タイミー の歴史

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創業 2017年
創業者 小川嶺
創業地 東京都国立市
創業
2017年8月、小川嶺氏が東京都国立市に株式会社Recolleを設立した。立教大学在学中の起業で、当初はアパレル向けで、一年で撤退している。2018年6月に社名をタイミーへ改め、8月にスキマバイトサービス「タイミー」の提供を始めた。働く前に報酬を得られる仕組みと、二次元コードで雇用契約と出退勤を処理する仕組みを特許で押さえ、履歴書と面接を省いた選考の欠落を埋めた。2019年から大阪・福岡へ営業拠点も置いた。ただし掲載される募集の6割は飲食業で、店を一軒ずつ訪ねて仕事を切り出す売り方は業種の偏りでもあった。
決断
業種ではなく仕事の渡し方で事業を定義してきた。履歴書も面接もなしに短く切り出した業務を未経験者へ渡し、その日のうちに賃金を払う型は、業種を選ばない。2020年、コロナ休業で飲食の求人が消えると、出稿が唯一上向いていた物流へ求人の主力を移した。倉庫内軽作業でも同じ型が使えたためである。もっとも2020年10月期の経常損失11億9600万円は翌期13億8700万円へ広がり、黒字は2022年10月期まで待った。取扱高が伸びるほど賃金の立て替えが要る構造には株式ではなく無担保・無保証の銀行借入で応じ、持株比率を保ったまま運転資金を賄っている。
現況
売上のほぼ全てをスキマバイトの手数料が占め、事業を一つに絞っている。2025年10月期の連結売上高342億8900万円のうち340億3500万円がマッチング、正社員紹介は1億5900万円にとどまる。営業利益は67億4700万円、期中の流通総額(ワーカーへ支払う賃金報酬等の合計)は1,172億円。登録ワーカー数はサービス開始以来の累計で1,274万人、登録事業所は41.7万拠点。物流現場にはフィールドマネージャーを派遣し、2025年8月には物流倉庫の請負会社を取得した。仲介の手数料を取る会社から、現場の作業ごと引き受ける側へ回り始めている。
競合
競争優位は手数料の安さでは決まらない。有報はIT企業・プラットフォーマー・求人情報サービス企業の新規参入を挙げ、無料化を含む価格攻勢が起きうると記す。実際、大手物流企業の北関東エリアでは安い競合へ移った拠点が人を集められず戻ってきた。同社は値引きを競争の手段とせず、商談で競合とぶつかる場面を抱えたが、2025年12月にはスポットワークに参入していたメルカリが撤退している。一部の大手には流通総額の拡大を条件に値引きも続けており、全国800人に迫る営業が現場で仕事を切り出して回る手間こそが、値引きに代わる参入障壁になっている。
タイミー:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2020年10月期2025年10月期

創業ストーリー アパレルで挫折した大学生が借金返済のアルバイトから見つけた不便 (2017年〜)

一年で畳んだ最初の会社と残った30万円

タイミーの前身は、スキマバイトとは何の関係もない会社だった。2017年8月、小川嶺氏が東京都国立市に株式会社Recolleを設立し[1]、自分の体形と好みを入力すると似合う服の提案を受けられるアパレル向けサービス[2]を立ち上げた。投資家の助言を受けて内容は二転三転し、最後は試着すると割引になる女性向けの仕組みに落ち着いている。エンジェル投資家から出資が決まりかけたところで、小川氏は他人の資金を預かって数年やり遂げる覚悟が自分にないと判断し、起業そのものを畳んだ。

  • タイミー 有価証券報告書【沿革】
    • [1]2017年8月、東京都国立市において株式会社Recolle(レコレ)を設立
    • [2]当初のサービスは体形と好みを入力すると似合う服の提案を受けられるバーチャル接客ツールで、その後試着で割引になる女性向けサービスに着地した

返済のため小川氏はアルバイトに追われる。そこで感じたのが『何で応募にメールを使うのか。アプリで完結すればいいのに』[引用元]という不満である。履歴書を書き、面接に出向き、報酬は後日振り込まれる。求人サービスの発想としては珍しく、企業の採用課題からではなく、自分が払わされた手間から出発している。

  • タイミー 有価証券報告書【沿革】
    • [1]2017年8月、東京都国立市において株式会社Recolle(レコレ)を設立
    • [2]当初のサービスは体形と好みを入力すると似合う服の提案を受けられるバーチャル接客ツールで、その後試着で割引になる女性向けサービスに着地した

