電通総研 の歴史

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創業 1975年
母体 電通+GEインフォメーション・サービス
創業地 東京都港区
創業
1975年12月、株式会社電通と米国General Electric Companyの合弁として、東京都中央区に株式会社電通国際情報サービスが設立された。出資比率は電通66%・GE34%で、GEが所有・運営する情報通信ネットワークによる国際遠隔情報処理サービスを日本で販売することが設立の目的であった。自前の技術ではなく、電通の広告主が抱える情報処理の需要を取り次ぐ輸入代理として開業している。1986年以降はロンドン・米国・アジアへ拠点を置き、日本企業の海外システムを支える会社として広がった。2000年11月には東京証券取引所市場第一部へ上場し、設立25年目にして親会社2社の同意を待たずに資金を調達できる立場を得た。
決断
二つの親会社のうち一つを失うたびに、事業の中身を入れ替えてきた。2003年3月、GEのネットワークに依存した祖業を閉じ、設立以来の国際遠隔情報処理サービスを終了した。同じ期の連結売上高は708億円、当期純損失20億円で、社名に残る「International Information Services」の由来にあたる事業は消えた。以後はLinux・Windowsのオープン系システムインテグレーションへ主力を移し、ERP導入・製造業向けPLM・金融機関向けリスク管理を主力に据えた。2024年1月には電通本体のシンクタンク「電通総研」を譲り受けて商号を改め、シンクタンク・コンサルティング・システム開発の3機能を1法人へ集約した。GEを失って技術の出どころを入れ替え、電通から研究機能を受け入れて売り物の幅を広げた。
現況
社名は電通でも、売上の4割弱は製造業向けのシステム開発である。2025年12月期の売上高は1,648億円、営業利益228億円、当期純利益163億円で、いずれも過去最高となった。セグメント別では製造ソリューションが610億円で37%を占め、コミュニケーションIT410億円が25%、金融ソリューション348億円が21%、ビジネスソリューション280億円が17%と続く。広告と接するコミュニケーションITは4分の1にとどまり、残りは製造業のPLMと金融機関向けが埋めている。2024年4月にはUI・UXデザインのミツエーリンクスを完全子会社化し、連結従業員は4,618人へ増えた。営業利益率13.9%は、売上が3.6倍あるTISの12.8%を上回っている。
競合
シンクタンクとシステム開発を1社に持つ形は、野村総合研究所が先に作った。野村総合研究所は1988年に野村コンピュータシステムと合併し、調査・提言と情報システムを同じ法人へ置いた。電通総研が同じ構成に至ったのは36年後の2024年で、順序も逆に、システム開発の会社が研究機能を後から受け入れている。売上規模は野村総合研究所の5分の1で、コンサルティングの単価でも及ばない。一方、親会社を持つ上場SIerという立場はSCSKと共通し、SCSKが2025年に住友商事の公開買付けで上場を廃止したのに続き、2026年7月には電通グループが電通総研の非公開化も選択肢として検討していると公表した。61.8%を握る親会社の下で上場を続ける構成そのものが、資本市場から問い直されている。
電通総研:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2006年3月期2025年12月期

設立ストーリー 電通グループ専属SIerとしての創業と東証一部上場 (1975年〜)

電通とゼネラル・エレクトリックの合弁による設立

1975年12月、株式会社電通とアメリカのゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)の情報サービス子会社General Electric Information Services(後のGEインフォメーション・サービス)との合弁により[1]、東京都中央区に株式会社電通国際情報サービス(ISID[2]、Information Services International-Dentsu)が設立された。電通の広告主企業に対する情報処理サービス需要を吸収する受け皿として、米国GEの汎用ホストコンピューターによるタイムシェアリングサービス(GEISCO、後のGEnie)の日本展開を担う合弁会社として発足した。設立時の資本構成は電通とGEの折半に近く、[3]米国型のホスト・サービス事業を日本市場に持ち込むビジネスモデルで開業した。

  • 有価証券報告書
    • [1]合弁相手はGEの情報サービス子会社GE Information Services(後のGEインフォメーション・サービス)
    • [2]1975年12月、電通とGEの合弁により東京都中央区に株式会社電通国際情報サービスを設立
    • [3]設立時の資本構成が電通とGEの折半に近かったとの記述

