エス・エム・エス の歴史

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創業 2003年
創業者 諸藤周平
創業地 東京都町田市
創業
2003年4月、諸藤周平氏が東京都町田市で株式会社エス・エム・エスを設立した。前年8月に立てた合資会社の株式会社化で、社名は「Senior Marketing System」の頭文字にあたる。キーエンスとゴールドクレストを経た25歳の起業で、翌5月にケアマネジャー向け人材紹介「ケア人材バンク」を開設した。2000年に始まった介護保険をあてこんで介護拠点を全国1,208カ所へ一斉に並べた会社もあったが、エス・エム・エスが置いたのは事業所ではなく情報の網だった。確実に来る需要のそばで、そこを通る人を数える商売から始まっている。
決断
優位に立てない領域を早く手放し、優位を築ける領域だけを深く掘る仕分けに特色がある。2009年12月、医師と薬剤師向けの人材紹介4サービスを共同新設分割で切り出し、出資49%のエムスリーキャリアへ移した。相手は医師会員を一つの入口へ集約した会社で、求人情報の入口を握られた領域だった。代わりに看護師向けポータルの共同運営を解いて情報を自社へ引き取り、2014年2月には介護請求ソフトを経営支援基盤「カイポケ」へ作り替え、月3,000円の商品を2万円へ引き上げた。捨てる側と積む側を分けたことが、介護と看護への集中を生んだ。
現況
介護と看護のキャリア紹介を中核に、介護・障害福祉事業者向けの経営支援を継ぎ足した国内 2 事業の構造である。2026年3月期の売上高は647億円と過去最高を更新し、キャリアが382億円、介護・障害福祉経営支援が134億円を占めた。一方、2015年に買収したアジアの医薬情報事業を抱える海外分野は88億円へ減り、営業段階でも赤字となって229億円の減損損失を計上し、当期は143億円の純損失に転じた。自前で積んだ国内と、買収で広げた海外が、現在正反対の答えを出している。
競合
正面から競うより、競わずに済む場所を選び続けてきた。職種を横断する規模で戦う大手に対し、資格職ごとにサイトを分けて小さな市場を数で集約し、医師と薬剤師では自ら合弁へ退いた。1,000億円超でIndeedを買収したリクルート514億円で転職メディアを買収したパーソルのように、求職者との接点を資本で取り込む道とは別の戦い方である。ただし海外では買収で会員基盤を一気に得ながら伸ばしきれず、2026年には物言う株主から撤退を求められた。避けて優位に立った国内と、買収して苦しむ海外の落差が、エス・エム・エスの輪郭を作っている。
長期業績の推移 2008〜2026年
エス・エム・エス:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2008年3月期2026年3月期

創業ストーリー 高齢社会という確実に来る需要のそばに情報の網を張る (2003年〜)

創業ストーリー(1)

介護保険が生んだ未成熟な市場への参入

諸藤周平氏は1977年12月14日に生まれ、2000年4月にキーエンスへ入社した[1]。2001年9月にゴールドクレストへ移った[2]

  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2007年3月期)【役員の状況】
    • [1]諸藤周平は1977年12月14日生。2000年4月に株式会社キーエンスへ入社し、2001年9月に株式会社ゴールドクレストへ入社した
    • [2]諸藤周平は1977年12月14日生。2000年4月に株式会社キーエンスへ入社し、2001年9月に株式会社ゴールドクレストへ入社した

2003年4月、東京都町田市に株式会社エス・エム・エスを設立し[3]、諸藤氏が代表取締役社長に就いた[4]。設立時の年齢は25歳[5]

