NTTデータグループ の歴史

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創業 1988年
母体 日本電信電話からの分離独立
創業地 東京都港区
創業
1988年5月23日、民営化直後の日本電信電話がデータ通信事業本部を切り出し、資本金100億円で東京都港区にエヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社が設立された。同年6月に特別第二種電気通信事業者の登録を受け、7月1日にデータ通信事業本部の営業を譲り受けて操業を始めている。母体は1967年10月に日本電信電話公社へ置かれたデータ通信本部で、銀行決済のANSER、カード決済のCAFIS、郵便貯金や厚生年金の大型システムは、通信が自由化される前の独占のもとで築かれた資産である。1989年7月には公共・金融・産業の各システム事業本部を置いた。顧客を産業別に割る構えは、その後の事業区分の原型として残った。
決断
海外は自分で建てず、顧客基盤ごと取得することだけで広げてきた。2001年3月期に売上高8,000億円で業界首位に立ったが、業界全体に占める比率は8%にとどまり、国内に伸びしろがない。そこで海外で事業を立ち上げる手立てを持たない前提から、連続買収を海外進出の唯一の手段に定めた。2007年の独itelligenceを皮切りに、Cirquent、米Keane、伊Value Team、スペインのeverisを取得し、2016年からは米Dell Servicesの事業を譲り受けた。取得先の優良顧客がそのまま加わる一方、地域ごとに法人が分かれ、国別の規模には届かない。2022年5月に親会社のNTT Ltd.を統合して規模を倍増させると、、海外セグメントの売上高は1兆398億円から1兆8,804億円へ跳ねたが、同時に引き受けた有利子負債1.7兆円が、単独で資金を調達する会社としての限界を露わにした。
現況
2025年9月、37年ぶりに親会社へ戻り、上場企業としての歴史を閉じた。最終期となる2025年3月期の売上高は4兆6,387億円、営業利益3,239億円、連結従業員は197,777人である。内訳は海外2兆7,509億円・セグメント利益1,002億円、日本1兆9,332億円・同2,052億円で、売上の6割を海外が占めながら、セグメント利益の3分の2は国内が生んでいる。2025年8月29日の臨時株主総会で256,029,428株を1株とする株式併合が99.99%の賛成で可決され、9月26日に東証プライム市場で上場廃止、9月30日にNTTが約2.4兆円を投じて完全子会社化した佐々木裕社長は中規模の船から大きな船へ乗り換えたと述べており、独立系として続けた連続買収は、親会社の財務を後ろ盾にする形へ引き継がれた。
競合
国内では首位を保ったまま、海外では地域ごとの中位に置かれている。国内の相手は富士通とNECで、富士通がFujitsu Uvanceを掲げのように自社の製品群を業種横断のサービスへ組み替える道を採ったのに対し、NTTデータは現地企業を取得して顧客ごと引き継ぐ形を選んだ。資本の後ろ盾を持たないTISのような独立系とは、大型案件を受けられる規模の条件が異なる。海外ではアクセンチュアやIBMと同じ市場に並ぶが、2025年3月期の海外セグメント利益率は3.6%で、国内の10.6%を下回る。買収で積み上げた売上が利益率へ結びつかないまま親会社の傘下へ入ったことが、上場を終える判断の実質的な理由になった。
NTTデータグループ:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2002年3月期2025年3月期
NTTデータグループにおける経営の転換点(その1) Q なぜ「公正競争の確保」を掲げて1988年に分離したのに、独占の遺産で黒字を出せたのか
A 通信が自由化される前、全国オンラインシステムを組めるのは事実上電電公社だけであり、その独占のもとで銀行決済のANSERやカード決済のCAFIS、郵便貯金・厚生年金の大型システムが築かれた。1988年5月、日本電信電話は効率的な事業展開と公正競争の確保を理由に資本金100億円でエヌ・ティ・ティ・データ通信を分離したが、新会社が元手にしたのは競争のなかった時代の社会インフラである。藤田史郎社長は独立前まで赤字続きだった事業をいち早く黒字へ転じさせた
NTTデータグループにおける経営の転換点(その2) Q なぜ2005年から欧米企業の買収を続けたのか
A 2001年3月期に売上高8000億円を超えて情報サービス業界の首位に立ったものの、業界全体に占めるシェアは8%にとどまり、国内市場だけでは成長を描きにくかった。のちに社長となる岩本敏男氏は、海外にはノウハウがないため取るべき戦略はM&Aしかないと当時の選択を説明している。2007年の独itelligence買収を皮切りにCirquent、米Keane、伊Value Team、スペインのeverisと買収を重ね、2016年には米Dell Services部門を取り込んで、各社が抱える優良顧客ごと事業を組み入れた
NTTデータグループにおける経営の転換点(その3) Q なぜ2025年に37年ぶりに親会社NTTへ再統合され上場を終えたのか
A かつて通信会社の傍流だったIT事業がグループの主役へ入れ替わり、NTTの2024年度売上高はシステムインテグレーションが38%を占め、音声は12%まで縮んだ。持株会社NTTの澤田純社長は『通信では食えない』としてデータを中核に据える再編を構想し、島田明社長はNTTデータグループを『真正面』に立たせる必要があると述べた。2022年のNTT Ltd.統合で海外規模は倍増したが有利子負債と統合費用が重く、NTTは約2.4兆円を投じ、2025年9月にNTTデータグループを完全子会社化して上場を終えた