皿洗いだけを切り出す飛び込み営業と即日払いの設計

2018年6月に社名をタイミーへ変え[3]、同年8月にスキマバイトサービス『タイミー』の提供を始めた。アプリの原型は小川氏が自作し、働き手は学生の友人経由で集めている。事業者側の開拓は飲食店への飛び込み営業だった。一日単位でも半日単位でもなく、店がもっとも忙しい二時間分の一業務だけを外に出させる。仕事を細かく割るほど、履歴書も面接もない働き手で埋められる隙間が増えた。求人媒体が扱ってきた『週三日以上』の枠を、その手前で分解する売り方である。

  • タイミー 有価証券報告書【沿革】
    • [3]2018年6月に社名を株式会社タイミーに変更、2018年8月にスキマバイトサービス「タイミー」の提供を開始

働き手を集めたのは即日払いだった。2018年5月には、働く前に報酬を得られる仕組みについて特許を取得[4]している。翌2019年6月にはセブン銀行と恒常的な銀行振込サービスで業務提携し[5]、働いたその日のうちに賃金が口座へ入る流れを整えた。2019年5月には二次元コードで雇用契約と出退勤を処理する特許も取っている。履歴書と面接を省いたぶん、誰がいつ本当に働いたかを確かめる仕組みが要る。手間を削る仕組みと、削ったぶんを埋める仕組みを、同じ時期に並べて用意した。2019年10月には英語表記を『Taimee』[6]から『Timee』へ改め、11月には初のテレビCMを流している。

  • タイミー 有価証券報告書【沿革】
    • [4]2018年5月、「マッチング支援サーバ、マッチング支援システム、マッチング支援方法及びプログラム」の特許を取得(特許第6474089号)
    • [5]2019年6月、株式会社セブン銀行と恒常的な銀行振込サービスに関する業務提携を開始
    • [6]2019年5月、雇用契約と出退勤について二次元コードを活用して行う特許を取得(特許第6667918号)。2019年10月に会社英語表記名を「Taimee」から「Timee」へ変更、2019年11月に初のテレビCMを放映

拠点も同時に増やした。2019年7月に大阪と福岡、2020年2月に名古屋、2021年に仙台と広島、2022年に札幌と長野へオフィス[7]を置いている。当時の登録者数からすれば過剰にも見える配置だった。飲食店一軒ごとに業務を切り分けて提案する売り方は、電話とアプリだけでは完結しない。全国に散る中小の事業者を一軒ずつ訪ねる営業を前提にした以上、拠点を先に置くほかなかった。本社も事業拡大のたびに恵比寿・本郷・道玄坂・東池袋と移り、2023年2月に東新橋へ落ち着くまで、五年で五度移転[8]している。

  • タイミー 有価証券報告書【沿革】
    • [7]2019年7月に関西オフィス(大阪市北区)と九州オフィス(福岡市中央区)、2020年2月に東海オフィス(名古屋市中区)、2021年7月に東北オフィス(仙台市青葉区)、2021年9月に中四国オフィス(広島市中区)、2022年1月に北海道オフィス(札幌市中央区)、2022年12月に北信越オフィス(長野市)を新設
    • [8]本社は2018年6月に渋谷区恵比寿、2018年12月に文京区本郷、2019年7月に渋谷区道玄坂、2020年7月に豊島区東池袋、2023年2月に港区東新橋へ移転
  • タイミー 有価証券報告書【沿革】
    • [3]2018年6月に社名を株式会社タイミーに変更、2018年8月にスキマバイトサービス「タイミー」の提供を開始
    • [4]2018年5月、「マッチング支援サーバ、マッチング支援システム、マッチング支援方法及びプログラム」の特許を取得(特許第6474089号)
    • [5]2019年6月、株式会社セブン銀行と恒常的な銀行振込サービスに関する業務提携を開始
    • [6]2019年5月、雇用契約と出退勤について二次元コードを活用して行う特許を取得(特許第6667918号)。2019年10月に会社英語表記名を「Taimee」から「Timee」へ変更、2019年11月に初のテレビCMを放映
    • [7]2019年7月に関西オフィス(大阪市北区)と九州オフィス(福岡市中央区)、2020年2月に東海オフィス(名古屋市中区)、2021年7月に東北オフィス(仙台市青葉区)、2021年9月に中四国オフィス(広島市中区)、2022年1月に北海道オフィス(札幌市中央区)、2022年12月に北信越オフィス(長野市)を新設
    • [8]本社は2018年6月に渋谷区恵比寿、2018年12月に文京区本郷、2019年7月に渋谷区道玄坂、2020年7月に豊島区東池袋、2023年2月に港区東新橋へ移転