  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [3]2003年4月、東京都町田市において株式会社エス・エム・エスを設立
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2007年3月期)【役員の状況】
    • [4]諸藤周平は2003年4月に当社を設立し、代表取締役社長に就任した
    • [5]「全くの異分野から転身し25歳の時にエス・エム・エスを設立」
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2007年3月期)【役員の状況】
    • [1]諸藤周平は1977年12月14日生。2000年4月に株式会社キーエンスへ入社し、2001年9月に株式会社ゴールドクレストへ入社した
    • [2]諸藤周平は1977年12月14日生。2000年4月に株式会社キーエンスへ入社し、2001年9月に株式会社ゴールドクレストへ入社した
    • [4]諸藤周平は2003年4月に当社を設立し、代表取締役社長に就任した
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [3]2003年4月、東京都町田市において株式会社エス・エム・エスを設立
    • [5]「全くの異分野から転身し25歳の時にエス・エム・エスを設立」
創業ストーリー(2)

ケアマネジャー紹介から始まる資格職ごとのサイト増設

2003年5月、ケアマネジャー・相談員・障害福祉を対象とする人材紹介のケア人材バンクの運営を、設立の年から始めた[6]

  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [6]2003年4月に会社を設立し、2003年5月にケアマネジャー・相談員・障害福祉の人材紹介「ケア人材バンク」を運営開始

2003年11月、介護・医療分野などの資格講座情報のシカトルの運営を開始[7]。紹介の前段にあたる、資格を取る段階にも網をかけた[8]。2004年3月には介護職向けの求人情報のカイゴジョブを立ち上げ、2005年9月には看護師向け人材紹介のナース人材バンクを開いて医療分野へ入った[9]

  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [7]2003年11月に介護/医療分野等の資格講座情報「シカトル」、2004年3月に「カイゴジョブ」、2005年9月に看護師向け人材紹介「ナース人材バンク」を運営開始
    • [8]2003年11月に介護/医療分野等の資格講座情報「シカトル」、2004年3月に「カイゴジョブ」、2005年9月に看護師向け人材紹介「ナース人材バンク」を運営開始
    • [9]2003年11月に介護/医療分野等の資格講座情報「シカトル」、2004年3月に「カイゴジョブ」、2005年9月に看護師向け人材紹介「ナース人材バンク」を運営開始

2006年に入ると、サイトの増設速度がさらに上がった[10]。同年8月、医師向け人材紹介のドクターキャリアエージェントと、看護師・看護学生向けコミュニティのナース専科の運営を始めた[11]。翌9月にはケアマネジャー向けコミュニティのケアマネドットコムが加わり、2007年4月には薬剤師向け人材紹介のファーマ人材バンクが続いた[12]。資格職ごとにサイトを分け、介護から医療へ、紹介から情報の提供へと面を広げた結果、設立から5年間で立ち上げたサイトは14を数える[13]。売上高と経常利益はともに約2倍の勢いで伸びた[14]

