NTTデータグループNTT Ltd.との海外事業統合による規模の倍増と、有利子負債1.7兆円の引き受け

時期 2022年5月
意思決定者(推定) 本間洋 NTTデータ 社長
論点 海外事業の規模拡大と統合負担の引き受け
背景
NTTデータは十年余りの買収でITサービス世界9位まで来ていたが、2019年度の売上高は2.2兆円強で、トップ5に必要とされる2.5兆〜3兆円に届かなかった。国ごとのシェアが2%を超えていたのは日本やスペインなど数カ国にとどまり、米国は1%であった。
内容
統合後のNTTデータ全体の売上高は約300億ドル(約3.5兆円)、うち国外分は約180億ドル(約2.1兆円)となり、80カ国以上で14万人の体制となった。NTTデータのコンサルティング・システム開発と、NTT Ltd.のデータセンター・ネットワーク運用を組み合わせる構想である。シェア2%超の国は20カ国以上に広がった。
含意
連結売上高は2022年3月期の2兆5,519億円から2023年3月期に3兆4,902億円へ跳ね上がった一方、有利子負債は1兆円あまり増えて約1.7兆円となった。事業統合費用も2023〜24年度に約500億円、2025年度に約230億円を要し、2024年度の営業利益率は国内10.6%に対し海外3.6%にとどまった。
筆者の見解

借りた規模と、返す負債

この統合で手に入ったものは、自力では届かなかった数字であった。国ごとのシェアが2%を超える国は数カ国から20カ国以上へ、売上高は一年で9,383億円増えた。ただし増えた分の中身は、NTTデータが十年余り買い集めてきたシステム開発の会社ではなく、データセンターとネットワークという資本集約の事業である。営業利益率が10%台後半あっても金利負担で当期利益に届かないという本間洋氏(社長)の説明は、規模の飛躍が同時に負債の飛躍でもあったことを示している。

発表直後の決算説明会で少数株主から出た、当期利益の45%がNTTへ移ることへの疑問は、結果として3年で意味を失った。2025年9月30日にNTTデータグループ自体がNTTの完全子会社となり、少数株主がいなくなったためである。海外事業の統合から親会社への再統合まで、間は3年しかなかった。1988年に公正競争の確保を理由として切り出された会社は、海外で戦う規模を親会社から借りたところから、37年の独立に幕を下ろす道へ入っている。

Yutaka Sugiura, 2026年7月

出典・参考

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