1980年代後半から1990年代前半にかけて、海外拠点の構築をした。1986年11月の英国ロンドン支店開設(1991年廃止)[4]、1987年3月の米国子会社ISI-Dentsu of America, Inc.設立[5]、1989年10月の香港支店開設[6]、1990年8月のISI-Dentsu of Asia設立[7]、1991年1月のISI-Dentsu of Europe設立[8]、1992年4月のシンガポール拠点設立[9]と、米州・欧州・アジアの3地域に拠点を設けた。当初の主要顧客は電通グループおよび電通の広告主企業で、海外進出する日本企業の情報システム支援を担う『電通系SIer』としての地位を築いた。1989年2月には電通本体の社内情報システム開発・運用業務の継続受注を開始し、[10]電通グループへの依存度を高めた一方で、安定収益基盤を獲得した。

  • 有価証券報告書
    • [4]1986年11月 英国ロンドン支店を開設(1991年廃止)
    • [5]1987年3月 米国子会社 ISI-Dentsu of America, Inc. を設立
    • [6]1989年10月 香港支店を開設
    • [7]1990年8月 子会社 ISI-Dentsu of Asia, Ltd. を設立
    • [8]1991年1月 子会社 ISI-Dentsu of Europe, Ltd. を設立
    • [9]1992年4月 シンガポールに子会社 ISI-Dentsu Singapore Pte. Ltd. を設立
    • [10]1989年2月 電通本体の社内情報システム開発・運用業務の継続受注を開始
  • 有価証券報告書
    • [1]合弁相手はGEの情報サービス子会社GE Information Services(後のGEインフォメーション・サービス)
    • [2]1975年12月、電通とGEの合弁により東京都中央区に株式会社電通国際情報サービスを設立
    • [3]設立時の資本構成が電通とGEの折半に近かったとの記述
    • [4]1986年11月 英国ロンドン支店を開設(1991年廃止)
    • [5]1987年3月 米国子会社 ISI-Dentsu of America, Inc. を設立
    • [6]1989年10月 香港支店を開設
    • [7]1990年8月 子会社 ISI-Dentsu of Asia, Ltd. を設立
    • [8]1991年1月 子会社 ISI-Dentsu of Europe, Ltd. を設立
    • [9]1992年4月 シンガポールに子会社 ISI-Dentsu Singapore Pte. Ltd. を設立
    • [10]1989年2月 電通本体の社内情報システム開発・運用業務の継続受注を開始

東証一部上場とSIer業界での独立性確立

2000年11月、東京証券取引所市場第一部に上場[11]した。ITバブル期の市場環境のもと、設立25年で公開市場での資本調達能力を獲得し、[12]電通グループの完全子会社から上場企業として独立した経営体制へ移行した。上場後は電通とGE双方が大株主として残存する形で、上場企業としての透明性確保と二大株主の戦略的関与を両立する構造で運営した。2001年から2002年にかけて、株式取得による事業領域拡張を進めた。2001年3月のキスコソリューション子会社化、[13]2001年6月のアイティアイディコンサルティング設立(米国International TechneGroupとの合弁)、[14]2002年3月のエスアイアイディ子会社化、[15]2002年5月の上海電通信息服務有限公司設立[16]など、国内外でのM&Aと合弁設立を相次いで実施した。

  • 有価証券報告書
    • [11]2000年11月 東京証券取引所市場第一部に上場
    • [12]設立(1975年)から上場(2000年)まで設立25年
    • [13]2001年3月 株式会社キスコソリューションを子会社化
    • [14]2001年6月 米国International TechneGroupとの合弁で株式会社アイティアイディコンサルティングを設立
    • [15]2002年3月 株式会社エスアイアイディを子会社化
    • [16]2002年5月 中国に上海電通信息服務有限公司を設立

2004年5月には本社所在地を東京都港区に移転し、[17]IT業界のクラスタが集積する港区拠点での営業強化をした。2005年11月のISID South East Asia(Thailand)、[18]2006年3月のエステック子会社化、[19]2009年3月のISIDアドバンストアウトソーシング設立[20]と、業務領域の拡張が続いた。

  • 有価証券報告書
    • [17]2004年5月 本社所在地を東京都港区に移転
    • [18]2005年11月 タイに ISID South East Asia(Thailand) を設立
    • [19]2006年3月 株式会社エステックを子会社化
    • [20]2009年3月 子会社 株式会社ISIDアドバンストアウトソーシングを設立
  • 有価証券報告書
    • [11]2000年11月 東京証券取引所市場第一部に上場
    • [12]設立(1975年)から上場(2000年)まで設立25年
    • [13]2001年3月 株式会社キスコソリューションを子会社化
    • [14]2001年6月 米国International TechneGroupとの合弁で株式会社アイティアイディコンサルティングを設立
    • [15]2002年3月 株式会社エスアイアイディを子会社化
    • [16]2002年5月 中国に上海電通信息服務有限公司を設立
    • [17]2004年5月 本社所在地を東京都港区に移転
    • [18]2005年11月 タイに ISID South East Asia(Thailand) を設立
    • [19]2006年3月 株式会社エステックを子会社化
    • [20]2009年3月 子会社 株式会社ISIDアドバンストアウトソーシングを設立

