コムスン全介護事業を譲渡(2007年・グッドウィル・グループの決断)

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論点介護事業をどの条件で譲渡するか
グッドウィル・グループ:業績の推移
売上高(億円)経常利益率(%)
指定取消相当の通知を受けての介護事業からの全面撤退

何をなぜ決めたか:指定取消相当の通知を受けての介護事業からの全面撤退

概要

2007年6月、グッドウィル・グループが、傘下コムスンの訪問介護事業所8カ所で指定取消処分相当の事実を厚生労働省老健局から指摘されたことを受け、グループ内の全介護事業および介護関連事業を外部へ譲渡する基本方針を決めた経営判断。同年11月に在宅系、12月に居住系の事業承継が完了した。

背景

コムスンは処分前の廃止届と傘下会社への事業移管で難を逃れようとしたが、監督官庁と世論がこれを認めず、利用者6万5000人・従業員2万4000人を抱える事業の譲渡先を外に求めるほかなくなった。

内容

譲渡先は介護業界の会社を最優先とし、UIゼンセン同盟の要請を受けて一括譲渡を条件に据えた。

含意

一括譲渡という条件は結果としては保たれず、居住系はニチイ学館へ210億円で渡り、在宅系や関連会社は会社ごとに複数の相手へ分かれた。

いつ何が起きたか8件
考察:選べなかった撤退と、選べた条件
考察

考察:選べなかった撤退と、選べた条件

厚生労働省老健局が8事業所の指定取消処分相当を都道府県へ通知した時点で、コムスンを抱えたまま介護を続ける手段は連座制によって閉じていた。裁量が残ったのは条件のほうで、折口会長はUIゼンセン同盟の求める一括譲渡を受け、ファンドへの売却を"100%ありません"と排した。譲渡先を介護業界の会社に限り、価格を最後に置くという条件は、買い手の候補をあらかじめ狭めた。

居住系はニチイ学館に集まり、在宅系や関連会社は会社ごとに複数の相手へ分かれた。渡邉美樹社長が危ぶんだ1社集中と、地域ごとの分割が同時に起きた。価格を二の次に置けたのは、折口会長自身が認めたように介護がグループの利益を稼いでいなかったからでもある。自己資本比率が2.6%まで低下した会社にとって、10年間一度も利益を上げなかった事業の売却は、資本を立て直す手段でもあった。

Yutaka Sugiura, 2026年7月
参考文献

参考文献

参考
  • ラディアホールディングス(旧グッドウィル・グループ) 有価証券報告書【沿革】
  • ラディアホールディングス(旧グッドウィル・グループ) 有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」(連結)

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