この合併を"対等合併""ベストパートナー"という言葉だけで読むと、芯を外す。中心にあるのは、2003年の資本業務提携から10年をかけて築いた関係について、提携のままでは規模の壁を越えられないと見切ったことである。会社分割で資産を圧縮した間組の合併直前の売上高は1,979億円で足踏みしており、一方で受け入れた安藤建設の資産と負債の純額は取得原価9,242百万円を上回って、負ののれん発生益10,089百万円が立った。安く買えたというより、単独では積み上がらない規模を株式の交付だけで獲得した取引だったとみられる。
もっとも、二つの会社の数字を足すことと、一つの会社として稼ぐことは同じではない。発足後の安藤・間は2017年3月期に売上高4,079億円まで伸びた一方、同じ期のセグメント利益率は土木20.1%に対し建築5.5%と開いたままだった。土木の間組と建築の安藤建設という補完関係は、受注の幅を広げはしても、収益力の差をならすところまでは届いていない。合併がもたらしたのは到達点ではなく、異なる二社を統合して稼ぐ体制をつくる出発点であったといえる。