GE撤退と電通単独親会社体制への移行

2008年のリーマンショック以降、GE本社は本業の金融事業以外の事業撤退をした。GEインフォメーション・サービス事業は外部譲渡が進み、ISIDの株主構成においてもGEの保有比率は低下した。最終的に電通単独の親会社体制となり、[21]社名『電通国際情報サービス』のうち『Dentsu』の含意が経営実態と一致した。米国GE系の汎用ホストサービスから始まった事業形態は、Linux/Windowsベースのオープン系SIへ切り替わり、欧米のERP(SAP・Oracle)導入支援、製造業向けPLM(Product Lifecycle Management)導入支援、金融機関向けリスク管理システム導入支援を主軸とする総合SIerへの転換が進んだ。

  • 有価証券報告書
    • [21]GE撤退により最終的に電通単独の親会社体制となった

2009年10月のキスコソリューション後身ブレイニーワークスの吸収合併、[22]ISIDアシスト(現電通総研アシスト)子会社化、[23]2011年7月のクウジット関連会社化(第三者割当増資)、[24]2013年2月のISIDビジネスコンサルティング設立、[25]2013年4月のPT. ISID Indonesia設立、[26]2014年5月のISIDエンジニアリング設立[27]と、グループ会社の整理統合が継続した。連結業績はFY12(2013年3月期)連結売上高728億円・経常利益43億円・親会社株主帰属純利益26億円から、FY14(2015年3月期)売上782億円・経常利益49億円・純利益21億円と、リーマン後の景気回復局面で堅調に推移した。

  • 有価証券報告書
    • [22]2009年10月 キスコソリューション後身ブレイニーワークスを吸収合併
    • [23]ISIDアシスト(現電通総研アシスト)子会社化
    • [24]2011年7月 クウジットを第三者割当増資引受けにより関連会社化
    • [25]2013年2月 子会社 株式会社ISIDビジネスコンサルティングを設立
    • [26]2013年4月 インドネシアに子会社 PT. ISID Indonesia を設立
    • [27]2014年5月 子会社 株式会社ISIDエンジニアリングを設立
  • 有価証券報告書
    • [21]GE撤退により最終的に電通単独の親会社体制となった
    • [22]2009年10月 キスコソリューション後身ブレイニーワークスを吸収合併
    • [23]ISIDアシスト(現電通総研アシスト)子会社化
    • [24]2011年7月 クウジットを第三者割当増資引受けにより関連会社化
    • [25]2013年2月 子会社 株式会社ISIDビジネスコンサルティングを設立
    • [26]2013年4月 インドネシアに子会社 PT. ISID Indonesia を設立
    • [27]2014年5月 子会社 株式会社ISIDエンジニアリングを設立

決算期変更と中堅SIerとしての成長軌道

2015年4月、決算日を3月31日から12月31日に変更[28]した。親会社の電通本体は依然3月決算を継続したが、ISIDは米欧系SIer・コンサル業界の標準である12月決算に揃え、グローバル比較対象企業との財務分析の互換性を得た。決算期変更に伴い9ヶ月変則決算となったFY15(2015年12月期)は売上568億円となり、続く継続事業年度ベースではFY16(2016年12月期)売上798億円・営業利益65億円・経常利益67億円・純利益46億円へ拡大した。営業利益率はFY15の3.7%(変則期)からFY16の8.1%へ改善し、SIer業界における高採算事業構造を整えた。

  • 有価証券報告書
    • [28]2015年4月 決算日を3月31日から12月31日に変更(2015年12月期より)

