この経営統合の核心は、成長の見込みにくい成熟産業で、規模の集約によって供給過剰の是正と成長投資の原資確保を同時に果たそうとした点にあるとみられる。国内の石油需要が構造的に細っていくなかで、単独では着手しにくい能力削減を、圧倒的なシェアを背景に業界全体へ促す。西尾進路氏(社長)が語った危機がなくても統合はあったという言葉には、景気循環とは別の次元で迫る需要減へ、時間を稼ごうとする問題意識がうかがえる。
もっとも、精製販売で生み出したキャッシュフローを上流資源へ振り向ける仕組みは、資源価格が反転すれば逆回転する性質を抱えていた。原油安による赤字と減損、そして2017年の東燃ゼネラル石油との再統合は、一度の統合では業界の供給過剰が解けきらなかったことを示している。規模を追う再編が、縮む市場でどこまで持続的な収益を生むのか。JXの歩みは、需要そのものが減る産業における統合の効き目と限界を、あわせて考えさせる事例といえる。