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NTTデータグループの沿革1967〜2025年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1967〜1994年公社が独占した通信網の上に築いた金融・官公庁システムと、公正競争を理由とする分離独立日本電信電話公社にデータ通信本部を設置
日本電信電話が設立
データ通信本部からデータ通信事業本部へ改組
民営化直後のNTTからデータ通信事業本部を切り出し、資本金100億円で分社独立

1988年5月23日、日本電信電話が資本金100億円でエヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社を設立し、同年7月1日に自社データ通信事業本部の営業を譲り渡した経営判断。有価証券報告書は分離独立の理由を、効率的な事業展開と公正競争の確保の二点としている。

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★★★
日本電信電話から同社データ通信事業本部に属する営業を譲り受け、営業を開始★★
公共・金融・産業の各システム事業本部を設置
1995〜2004年東証上場をめぐる官庁の思惑と、公社から受け継いだ独占構造への批判東京証券取引所市場第二部に上場
商号の英文表示をNTT DATA CORPORATIONに変更
東京証券取引所市場第一部に指定
商号を「エヌ・ティ・ティ・データ」に変更
電気通信事業法の改正により一般第二種電気通信事業者へ変更
国際事業推進本部を設置
2005〜2016年国内で頭打ちになった成長をM&Aで買い、欧米へ出た2005年からの十年余り浜口友一執行役員制を導入
山下徹自前の海外拠点づくりを採らず、買収の連続だけで欧米へ出た十年余りの海外戦略

NTTデータが2005年に海外戦略を掲げ、独itelligence AG(2007年)、独Cirquent GmbH(2008年)、米Keane, Inc.(2010年)、伊Value Team S.p.A.(2011年)、西EVERIS(2014年)、米Dell Servicesの譲り受け(2016年)と、買収の連続だけで欧米市場へ出た一連の経営判断。

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★★★
山下徹経営権取得により、BMWグループの情報システム子会社Cirquent GmbHが子会社に
山下徹カンパニー制を導入
山下徹経営権取得により、Keane International, Inc.・Keane, Inc.が子会社に★★
岩本敏男経営権取得によりEVERIS PARTICIPACIONES, S.L.U.が子会社に★★
岩本敏男カンパニー制を廃止
岩本敏男Dell Services部門の譲り受けの98.0%以上が完了★★
2017〜2025年海外事業を一手に引き受けた末に、37年で親会社NTTへ再統合され上場を終えるまで本間洋直接的な親会社が日本電信電話からNTTへ変更
本間洋NTT Ltd.との海外事業統合による規模の倍増と、有利子負債1.7兆円の引き受け

単独の買収では届かなかった国別シェアと事業規模を、親会社のITインフラ事業を抱き込むことで一気に引き上げる統合

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★★★
本間洋国内事業会社であるNTTデータを設立するとともに、持株会社体制へ移行★★
佐々木裕東京証券取引所プライム市場で上場廃止★★
出典・参考
  • NTTデータグループ 有価証券報告書 第37期(2025年3月期)【沿革】
  • 日経ビジネス 1994年8月22日号

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