2003年4月、東京都町田市に株式会社エス・エム・エスを設立し[3]、諸藤氏が代表取締役社長に就いた[4]。設立時の年齢は25歳[5]。
2003年5月、ケアマネジャー・相談員・障害福祉を対象とする人材紹介のケア人材バンクの運営を、設立の年から始めた[6]。
2003年11月、介護・医療分野などの資格講座情報のシカトルの運営を開始[7]。紹介の前段にあたる、資格を取る段階にも網をかけた[8]。2004年3月には介護職向けの求人情報のカイゴジョブを立ち上げ、2005年9月には看護師向け人材紹介のナース人材バンクを開いて医療分野へ入った[9]。
2006年に入ると、サイトの増設速度がさらに上がった[10]。同年8月、医師向け人材紹介のドクターキャリアエージェントと、看護師・看護学生向けコミュニティのナース専科の運営を始めた[11]。翌9月にはケアマネジャー向けコミュニティのケアマネドットコムが加わり、2007年4月には薬剤師向け人材紹介のファーマ人材バンクが続いた[12]。資格職ごとにサイトを分け、介護から医療へ、紹介から情報の提供へと面を広げた結果、設立から5年間で立ち上げたサイトは14を数える[13]。売上高と経常利益はともに約2倍の勢いで伸びた[14]。
人材紹介の隣で、事業者そのものに向かう商品も立てた[15]。2006年7月、中小の介護事業者向けに介護保険請求ソフトのカイポケビズを投入した[16]。求人を出す側の事務作業に入り込む商品であり、人を紹介して終わる関係ではなくなった[17]。
2008年3月、東京証券取引所マザーズに株式を上場した[18]。設立から5年に満たない[19]。2008年3月期の単体の売上高は27億円、経常利益は4億円、当期純利益は2億円[20]。
上場した年も新しいサイトは増え続けた[21]。2008年9月、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を対象とする人材紹介のPT/OT人材バンクを開いた[22]。
諸藤周平社長は2009年に入り、介護と看護の側で会員を集める入口を増やした[23]。同年6月に介護で悩む人向けコミュニティの安心介護の運営を始め[24]、8月には株式会社アンファミエから医療事業を譲り受けて看護学生向け就職情報のナース専科就職ナビを引き継いだ[25]。一方、医師と薬剤師向けの人材紹介では、エムスリーの求人広告サービスを利用して求職者を集めており、求人情報の入口は他社が握っていた[26]。エムスリーは同社株の3.9%を保有し、看護師・看護学生に特化した情報ポータルサイトm3 Nurseをエス・エム・エスと共同で運営する関係にあった[27]。
2009年11月17日、両社は共同新設分割によるエムスリーキャリア株式会社の設立を発表した[28]。エス・エム・エスが承継させたのはドクターキャリアエージェント、ドクターバイトナビ、ファーマ人材バンク、薬剤師求人プラスの4サービスで、2009年3月期の売上高は347百万円、単体売上高5,177百万円の6.7%にあたった[29]。エムスリー側が出したのはm3.com CAREERとm3.com Pharmacistの求人広告事業で、規模は322百万円、連結売上高8,534百万円の3.8%を占めた[30]。新会社は普通株式1,000株を発行してエムスリーに510株、エス・エム・エスに490株を割り当て、同社にとって出資比率49%の持分法適用会社となった[31]。
分割と同時にエムスリーはm3 Nurseの担当部分をエス・エム・エスへ譲渡し、共同運営の契約を解消した[32]。看護師向けの情報は同社へ一本化され、医師と薬剤師の紹介は連結の外へ出た[33]。新会社は東京都千代田区神田須田町に本社を置き、代表取締役には中條宰氏が就いた[34]。資本金は50百万円、設立時の従業員は28名[35]。分割対象事業に従事する両社の従業員は、エムスリーキャリアへ出向した[36]。両社は簡易分割にあたるとして株主総会の決議を経ず、第三者算定機関の意見も取らずに、利益額と類似企業比較法で算出した事業価値をもとに51対49の割当比率を決めた[37]。
