セントラルケアスタッフを合併(2011年・サンウェルズの決断)

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論点一族の介護3法人を1社に統合するか
サンウェルズ:業績の推移
売上高(億円)親会社株主に帰属する当期純利益率(%)
父の建築会社の介護子会社2社の吸収合併と、サンウェルズへの商号変更・傘下入り

何をなぜ決めたか:父の建築会社の介護子会社2社の吸収合併と、サンウェルズへの商号変更・傘下入り

概要

2011年4月、苗代亮達氏の株式会社ケア・コミュニケーションズは、実父の苗代明彦氏が建築業を目的に設立した株式会社アイテムの子会社2社を吸収合併し、株式会社サンウェルズへ商号変更した。吸収したのは訪問介護の株式会社セントラルケアスタッフと、グループホームの株式会社サライである。

掲げた目的は経営の効率化の一点で、合併と同時にサンウェルズ自身がアイテムの子会社となった。合併比率も承継した資産の額も、企業の公表資料には記載がない。

背景

創業は、苗代亮達氏が自身の大病を患った経験から、病気や障害を持っている方をサポートしたいとの思いを持ち、2006年9月に通所介護を目的として石川県金沢市にケア・コミュニケーションズを設立したことに始まる。父の建築会社アイテムも2007年7月に訪問介護のセントラルケアスタッフを、2008年5月にグループホームのサライを設立しており、一族の介護事業は3つの法人に分かれていた。

内容

ケア・コミュニケーションズを存続会社とする吸収合併で、アイテムの介護子会社2社が消滅した。通所介護・訪問介護・グループホームが1社へ集まり、社名はサンウェルズへ改まった。同じ2011年4月には石川県加賀市に住宅型有料老人ホーム「太陽のプリズム河原」を開設し、主力を施設の運営へ移している。

含意

一本化された事業体は、2013年12月に株式交換で親会社アイテムを子会社化して親子を逆転させ、2018年2月にはそのアイテムを吸収合併して消滅させた。売上高が開示される最古の期である2017年3月期は17億8,900万円で、上場した2022年3月期には84億1,900万円に達している。サンウェルズという社名と介護施設運営という軸は、この2011年の再編で定まった。

いつ何が起きたか6件
考察:傘下に入るという一本化の形
考察

考察:傘下に入るという一本化の形

グループ会社の整理という言葉だけでは、2011年の一本化の含意は捉えきれない。苗代亮達氏が興したケア・コミュニケーションズは、このとき父・苗代明彦氏の建築会社アイテムの子会社となる方式で、一族に散在した介護3社を1社へ統合した。自分の会社を親会社ではなく子会社に置き、経営の効率化を優先した構図だといえる。介護施設の運営を軸とすると決めたからこそ、資本の上下より事業の一本化を先に取った判断なのだろう。その上下が2013年12月の株式交換で逆転するまでには、2年8か月を要している。

もっとも、この一本化がその後の急成長を約束したわけではない。合併の条件は効力発生月と当事者と目的までしか残っておらず、当時の規模を示す数字は企業の公表資料に見当たらない。急拡大はパーキンソン病専門ホームという別の一手を待つことになり、その拡大が2025年に訪問看護の請求をめぐる問題へ行き着いた経緯も残る。事業を一つの組織へまとめる再編は、後にそこへ何を載せ、どう律するかまでは決めない。組織の巧拙は、注ぎ込む中身の質が問われる段になって表れるのかもしれない。

Yutaka Sugiura, 2026年7月
数字で見る2表

数字で見る

図と表

サンウェルズ:合併から上場までの単体業績

売上高(百万円)経常利益率(%)
サンウェルズ:合併から上場までの単体業績
(百万円)売上高経常利益当期純利益備考
2017年3月期1,78925△10公表された最古の期。グループホームの減損損失を主因に当期純損失
2018年3月期2,4671713会社計算規則に基づく数値で、監査証明を受けていない
2019年3月期3,42817683会社計算規則に基づく数値で、監査証明を受けていない
2020年3月期4,380230149財務諸表等規則に基づき作成し、監査を受けた最初の期
2021年3月期5,405317241
2022年3月期8,4203492562022年5月に東証グロース上場。数値は上場後の有価証券報告書による
出所:サンウェルズ 有価証券届出書(新規公開時)【主要な経営指標等の推移】第12期〜第16期 / サンウェルズ 有価証券報告書 第17期(2022年3月期)【主要な経営指標等の推移】
出所:サンウェルズ 有価証券届出書(新規公開時)【主要な経営指標等の推移】第12期〜第16期 / サンウェルズ 有価証券報告書 第17期(2022年3月期)【主要な経営指標等の推移】

合併の条件

合併の条件
科目概要備考
効力発生2011年4月同月、石川県加賀市に住宅型有料老人ホーム「太陽のプリズム河原」を開設
法的形式吸収合併
存続会社株式会社ケア・コミュニケーションズ2006年9月に通所介護を目的として金沢市に設立。合併と同時に株式会社サンウェルズへ商号変更
消滅会社株式会社セントラルケアスタッフ、株式会社サライ訪問介護(2007年7月設立)とグループホーム(2008年5月設立)。いずれもアイテムが設立
合併の目的経営の効率化
合併後の資本関係株式会社アイテムの子会社苗代明彦氏が建築業を目的に設立。旧・有限会社アイテム商業建築研究所(1979年12月設立)
合併比率会社の公表資料に記載なし当事者3社はいずれも非上場。沿革の記載は効力発生月・当事者・目的までにとどまる
承継した資産・負債会社の公表資料に記載なし【関係会社の状況】【関連当事者情報】はいずれも該当事項なし。財務諸表は2020年3月期以降
その後の資本関係2013年12月にアイテムを子会社化株式交換により親子が逆転。2018年2月にアイテムを吸収合併して消滅させた
出所:サンウェルズ 有価証券届出書(新規公開時・2022年5月)【沿革】【関係会社の状況】【関連当事者情報】
参考文献

参考文献

参考

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