  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [10]2006年8月に医師向け人材紹介「ドクターキャリアエージェント」と看護師・看護学生向けコミュニティ「ナース専科」、2006年9月にケアマネジャー向けコミュニティ「ケアマネドットコム」、2007年4月に薬剤師向け人材紹介「ファーマ人材バンク」を運営開始
    • [11]2006年8月に医師向け人材紹介「ドクターキャリアエージェント」と看護師・看護学生向けコミュニティ「ナース専科」、2006年9月にケアマネジャー向けコミュニティ「ケアマネドットコム」、2007年4月に薬剤師向け人材紹介「ファーマ人材バンク」を運営開始
    • [12]2006年8月に医師向け人材紹介「ドクターキャリアエージェント」と看護師・看護学生向けコミュニティ「ナース専科」、2006年9月にケアマネジャー向けコミュニティ「ケアマネドットコム」、2007年4月に薬剤師向け人材紹介「ファーマ人材バンク」を運営開始
    • [13]「2003年の設立からわずか5年間で、14ものサイトを立ち上げ、売上・経常利益共に約2倍の勢いで成長を続けながら業界をリードしつづけている」
    • [14]「2003年の設立からわずか5年間で、14ものサイトを立ち上げ、売上・経常利益共に約2倍の勢いで成長を続けながら業界をリードしつづけている」
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [6]2003年4月に会社を設立し、2003年5月にケアマネジャー・相談員・障害福祉の人材紹介「ケア人材バンク」を運営開始
    • [7]2003年11月に介護/医療分野等の資格講座情報「シカトル」、2004年3月に「カイゴジョブ」、2005年9月に看護師向け人材紹介「ナース人材バンク」を運営開始
    • [8]2003年11月に介護/医療分野等の資格講座情報「シカトル」、2004年3月に「カイゴジョブ」、2005年9月に看護師向け人材紹介「ナース人材バンク」を運営開始
    • [9]2003年11月に介護/医療分野等の資格講座情報「シカトル」、2004年3月に「カイゴジョブ」、2005年9月に看護師向け人材紹介「ナース人材バンク」を運営開始
    • [10]2006年8月に医師向け人材紹介「ドクターキャリアエージェント」と看護師・看護学生向けコミュニティ「ナース専科」、2006年9月にケアマネジャー向けコミュニティ「ケアマネドットコム」、2007年4月に薬剤師向け人材紹介「ファーマ人材バンク」を運営開始
    • [11]2006年8月に医師向け人材紹介「ドクターキャリアエージェント」と看護師・看護学生向けコミュニティ「ナース専科」、2006年9月にケアマネジャー向けコミュニティ「ケアマネドットコム」、2007年4月に薬剤師向け人材紹介「ファーマ人材バンク」を運営開始
    • [12]2006年8月に医師向け人材紹介「ドクターキャリアエージェント」と看護師・看護学生向けコミュニティ「ナース専科」、2006年9月にケアマネジャー向けコミュニティ「ケアマネドットコム」、2007年4月に薬剤師向け人材紹介「ファーマ人材バンク」を運営開始
    • [13]「2003年の設立からわずか5年間で、14ものサイトを立ち上げ、売上・経常利益共に約2倍の勢いで成長を続けながら業界をリードしつづけている」
    • [14]「2003年の設立からわずか5年間で、14ものサイトを立ち上げ、売上・経常利益共に約2倍の勢いで成長を続けながら業界をリードしつづけている」
創業ストーリー(3)

事業者向けソフトと東証マザーズ上場

人材紹介の隣で、事業者そのものに向かう商品も立てた[15]。2006年7月、中小の介護事業者向けに介護保険請求ソフトのカイポケビズを投入した[16]。求人を出す側の事務作業に入り込む商品であり、人を紹介して終わる関係ではなくなった[17]

  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [15]2006年7月、中小介護事業者向け介護保険請求ソフト「カイポケビズ」を運営開始
    • [16]2006年7月、中小介護事業者向け介護保険請求ソフト「カイポケビズ」を運営開始
    • [17]2006年7月、中小介護事業者向け介護保険請求ソフト「カイポケビズ」を運営開始

2008年3月、東京証券取引所マザーズに株式を上場した[18]。設立から5年に満たない[19]。2008年3月期の単体の売上高は27億円、経常利益は4億円、当期純利益は2億円[20]

  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [18]2008年3月、東京証券取引所マザーズに株式上場。設立は2003年4月
    • [19]2008年3月、東京証券取引所マザーズに株式上場。設立は2003年4月
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2008年3月期)
    • [20]2008年3月期(単体)の売上高27億円、経常利益4億円、当期純利益2億円

上場した年も新しいサイトは増え続けた[21]。2008年9月、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を対象とする人材紹介のPT/OT人材バンクを開いた[22]

  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [21]2008年9月、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士向け人材紹介「PT/OT人材バンク」を運営開始
    • [22]2008年9月、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士向け人材紹介「PT/OT人材バンク」を運営開始
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [15]2006年7月、中小介護事業者向け介護保険請求ソフト「カイポケビズ」を運営開始
    • [16]2006年7月、中小介護事業者向け介護保険請求ソフト「カイポケビズ」を運営開始
    • [17]2006年7月、中小介護事業者向け介護保険請求ソフト「カイポケビズ」を運営開始
    • [18]2008年3月、東京証券取引所マザーズに株式上場。設立は2003年4月
    • [19]2008年3月、東京証券取引所マザーズに株式上場。設立は2003年4月
    • [21]2008年9月、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士向け人材紹介「PT/OT人材バンク」を運営開始
    • [22]2008年9月、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士向け人材紹介「PT/OT人材バンク」を運営開始
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2008年3月期)
    • [20]2008年3月期(単体)の売上高27億円、経常利益4億円、当期純利益2億円
創業ストーリー(4)

