グッドウィル・グループ の歴史

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創業 1995年
創業者 折口雅博
創業地 東京都新宿区西新宿
創業
1995年2月、折口雅博氏が東京都新宿区西新宿で、軽作業に特化した請負業の株式会社グッドウィルを設立した。資本金1,000万円、役職員5人。工場や倉庫の積み下ろしや棚卸しを請け負う商売である。1997年には2月に人材派遣会社を買収し、3月にコムスンへ資本参加して介護へと、方向の違う手を同じ年に重ねた。1999年5月にグッドウィル・グループへ商号を改めて持株会社となり、7月に店頭登録を果たす。創業4年5か月で連結売上高113億円。ただし折口自身、登録直後の講演で軽作業の分野には売上高数十億円の会社しかなかったと認めた。
決断
制度が開く瞬間に、需要を確かめる前に最大速度で規模を取りに行った。2000年4月の公的介護保険の施行に合わせてコムスンは全国1,208カ所のケアセンターを同時に開き、需要の所在を確かめないまま47都道府県へ均等に置いた拠点は、2か月半で4割が統廃合に回った。2004年3月に東証一部へ上がると、今度は事業会社を買収する側へ回り、2006年10月には請負最大手クリスタルをデューデリジェンスなしで買収し、売上高が自社の3倍にあたる会社を取り込んでいる。過疎地一町の採算やPERといった一つの指標から到達点を逆算し、現場で確かめる工程を省く手順が、拠点でも買収でも繰り返された。
現況
この会社はもう存在しない。2007年6月、コムスンの訪問介護事業所で指定取消相当の事実が指摘されグループの全介護事業を外部へ譲渡し、8月に施設介護をニチイ学館へ210億円で渡し、残りも年内に渡した。直前の2007年6月期は売上高5,090億円に対し当期純損失407億円、自己資本比率は2.6%。2008年7月には祖業の日雇い派遣の株式会社グッドウィルが全事業を廃止し、10月にラディアホールディングスへ商号を改める。2009年6月に事業再生ADRを申請し、100%減資を経て10月29日に上場廃止。技術者派遣のテクノプロ・エンジニアリングだけが残った。
競合
競争は、規制が開いた隙間をどれだけ速く埋めるかで争われた。1999年6月の労働者派遣法改正で対象業務が原則自由になり、量のまとまらなかった営業職や管理職の派遣まで枠が広がると、グッドウィルは軽作業の日雇い派遣で登録スタッフを積み増した。同じ市場でリクルートは2007年、派遣首位の非上場大手の全株式を取得して規模を取りに行き、パソナは2001年、多角化で傷んだ事業を切り離して本業だけを上場させている。グッドウィルは逆に介護と請負の両方へ広げ続け、登録スタッフの数で取った地位を、事業所の指定を失うことで一度に崩した。
グッドウィル・グループ:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
1995年6月期2009年6月期

創業ストーリー 軽作業請負からの離陸と持株会社への組み替え (1995年〜)

軽作業請負からの離陸と持株会社への組み替え

資本金1000万円から4年半で売上113億円へ

1995年2月、軽作業に特化した請負業を事業目的[1]として株式会社グッドウィルが東京都新宿区西新宿に設立された。資本金は1000万円で、役職員は5人[2]、事務所はマンションの一室だった。会社の出発点にあったのは、荷物の積み下ろしや棚卸しといった、工場や倉庫で発生する短時間の作業を請け負う事業である。設立の翌月には新宿支店で営業を始めている[3]

  • ラディアホールディングス 有価証券報告書 第15期(2009年6月期)【沿革】
    • [1]1995年2月、軽作業に特化した請負業を事業目的として資本金1000万円で株式会社グッドウィルを東京都新宿区西新宿七丁目に設立
    • [3]1995年3月に東京都新宿区(新宿支店)で営業を開始
    • [2]折口は講演で「4年半前に資本金1,000万円、役職員5人、マンションオフィスでスタートした」と述べている

事業の拡張は、自前で部門を起こす方法と、会社を買う方法の両方で進んだ。1996年には本支店間を広域ネットワークで結ぶ業務管理情報システム『CONGA』と[4]、新規顧客開拓のテレマーケティングシステム『CAITAC』を整えている。1997年には方向の異なる三つの手を同じ年に打った。2月に株式会社アール・ティー・シーの全株式を取得して人材派遣業へ進出し[5]、3月に株式会社コムスンへ資本参加して介護ビジネスに足を入れ、6月に事業多角化のため株式会社サイクを取得している。同年7月には建設・内装現場に特化したコンストラクション事業部、8月にはセールスプロモーションと市場調査に特化したSPエール事業部を発足させた[6]。こうして労働力を供給する先は、設立から2年半で請負・派遣・介護・通信販売支援の四つに増えた。