FY16以降は売上・利益ともに連続増勢が続き、FY17(2017年12月期)売上834億円・営業利益55億円・純利益44億円、FY18(2018年12月期)売上910億円・営業利益82億円・純利益52億円、FY19(2019年12月期)売上1,007億円・営業利益101億円・純利益62億円と、3年で売上26%増・営業利益55%増の高成長をした。事業構造は金融ソリューション・製造ソリューション・ビジネスソリューション・コミュニケーションIT・X(クロス)イノベーションの5セグメント体制で運営され、各事業の専門性に応じた組織分割でセグメント間の独立性を確保した。2018年6月の独フラウンホーファー研究機構との合弁Two Pillars GmbH設立(2023年1月子会社化)、[29]2019年4月のインドネシアPT. Ebiz Cipta Solusi子会社化、[30]2019年5月のスマートホールディングス関連会社化、[31]2019年7月の三菱地所との合弁FINOLAB設立、セブン銀行との合弁ACSiON設立と、[32]合弁・関連会社設立による事業領域拡張が続いた。

  • 有価証券報告書
    • [29]2018年6月 独フラウンホーファー研究機構との合弁Two Pillars GmbH設立(2023年1月子会社化)
    • [30]2019年4月 インドネシアPT. Ebiz Cipta Solusiを子会社化
    • [31]2019年5月 スマートホールディングスを関連会社化
    • [32]2019年7月 三菱地所との合弁FINOLAB設立・セブン銀行との合弁ACSiON設立
  • 有価証券報告書
    • [28]2015年4月 決算日を3月31日から12月31日に変更(2015年12月期より)
    • [29]2018年6月 独フラウンホーファー研究機構との合弁Two Pillars GmbH設立(2023年1月子会社化)
    • [30]2019年4月 インドネシアPT. Ebiz Cipta Solusiを子会社化
    • [31]2019年5月 スマートホールディングスを関連会社化
    • [32]2019年7月 三菱地所との合弁FINOLAB設立・セブン銀行との合弁ACSiON設立

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電通総研の沿革1975〜2024年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1975〜2007年電通グループ専属SIerとしての創業と東証一部上場電通と米 General Electric Company の合弁により電通国際情報サービスを設立★★
ロンドン支店を開設。(1991年1月廃止)
子会社 ISI-Dentsu of America, Inc.を設立
本社所在地を移転
電通の社内情報システムについて、システム開発・運用業務の継続受注を開始★★
香港支店を開設。(1990年8月廃止)
子会社 ISI-Dentsu of Asia, Ltd.を設立
子会社 ISI-Dentsu of Europe, Ltd.を設立
子会社 電通国際システムを設立。(1997年7月電通国際情報サービスに吸収合併)
子会社 ISI-Dentsu Singapore Pte. Ltd. を設立
電通・米GEの二親会社体制から東証一部への株式公開へ

2000年11月30日、電通国際情報サービスが東京証券取引所市場第一部に上場した。公募は250万株、上場時の発行済株式総数は14,814,200株、主幹事は野村證券であった。1975年に電通と米国General Electric Companyの合弁として設立されてから25年目の株式公開にあたる。

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★★★
International TechneGroup との合弁でアイティアイディコンサルティングを設立
子会社 上海電通信息服務有限公司(現 電通総研(上海)信息諮詢有限公司)を設立
GE由来の祖業を閉じ、電通単独親会社体制へ移った資本と事業の整理

2003年3月、電通国際情報サービスが設立以来の祖業である国際遠隔情報処理サービスの提供を終了した。米国General Electric Companyのネットワーク設備に依存した事業をたたむ判断で、資本の側でも、2000年11月の上場時に23.6%を持っていたGE Information Services, Inc.が、2006年3月末の大株主から姿を消した。

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★★★
株式取得により、エステックを子会社化★★
2008〜2019年親会社GE撤退とリーマン後のソリューション事業拡大期釜井節生第三者割当増資引受けにより、クウジットを関連会社化
釜井節生2015年12月期より、決算日を12月31日に変更
釜井節生フラウンホーファー研究機構との合弁で Two Pillars GmbH を設立
名和亮一株式取得により、スマートHDを関連会社化
名和亮一三菱地所との合弁で FINOLAB を設立
2020〜2025年プライム移行と「電通総研」改称によるブランド刷新名和亮一子会社 ISIDブライトを設立
名和亮一監査役設置会社から監査等委員会設置会社に移行
名和亮一電通本体のシンクタンク「電通総研」を譲り受け、コンサル子会社2社と統合して商号を変える

2024年1月1日、株式会社電通国際情報サービス(ISID)が株式会社電通総研へ商号を変更した。同時に連結子会社のアイティアイディとISIDビジネスコンサルティングを統合し、dentsu Japan のシンクタンク組織『電通総研』を譲り受けた。発表は2023年2月10日、2022年12月期の決算とあわせておこなわれた。

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★★★
岩本浩久株式取得により、ミツエーリンクスを子会社化★★
出典・参考
  • 有価証券報告書

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