エムスリーとの共同新設分割で手放した医師と薬剤師

諸藤周平社長は2009年に入り、介護と看護の側で会員を集める入口を増やした[23]。同年6月に介護で悩む人向けコミュニティの安心介護の運営を始め[24]、8月には株式会社アンファミエから医療事業を譲り受けて看護学生向け就職情報のナース専科就職ナビを引き継いだ[25]。一方、医師と薬剤師向けの人材紹介では、エムスリーの求人広告サービスを利用して求職者を集めており、求人情報の入口は他社が握っていた[26]エムスリーは同社株の3.9%を保有し、看護師・看護学生に特化した情報ポータルサイトm3 Nurseをエス・エム・エスと共同で運営する関係にあった[27]

  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [23]2009年6月、介護で悩む人向けコミュニティ「安心介護(事業開発分野)」を運営開始
    • [24]2009年6月、介護で悩む人向けコミュニティ「安心介護(事業開発分野)」を運営開始
    • [25]2009年8月、株式会社アンファミエ(現株式会社ナースステージ)より医療事業を譲受し、看護学生向け就職情報「ナース専科就職ナビ(キャリア分野)」を運営開始
    • [26]「SMSは医師・薬剤師の人材紹介事業においてエムスリーの求人広告サービスを利用していますが、いずれも本会社分割の分割対象事業に含まれるため、本会社分割後にSMS・エムスリー間の当該取引関係は無くなります」
    • [27]「エムスリーはSMSの株式を3.9%保有しています」/「エムスリーはSMSとの間で、看護師・看護学生に特化した情報ポータルサイト「m3 Nurse」の共同運営を行なっております」

2009年11月17日、両社は共同新設分割によるエムスリーキャリア株式会社の設立を発表した[28]。エス・エム・エスが承継させたのはドクターキャリアエージェント、ドクターバイトナビ、ファーマ人材バンク、薬剤師求人プラスの4サービスで、2009年3月期の売上高は347百万円、単体売上高5,177百万円の6.7%にあたった[29]エムスリー側が出したのはm3.com CAREERとm3.com Pharmacistの求人広告事業で、規模は322百万円、連結売上高8,534百万円の3.8%を占めた[30]。新会社は普通株式1,000株を発行してエムスリーに510株、エス・エム・エスに490株を割り当て、同社にとって出資比率49%の持分法適用会社となった[31]

分割と同時にエムスリーはm3 Nurseの担当部分をエス・エム・エスへ譲渡し、共同運営の契約を解消した[32]。看護師向けの情報は同社へ一本化され、医師と薬剤師の紹介は連結の外へ出た[33]。新会社は東京都千代田区神田須田町に本社を置き、代表取締役には中條宰氏が就いた[34]。資本金は50百万円、設立時の従業員は28名[35]。分割対象事業に従事する両社の従業員は、エムスリーキャリアへ出向した[36]。両社は簡易分割にあたるとして株主総会の決議を経ず、第三者算定機関の意見も取らずに、利益額と類似企業比較法で算出した事業価値をもとに51対49の割当比率を決めた[37]