  • ラディアホールディングス 有価証券報告書 第15期(2009年6月期)【沿革】
    • [4]1996年1月に業務管理情報システム「CONGA」を構築し、同年8月にテレマーケティングシステム「CAITAC」を開発
    • [5]1997年2月にアール・ティー・シーの全株式を取得して人材派遣業へ進出、3月にコムスンへ資本参加して関連会社化、6月にサイクの全株式を取得
    • [6]1997年7月にコンストラクション事業部(建設・内装現場作業に特化)、8月にSPエール事業部(セールスプロモーション・市場調査に特化)を発足

4年5か月後の1999年6月期は、連結で売上高113億円[7]、経常利益10億円の見込みとなった。折口は同年7月の証券アナリスト協会での講演で、この成長を『知恵と情熱』によるものと説明している[8]。ただし同じ講演で、参入した市場の性質についても率直に述べていた。『当社の発足当時、軽作業のアウトソーシングの分野では、おそらく全国100社以上の会社があり、また実際に既に売上が月十億円規模の会社もあった』[引用元]うえで自社が短期間で首位に立てたとしつつ、『軽作業の分野は、売上高数十億円の会社しかなかったので、やりやすかったということはある』[引用元]とも認めている。短期間で首位に立てたのは、その分野に売上高数十億円を超える相手が一社もいなかったからである。

    • [7]4年5か月後の1999年6月期連結決算で売上高113億円・経常利益10億円(見込み)を達成。設立時は資本金1000万円・役職員5人・マンションオフィスだった
    • [8]折口は成長の理由を「知恵と情熱」と述べ、特別なヒット商品があったわけではないと説明した
  • ラディアホールディングス 有価証券報告書 第15期(2009年6月期)【沿革】
    • [1]1995年2月、軽作業に特化した請負業を事業目的として資本金1000万円で株式会社グッドウィルを東京都新宿区西新宿七丁目に設立
    • [3]1995年3月に東京都新宿区(新宿支店)で営業を開始
    • [4]1996年1月に業務管理情報システム「CONGA」を構築し、同年8月にテレマーケティングシステム「CAITAC」を開発
    • [5]1997年2月にアール・ティー・シーの全株式を取得して人材派遣業へ進出、3月にコムスンへ資本参加して関連会社化、6月にサイクの全株式を取得
    • [6]1997年7月にコンストラクション事業部(建設・内装現場作業に特化)、8月にSPエール事業部(セールスプロモーション・市場調査に特化)を発足
    • [2]折口は講演で「4年半前に資本金1,000万円、役職員5人、マンションオフィスでスタートした」と述べている
    • [7]4年5か月後の1999年6月期連結決算で売上高113億円・経常利益10億円(見込み)を達成。設立時は資本金1000万円・役職員5人・マンションオフィスだった
    • [8]折口は成長の理由を「知恵と情熱」と述べ、特別なヒット商品があったわけではないと説明した

1999年に置かれた三つの前提と市場の見立て

1999年は、この会社の枠組みが決まった年にあたる。5月にグループ各社への持株会社機能を明確にするため社名をグッドウィル・グループ株式会社へ変更し、7[9]月7日に日本証券業協会へ店頭売買有価証券として登録した。同じ7月に、関連会社だったコムスンを子会社化している。グループ各社を子会社として抱える持株会社が、公開市場から直接資金を調達する。その経路が、5月と7月の二つの手続きで開いた。登録までに要した期間は、創業から4年5か月である。折口は社名変更の理由を『私共の会社はグループで見ていただきたいと思ったから』[引用元]と述べている。

  • ラディアホールディングス 有価証券報告書 第15期(2009年6月期)【沿革】
    • [9]1999年5月に持株会社機能を明確にするため社名をグッドウィル・グループ株式会社へ変更し、7月7日に日本証券業協会へ店頭売買有価証券として登録、同月にコムスンを子会社化

登録の直前には、事業環境の側でも二つの変化が起きていた。ひとつは労働者派遣法の改正である。折口はこの改正を講演で『大きなチャンス』と表現し、それまで量のまとまる派遣がOLに限られていたのに対し、営業職や管理職、経営者の派遣もできるようになったと説明[10]している。もうひとつは介護保険制度で、翌2000年4月の施行が決まっていた。労働市場では規制が緩み、介護市場では公費で新しく需要が生まれる。二つの変化が、店頭登録の前後に相次いだ。

    • [10]折口は1999年6月30日の派遣法改正で原則自由となったことを「大きなチャンス」と述べ、従来はOLの派遣しか量がまとまらなかったが営業マン・管理職・経営者の派遣もできるようになったと説明した