エス・エム・エスは2011年1月、韓国にSMS KOREA CO., LTD.を設立し、介護と医療の分野で事業開発に入った[38]。8か月後の2011年9月には、看護師向けキャリアサービスのNURSCAPEを運営する現地企業の株式80%を取得して子会社化した[39]。NURSCAPEは韓国の正看護師約30万人に対して24.3万人の会員を持つ看護師コミュニティで、求人やeラーニングも扱っていた[40]。同社が海外へ出た理由は、日本より市場規模が大きく高齢化の進展が見込まれる点にある[41]。韓国の高齢化率は2010年の11%から2020年に16%へ上がると見込まれていた[42]。
2011年12月、同社は上場市場を東京証券取引所マザーズから市場第一部へ変更した[43]。翌2012年5月には栄養士・管理栄養士向け人材紹介の栄養士人材バンクの運営を始め、6月には札幌市にコールセンター業務などを担う株式会社エス・エム・エスサポートサービスを置いた[44]。7月にはベトナムのソフトウエア開発会社の株式を取得し、システム開発と保守の一部を現地へ移した。連結売上高は2011年3月期の76億円から2012年3月期に87億円、2013年3月期には102億円へ伸び、経常利益は15億円から20億円になった[45]。
2013年4月、同社は高齢者向け住宅紹介のかいごDBの運営を始め、同じ月に1株を200株に分割した[46]。5月には本社を東京都港区芝公園へ移転[47]。9月に臨床検査技師向け人材紹介の検査技師人材バンク、11月に高齢者向け食事宅配紹介のらいふーどを加え、2014年1月には東京都港区にファクタリング事業などを目的とする株式会社エス・エム・エスフィナンシャルサービスを設立した[48]。人材紹介の対象職種が増えるのに合わせ、連結従業員数は2012年3月期の503人から2013年3月期578人、2014年3月期673人へ増えた[49]。
2014年2月、同社は中小介護事業者向けの介護保険請求ソフトのカイポケビズを拡充し、介護・障害福祉事業者向けの経営支援サービスのカイポケへ作り替えた[50]。請求だけを担っていた画面に、会計ソフト、早期入金、経営管理、採用、勤怠管理、給与計算、調達支援、商圏調査などを足し、2015年3月期までに37のサービスを載せた[51]。中小に絞ったのは、介護事業者の8割が中小規模で、その数が約10万事業所に上るためである[52]。全事業所222,000のうち請求サービスの対象は142,000、そのうち中小の114,000がカイポケの対象顧客にあたった[53]。
月額3,000円ほどで売っていた介護ソフトの価格を、機能を積んだうえで20,000円へ引き上げた[54]。2014年4月には介護報酬の入金を通常より約1.5か月早めるカイポケ早期入金サービスを始め、7月には株式会社マネーフォワードと提携して会計ソフトのMFクラウド会計・確定申告を会員へ無料で配った[55]。同年7月時点の会員は全国約17,500事業所[56]。値上げで既存顧客の一部は離れ、会員数が純増に戻ったのは2015年3月である[57]。8月には介護職向け人材紹介のカイゴジョブエージェントを立ち上げ、大手には求人情報のカイゴジョブ、中小にはカイポケ内の求人情報という分け方を敷いた[58]。
創業3期目に100年続く会社にすると決めていた同社で、創業者が長く続けるのはよくないと考え、10期目で社長を降りることを決めて5年かけて後継者を探した[59]。後藤夏樹社長は2004年4月にアイ・ビー・エムビジネスコンサルティングサービス株式会社へ入り、ベイカレントコンサルティングを経て2007年12月にエス・エム・エスへ入社、経営企画室長、管理本部長、海外事業本部長を務めた[60]。エムスリーとの共同新設分割では、当時管理本部長だった後藤夏樹社長が連絡先に名を並べていた[61]。
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|---|---|---|---|---|
| 2003〜2008年高齢社会という確実に来る需要のそばに情報の網を張る | 諸藤周平 | 東京都町田市にエス・エム・エスを設立 | ★★★ | |