    • [32]「本会社分割と同時に当該事業のエムスリー担当部分を同社に譲渡し、当該共同運営に係る契約を解消する予定です」
    • [33]「本会社分割と同時に当該事業のエムスリー担当部分を同社に譲渡し、当該共同運営に係る契約を解消する予定です」
    • [34]新会社概要=所在地 東京都千代田区神田須田町1丁目23番1号/代表取締役 中條 宰/資本金 50百万円/設立年月日 平成21年12月28日/従業員数 28名
    • [35]新会社概要=所在地 東京都千代田区神田須田町1丁目23番1号/代表取締役 中條 宰/資本金 50百万円/設立年月日 平成21年12月28日/従業員数 28名
    • [36]「本会社分割以後、分割対象事業に従事するエムスリーおよびSMSの従業員は、エムスリーキャリアに出向する予定です」
    • [37]両社とも簡易分割(会社法第805条)に該当し株主総会決議を経ない。割当比率は「利益額、類似企業比較法により算出した事業価値、当該事業に関連する資産額、その他諸般の事情を総合的に勘案」して両社協議で算定し、第三者算定機関の意見は聴取していない
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [23]2009年6月、介護で悩む人向けコミュニティ「安心介護(事業開発分野)」を運営開始
    • [24]2009年6月、介護で悩む人向けコミュニティ「安心介護(事業開発分野)」を運営開始
    • [25]2009年8月、株式会社アンファミエ(現株式会社ナースステージ)より医療事業を譲受し、看護学生向け就職情報「ナース専科就職ナビ(キャリア分野)」を運営開始
    • [26]「SMSは医師・薬剤師の人材紹介事業においてエムスリーの求人広告サービスを利用していますが、いずれも本会社分割の分割対象事業に含まれるため、本会社分割後にSMS・エムスリー間の当該取引関係は無くなります」
    • [27]「エムスリーはSMSの株式を3.9%保有しています」/「エムスリーはSMSとの間で、看護師・看護学生に特化した情報ポータルサイト「m3 Nurse」の共同運営を行なっております」
    • [28]平成21年11月17日、両社連名で「ソネット・エムスリーとエス・エム・エスの共同新設分割(簡易分割)による「エムスリーキャリア株式会社」設立のお知らせ」を公表。効力発生日は平成21年12月28日
    • [29]SMS承継事業=「ドクターキャリアエージェント」「ドクターバイトナビ」「ファーマ人材バンク」「薬剤師求人プラス」。2009年3月期売上高347百万円、単体売上5,177百万円の6.7%
    • [30]エムスリー承継事業=「m3.com CAREER」「m3.com Pharmacist」。2009年3月期売上高322百万円、連結売上8,534百万円の3.8%
    • [32]「本会社分割と同時に当該事業のエムスリー担当部分を同社に譲渡し、当該共同運営に係る契約を解消する予定です」
    • [33]「本会社分割と同時に当該事業のエムスリー担当部分を同社に譲渡し、当該共同運営に係る契約を解消する予定です」
    • [34]新会社概要=所在地 東京都千代田区神田須田町1丁目23番1号/代表取締役 中條 宰/資本金 50百万円/設立年月日 平成21年12月28日/従業員数 28名
    • [35]新会社概要=所在地 東京都千代田区神田須田町1丁目23番1号/代表取締役 中條 宰/資本金 50百万円/設立年月日 平成21年12月28日/従業員数 28名
    • [36]「本会社分割以後、分割対象事業に従事するエムスリーおよびSMSの従業員は、エムスリーキャリアに出向する予定です」
    • [37]両社とも簡易分割(会社法第805条)に該当し株主総会決議を経ない。割当比率は「利益額、類似企業比較法により算出した事業価値、当該事業に関連する資産額、その他諸般の事情を総合的に勘案」して両社協議で算定し、第三者算定機関の意見は聴取していない
    • [31]「エムスリーキャリアは、本会社分割に際し、普通株式 1,000 株を発行し、エムスリーに 510 株、SMSに 490 株を割当交付します」/有報沿革は「49%出資、持分法適用会社化」と記載
創業ストーリー(5)

東証第一部への市場変更と海外への最初の出資

エス・エム・エスは2011年1月、韓国にSMS KOREA CO., LTD.を設立し、介護と医療の分野で事業開発に入った[38]。8か月後の2011年9月には、看護師向けキャリアサービスのNURSCAPEを運営する現地企業の株式80%を取得して子会社化した[39]。NURSCAPEは韓国の正看護師約30万人に対して24.3万人の会員を持つ看護師コミュニティで、求人やeラーニングも扱っていた[40]。同社が海外へ出た理由は、日本より市場規模が大きく高齢化の進展が見込まれる点にある[41]。韓国の高齢化率は2010年の11%から2020年に16%へ上がると見込まれていた[42]

