717億1,600万円に上った。
含意
統合直後の2021年6月期に建設領域を中心として314億2,800万円の減損損失を計上し、のれんは期末に456億500万円へ縮んだ。翌2022年6月期は売上収益1,485億7,300万円・営業利益101億300万円で、統合効果が通期の数字に表れた。
筆者の見解

帳簿に残った456億円という値札

現金を一円も使わずに売上586億円の上場企業を取り込んだ手際は鮮やかにみえる。ただし株式での支払いは、支払わずに済ませることとは違う。既存株主の持分は0.63の比率で薄まり、そのうえで取得した資産の価値は3カ月後の減損テストを通らなかった。建設領域294億3,500万円という金額は、合併の前年に自力で参入した建設事業の見通しと、夢真から引き継いだ建設事業の見通しの両方を、同じ時点で書き換えた結果にあたる。

それでも合併そのものは数字を残した。建設領域は2022年6月期に売上369億円・利益53億円で黒字に転じ、グループの売上収益は4年で988億円から1,879億円へ伸びた。1976年の佐藤建築設計事務所から続いた夢真の名は2023年1月に商号から消え、2020年に付けたビーネックスの名も同時に消えている。残ったのは、2021年4月に717億円で計上され、期末に456億500万円まで削られたのれんの数字と、そこに含まれる建設・機電・IT・海外の各領域への配分表であった。

Yutaka Sugiura, 2026年7月

出典・参考
  • 株式会社夢真ビーネックスグループ 有価証券報告書(2022年6月期・連結・IFRS)
  • 株式会社オープンアップグループ 有価証券報告書(2025年6月期・連結・IFRS)
  • オープンアップグループ 有価証券報告書【沿革】
  • M&A Online(2021年1月29日)
  • M&A Online(2022年6月17日)

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