講演で折口が示した見通しは、市場規模の大きさから自社の到達点を逆算するものだった。通商産業省の試算を引いて、人材ビジネス・アウトソーシング・医療福祉の3領域を合計すると2010年に128兆円になり[11]、情報産業の126兆円に匹敵すると述べている。うち医療福祉が91兆円で最大であり、その領域に1兆円企業が1社もないと指摘した。そのうえでコムスンの目標を『2010年の段階でシェア10%をとってトップカンパニーになること』[引用元]『売上は5,000億円』と置いた。同時に、この事業の性質についてこう説明している。『しかも在庫も、巨額の投資も必要ない』[引用元]『安定して、タラレバのないビジネスであるという強みがある』[引用元]『大きな振れのリスクも少なく、安定成長が期待できる』[引用元]。1999年6月期の売上高113億円の会社が、11年後に売上5000億円の介護事業を持つという見通しである。

    • [11]折口は通産省試算として人材ビジネス・アウトソーシング・医療福祉の3領域合計が2010年に128兆円、情報産業が同時期126兆円、うち医療福祉が91兆円で1兆円企業が1社もないと述べた
  • ラディアホールディングス 有価証券報告書 第15期(2009年6月期)【沿革】
    • [9]1999年5月に持株会社機能を明確にするため社名をグッドウィル・グループ株式会社へ変更し、7月7日に日本証券業協会へ店頭売買有価証券として登録、同月にコムスンを子会社化
    • [10]折口は1999年6月30日の派遣法改正で原則自由となったことを「大きなチャンス」と述べ、従来はOLの派遣しか量がまとまらなかったが営業マン・管理職・経営者の派遣もできるようになったと説明した
    • [11]折口は通産省試算として人材ビジネス・アウトソーシング・医療福祉の3領域合計が2010年に128兆円、情報産業が同時期126兆円、うち医療福祉が91兆円で1兆円企業が1社もないと述べた

公的介護保険への同時出店と、最初の誤算

東証一部上場と、売上3倍の会社を買う決断

介護からの全面撤退、祖業の廃業、そして解体

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グッドウィル・グループの沿革1995〜2009年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1995〜1999年軽作業請負からの離陸と持株会社への組み替え軽作業に特化した請負業を事業目的としてグッドウィルを設立
人材派遣業進出のため子会社化したアール・ティー・シーを㈱グッドウィルへ商号変更
コムスンに資本参加し関連会社化★★
グッドウィル・グループに商号変更
日本証券業協会に店頭売買有価証券として登録
2000〜2003年公的介護保険への同時出店と、最初の誤算公的介護保険の開始に合わせたケアセンター1208カ所の同時開設と、2か月半後の4割統廃合

2000年4月の公的介護保険の施行に合わせ、グッドウィル・グループの子会社コムスンが全国1208カ所のケアセンターを一度に開設し、社員4000人を中途採用した経営判断。折口雅博会長兼社長が拠点数を決め、社名を知らせるために総額50億円の広告を投じた。開業から2か月半で拠点の4割を統廃合し、コムスンの2000年6月期は最終赤字171億円となった。

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★★★
2004〜2006年東証一部上場と、売上3倍の会社を買う決断川上真一郎請負最大手クリスタルグループの投資ファンド経由での買収と、デューデリジェンスの省略

2006年10月31日、グッドウィル・グループが投資ファンドを介して請負最大手クリスタルグループの株式67%相当を取得し、連結子会社とした経営判断。買収金額は883億円と報じられた。折口雅博会長は取材に対し、デューデリジェンスを行わずに買ったことを認めている。

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★★★
2007〜2009年介護からの全面撤退、祖業の廃業、そして解体堀井愼一厚生労働省がコムスンの訪問介護8事業所に指定取消処分相当を認定
堀井愼一コムスンの指定取消相当通知を受けたグループ全介護事業の外部譲渡

2007年6月、グッドウィル・グループが、傘下コムスンの訪問介護事業所8カ所で指定取消処分相当の事実を厚生労働省老健局から指摘されたことを受け、グループ内の全介護事業および介護関連事業を外部へ譲渡する基本方針を決めた経営判断。同年11月に在宅系、12月に居住系の事業承継が完了した。

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★★★
堀井愼一介護事業から撤退★★
堀井愼一創業者の折口雅博会長らが経営責任を取って辞任
堀井愼一祖業である日雇い派遣のグッドウィルの全事業から撤退★★
堀井愼一商号をラディアHDへ変更
2009年6月期末に180億円の債務超過
東京証券取引所で上場廃止★★
出典・参考

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