2011年12月、同社は上場市場を東京証券取引所マザーズから市場第一部へ変更した[43]。翌2012年5月には栄養士・管理栄養士向け人材紹介の栄養士人材バンクの運営を始め、6月には札幌市にコールセンター業務などを担う株式会社エス・エム・エスサポートサービスを置いた[44]。7月にはベトナムのソフトウエア開発会社の株式を取得し、システム開発と保守の一部を現地へ移した。連結売上高は2011年3月期の76億円から2012年3月期に87億円、2013年3月期には102億円へ伸び、経常利益は15億円から20億円になった[45]

  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [43]2011年12月、東京証券取引所市場第一部に上場市場を変更
    • [44]2012年5月、栄養士/管理栄養士向け人材紹介「栄養士人材バンク(キャリア分野)」を運営開始/2012年6月、北海道札幌市に当社サービスに関するコールセンター業務等を目的とした「株式会社エス・エム・エスサポートサービス」を設立
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2013年3月期)【主要な経営指標等の推移】
    • [45]連結売上高・経常利益は2011年3月期76億円・15億円、2012年3月期87億円・17億円、2013年3月期102億円・20億円

2013年4月、同社は高齢者向け住宅紹介のかいごDBの運営を始め、同じ月に1株を200株に分割した[46]。5月には本社を東京都港区芝公園へ移転[47]。9月に臨床検査技師向け人材紹介の検査技師人材バンク、11月に高齢者向け食事宅配紹介のらいふーどを加え、2014年1月には東京都港区にファクタリング事業などを目的とする株式会社エス・エム・エスフィナンシャルサービスを設立した[48]。人材紹介の対象職種が増えるのに合わせ、連結従業員数は2012年3月期の503人から2013年3月期578人、2014年3月期673人へ増えた[49]

  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [46]2013年4月、高齢者向け住宅紹介「かいごDB(事業開発分野)」を運営開始/2013年4月に1対200の株式分割を実施
    • [47]2013年5月、東京都港区芝公園に本社移転
    • [48]2013年9月、臨床検査技師向け人材紹介「検査技師人材バンク」を運営開始/2013年11月、高齢者向け食事宅配紹介「らいふーど」を運営開始/2014年1月、東京都港区にファクタリング事業等を目的とした「株式会社エス・エム・エスフィナンシャルサービス」を設立
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2014年3月期)【主要な経営指標等の推移】
    • [49]連結従業員数は2012年3月期503人、2013年3月期578人、2014年3月期673人
    • [38]「SMS KOREA CO., LTD.(2011年1月設立、出資比率80%、連結子会社。介護、医療分野の事業開発を実施)」
    • [40]「韓国において圧倒的知名度を誇る看護師コミュニティを運営(正看護師30万人に対し会員24.3万)、求人、e-learning等も展開中」
    • [42]韓国の高齢化率は2010年11%→2020年16%(人口0.5億人)と図示
    • [39]2011年9月、「NURSCAPE CO., LTD.(現Medilabs Co., Ltd.)」を子会社化(出資比率80%、注記は「設立ではなく出資」)
    • [41]「海外は、日本よりも規模が大きく、高齢化の進展が見込まれるため、市場として非常に魅力的」
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [43]2011年12月、東京証券取引所市場第一部に上場市場を変更
    • [44]2012年5月、栄養士/管理栄養士向け人材紹介「栄養士人材バンク(キャリア分野)」を運営開始/2012年6月、北海道札幌市に当社サービスに関するコールセンター業務等を目的とした「株式会社エス・エム・エスサポートサービス」を設立
    • [46]2013年4月、高齢者向け住宅紹介「かいごDB(事業開発分野)」を運営開始/2013年4月に1対200の株式分割を実施
    • [47]2013年5月、東京都港区芝公園に本社移転
    • [48]2013年9月、臨床検査技師向け人材紹介「検査技師人材バンク」を運営開始/2013年11月、高齢者向け食事宅配紹介「らいふーど」を運営開始/2014年1月、東京都港区にファクタリング事業等を目的とした「株式会社エス・エム・エスフィナンシャルサービス」を設立
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2013年3月期)【主要な経営指標等の推移】
    • [45]連結売上高・経常利益は2011年3月期76億円・15億円、2012年3月期87億円・17億円、2013年3月期102億円・20億円
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2014年3月期)【主要な経営指標等の推移】
    • [49]連結従業員数は2012年3月期503人、2013年3月期578人、2014年3月期673人
創業ストーリー(6)