2020年4月に売上が3分の1へ落ちた理由

2020年、タイミーはサービス開始以来はじめての危機に直面した。FY20(2020年10月期)の売上高は4億6100万円、経常損益は11億9600万円の赤字である。仕事を細かく切り出す売り方は飲食店との相性がよく、そこに集中したからこそ伸びた。同じ集中が、損失の大きさもそのまま決めた。

打開策は職種の載せ替えだった。巣ごもり需要で宅配と倉庫の人手が逼迫していた時期にあたり、外へ出られない働き手と人を出せない倉庫の双方が滞留していた。売上は一年ほどでコロナ禍以前の水準へ戻り、FY21(2021年10月期)の売上高は12億9900万円と前期の2.8倍になった。ただし経常損益は13億8700万円の赤字で、赤字幅はむしろ広がっている。伸びを取りに行くための費用が、売上より先に出た期である。

伊藤忠との資本業務提携と借入中心の400億円

物流へ載せ替えた成長は、外部資金の調達で加速した。2021年8月に伊藤忠商事と営業支援に関する資本業務提携を開始し[9]、同年9月には第三者割当増資40億円と借入13億円をあわせた53億円を調達している[10]。従業員の平均年齢が30歳前後の会社が、大企業を動かした経験のある経営者と総合商社の営業網を同時に取り込んだことになる。

調達の中身は次第に借入へ寄っていった。2022年11月に運転資金として183億円[11]、2023年9月にはみずほ銀行・三菱UFJ銀行・りそな銀行からの借入だけで130億円を集め、サービス開始から5年で累計調達額は約403億円に達している[12]。スキマバイトは働き手へ即日払いし、事業者からの入金は後になるため、取扱高が伸びるほど立て替える現金が要る。株式でなく借入で賄えたのは、返済原資となる取扱高の伸びを金融機関に説明できたためである。FY22(2022年10月期)の営業キャッシュフローは19億5100万円の流出で、財務キャッシュフローの20億5900万円の流入がこれを埋めていた。

業績が損益分岐を越えたのはFY22である。売上高62億1600万円に対し経常利益は1億1500万円と薄いものの、前々期まで10億円規模の赤字を出していた会社が黒字へ転じた。翌FY23は売上高161億4400万円、営業利益19億5700万円と一気に水準が上がる。従業員数もFY23末で708人に達した。エリア営業に人を割く方法をとる以上、売上の伸びは人員の伸びとほぼ連動する。ベンチャーキャピタルからの出資に頼らず銀行借入で運転資金を賄えたのも、この黒字転換があったからである。

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タイミーの沿革2017〜2025年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
2017〜2019年アパレルで挫折した大学生が借金返済のアルバイトから見つけた不便小川嶺Recolle(レコレ)を設立
小川嶺社名をタイミーに変更
小川嶺スキマバイトサービス「タイミー」の提供開始★★
2020〜2023年飲食への集中が招いた売上3分の1と物流への載せ替え小川嶺求人主力の飲食から物流への転換と、倉庫内軽作業の開拓

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店が営業を自粛し、掲載求人の約6割を占めていた飲食関連は数%まで落ち込んだ。売上は一時3分の1へ減少したが、小川嶺社長は自社プラットフォームで唯一出稿が上向いていた物流へ主力職種を移し、一年ほどで売上を回復させた。

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小川嶺求人の主力を物流に転換★★
小川嶺伊藤忠商事と営業支援に関する資本業務提携を開始★★
小川嶺無担保・無保証の銀行借入による運転資金の調達と累計403億円の資金構成

2022年11月と2023年9月、タイミーは大手3行からの長期借入とコミットメントラインで183億円・130億円を相次いで調達した。いずれも無担保・無保証・希薄化無しで、借入金利はAll-in costで年利1.0%未満。サービス開始から5年で累計調達額は約403億円となった。

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小川嶺GMOあおぞらネット銀行と恒常的な銀行振込サービスに関する業務提携を開始
小川嶺東京証券取引所グロース市場に株式を上場
2025〜2026年単発仲介から総合人材への拡張と規制が問い直す責任範囲小川嶺スキマワークスの全株式取得と、物流倉庫の業務請負への進出

2025年8月6日、タイミーが物流倉庫領域の業務委託(BPO)型運営に強みを持つスキマワークス株式会社の全株式を取得すると発表した。2017年8月の設立から8年、同社にとって初めてのM&Aであった。取得価額は開示されていない。

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出典・参考

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