| 諸藤周平 | ケアマネジャー向け人材紹介「ケア人材バンク」の運営開始 | ★ | ||
| 諸藤周平 | 介護職向け求人情報「カイゴジョブ」の運営開始 | ★ | ||
| 諸藤周平 | 看護師向け人材紹介「ナース人材バンク」の運営開始 | ★ | ||
| 諸藤周平 | 中小介護事業者向け介護保険請求ソフト「カイポケビズ」の運営開始 | ★ | ||
| 諸藤周平 | 医師向け人材紹介「ドクターキャリアエージェント」の運営開始 | ★ | ||
| 諸藤周平 | 薬剤師向け人材紹介「ファーマ人材バンク」の運営開始 | ★ | ||
| 諸藤周平 | 東京証券取引所マザーズに株式上場 | ★ | ||
| 諸藤周平 | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士向け人材紹介「PT/OT人材バンク」の運営開始 | ★ | ||
| 2009〜2014年医師と薬剤師を合弁へ移し、介護と看護へ絞り直す | 諸藤周平 | 介護で悩む人向けコミュニティ「安心介護」の運営開始 | ★ | |
| 諸藤周平 | アンファミエより医療事業を譲受 | ★ | ||
| 諸藤周平 | 医師・薬剤師向け人材紹介をエムスリーキャリアに移管 | ★★★ | ||
| 諸藤周平 | 韓国の看護師向けキャリアサービス「NURSCAPE」を子会社化 | ★★★ | ||
| 諸藤周平 | 東京証券取引所市場第一部に上場市場を変更 | ★ | ||
| 諸藤周平 | 栄養士・管理栄養士向け人材紹介「栄養士人材バンク」の運営開始 | ★ | ||
| 諸藤周平 | ベトナムのソフトウエア開発会社の株式を取得 | ★ | ||
| 諸藤周平 | 高齢者向け住宅紹介「かいごDB」の運営開始 | ★ | ||
| 諸藤周平 | 「カイポケビズ」を介護事業者向け経営支援基盤「カイポケ」に刷新 | ★★★ | ||
| 後藤夏樹 | 介護職向け人材紹介「カイゴジョブエージェント」の運営開始 | ★ | ||
| 2015〜2023年アジアの医薬情報を買い、看護師の流れを世界へつないだ | 後藤夏樹 | アジア太平洋地域で医薬情報サービスを運営する「MIMSグループ」を子会社化 | ★★★ | |
| 後藤夏樹 | 資格取得スクール「カイゴジョブアカデミー」の運営開始 | ★ | ||
| 後藤夏樹 | 海外市場における新株式発行および自己株式処分により約70億円を調達 | ★ | ||
| 後藤夏樹 | マレーシアの看護師人材紹介会社「MELORITA CONSULTANTS SDN. BHD.」を子会社化 | ★ | ||
| 後藤夏樹 | 柔道整復師等にキャリアサービスを提供するウィルワンを子会社化 | ★ | ||
| 後藤夏樹 | フィリピンの看護師人材紹介会社「MEDICAL STAFFING RESOURCES, INC.」を子会社化 | ★ | ||
| 後藤夏樹 | MIMSグループの株式を追加取得し完全子会社化 | ★ | ||
| 後藤夏樹 | 保育士向け人材紹介「保育士人材バンク」の運営開始 | ★ | ||
| 後藤夏樹 | 産業保健ソリューション「リモート産業保健」の運営開始 | ★ | ||
| 後藤夏樹 | アイルランドの医療従事者紹介会社「CCM INTERNATIONAL LIMITED」を子会社化 | ★ | ||
| 後藤夏樹 | 東京証券取引所の市場区分見直しによりプライム市場に移行 | ★ | ||
| 後藤夏樹 | ドイツの看護師人材紹介会社と看護師資格取得支援会社を子会社化 | ★ | ||
| 2024〜2026年過去最高の売上高と海外事業229億円の減損 | 後藤夏樹 | 障害のある方向け人材紹介「DEIGO求人ナビ」の運営開始 | ★ | |
| 後藤夏樹 | エヌ・ゲートとの合弁でエス・エム・エスウェルフェアテクノロジーを設立 | ★ | ||
| 髙畑正樹 | 髙畑正樹が代表取締役社長に就任 | ★ |
免責事項およびポリシー
事実根拠:出所(エス・エム・エス)