経営支援サービスへのカイポケ刷新と社長交代

2014年2月、同社は中小介護事業者向けの介護保険請求ソフトのカイポケビズを拡充し、介護・障害福祉事業者向けの経営支援サービスのカイポケへ作り替えた[50]。請求だけを担っていた画面に、会計ソフト、早期入金、経営管理、採用、勤怠管理、給与計算、調達支援、商圏調査などを足し、2015年3月期までに37のサービスを載せた[51]。中小に絞ったのは、介護事業者の8割が中小規模で、その数が約10万事業所に上るためである[52]。全事業所222,000のうち請求サービスの対象は142,000、そのうち中小の114,000がカイポケの対象顧客にあたった[53]

  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [50]2014年2月、中小介護事業者向け介護保険請求ソフト「カイポケビズ」のサービスを拡充し、介護/障害福祉事業者向け経営支援プラットフォーム「カイポケ」としてリニューアル
    • [51]「2014年2月に、保険請求サービスから経営支援サービスへリニューアル」「既に37のサービスを投入し、業務効率向上や営業・採用を支援」。経理・財務(保険請求/会計ソフト/早期入金/経営管理)、人事(採用/勤怠管理/福利厚生/給与計算)、業務改善、総務・調達(調達支援ほか)、開業(商圏調査ほか)の5領域
    • [52]「介護事業者のうち8割は中小規模であり、その数は約10万事業所。業界構造から中小事業者が今後も重要な役割を果たし続けるマーケットであるため、中小介護事業者を囲い込むことが重要」
    • [53]全事業所数222,000のうちレセプトサービス対象142,000、うち中小80%=114,000事業所がカイポケの対象顧客

月額3,000円ほどで売っていた介護ソフトの価格を、機能を積んだうえで20,000円へ引き上げた[54]。2014年4月には介護報酬の入金を通常より約1.5か月早めるカイポケ早期入金サービスを始め、7月には株式会社マネーフォワードと提携して会計ソフトのMFクラウド会計・確定申告を会員へ無料で配った[55]。同年7月時点の会員は全国約17,500事業所[56]。値上げで既存顧客の一部は離れ、会員数が純増に戻ったのは2015年3月である[57]。8月には介護職向け人材紹介のカイゴジョブエージェントを立ち上げ、大手には求人情報のカイゴジョブ、中小にはカイポケ内の求人情報という分け方を敷いた[58]

創業3期目に100年続く会社にすると決めていた同社で、創業者が長く続けるのはよくないと考え、10期目で社長を降りることを決めて5年かけて後継者を探した[59]後藤夏樹社長は2004年4月にアイ・ビー・エムビジネスコンサルティングサービス株式会社へ入り、ベイカレントコンサルティングを経て2007年12月にエス・エム・エスへ入社、経営企画室長、管理本部長、海外事業本部長を務めた[60]エムスリーとの共同新設分割では、当時管理本部長だった後藤夏樹社長が連絡先に名を並べていた[61]

    • [59]「創業3期目に『100年続く会社に』と決め、経営、事業、組織育成の観点から研究し、『創業者が長く続けるのはよくない』と10期目で社長から降りることを決め、5年かけて後継者を探した。」
  • 株式会社エス・エム・エス 有価証券報告書(2018年3月期)【役員の状況】
    • [60]後藤夏樹の略歴=2004年4月 アイ・ビー・エムビジネスコンサルティングサービス㈱入社/2007年5月 ㈱ベイカレントコンサルティング入社/2007年12月 当社入社/2008年4月 当社経営企画室長/2009年3月 当社管理本部長/2009年6月 当社取締役/2013年4月 当社海外事業本部長/2014年4月 当社代表取締役社長
    • [61]連名リリースの連絡先はエス・エム・エス側が「取締役管理本部長 後藤 夏樹」

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沿革年表 2003〜2026年

エス・エム・エスの沿革2003〜2026年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
2003〜2008年高齢社会という確実に来る需要のそばに情報の網を張る諸藤周平東京都町田市にエス・エム・エスを設立★★★
諸藤周平ケアマネジャー向け人材紹介「ケア人材バンク」の運営開始
諸藤周平介護職向け求人情報「カイゴジョブ」の運営開始
諸藤周平看護師向け人材紹介「ナース人材バンク」の運営開始
諸藤周平中小介護事業者向け介護保険請求ソフト「カイポケビズ」の運営開始
諸藤周平医師向け人材紹介「ドクターキャリアエージェント」の運営開始
諸藤周平薬剤師向け人材紹介「ファーマ人材バンク」の運営開始
諸藤周平東京証券取引所マザーズに株式上場
諸藤周平理学療法士・作業療法士・言語聴覚士向け人材紹介「PT/OT人材バンク」の運営開始
2009〜2014年医師と薬剤師を合弁へ移し、介護と看護へ絞り直す諸藤周平介護で悩む人向けコミュニティ「安心介護」の運営開始
諸藤周平アンファミエより医療事業を譲受
諸藤周平医師・薬剤師向け人材紹介をエムスリーキャリアに移管★★★
諸藤周平韓国の看護師向けキャリアサービス「NURSCAPE」を子会社化★★★
諸藤周平東京証券取引所市場第一部に上場市場を変更
諸藤周平栄養士・管理栄養士向け人材紹介「栄養士人材バンク」の運営開始
諸藤周平ベトナムのソフトウエア開発会社の株式を取得
諸藤周平高齢者向け住宅紹介「かいごDB」の運営開始
諸藤周平「カイポケビズ」を介護事業者向け経営支援基盤「カイポケ」に刷新★★★
後藤夏樹介護職向け人材紹介「カイゴジョブエージェント」の運営開始
2015〜2023年アジアの医薬情報を買い、看護師の流れを世界へつないだ後藤夏樹アジア太平洋地域で医薬情報サービスを運営する「MIMSグループ」を子会社化★★★
後藤夏樹資格取得スクール「カイゴジョブアカデミー」の運営開始
後藤夏樹海外市場における新株式発行および自己株式処分により約70億円を調達
後藤夏樹マレーシアの看護師人材紹介会社「MELORITA CONSULTANTS SDN. BHD.」を子会社化
後藤夏樹柔道整復師等にキャリアサービスを提供するウィルワンを子会社化
後藤夏樹フィリピンの看護師人材紹介会社「MEDICAL STAFFING RESOURCES, INC.」を子会社化
後藤夏樹MIMSグループの株式を追加取得し完全子会社化
後藤夏樹保育士向け人材紹介「保育士人材バンク」の運営開始
後藤夏樹産業保健ソリューション「リモート産業保健」の運営開始
後藤夏樹アイルランドの医療従事者紹介会社「CCM INTERNATIONAL LIMITED」を子会社化
後藤夏樹東京証券取引所の市場区分見直しによりプライム市場に移行
後藤夏樹ドイツの看護師人材紹介会社と看護師資格取得支援会社を子会社化
2024〜2026年過去最高の売上高と海外事業229億円の減損後藤夏樹障害のある方向け人材紹介「DEIGO求人ナビ」の運営開始
後藤夏樹エヌ・ゲートとの合弁でエス・エム・エスウェルフェアテクノロジーを設立
髙畑正樹髙畑正樹が代表取締役社長に就任
出典・参考 17件
出典・参考

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