説明されなかった2000億円の根拠は、後から数字を並べれば見当がつく。削減するコスト800億円の内訳が人員4000人と子会社130社であるなら、割増退職金や整理損を積み上げれば必要額は示せたはずである。ところが実際の引き受け要請額はUFJ銀行1000億円、みずほコーポレート銀行600億円というように、各行の融資残高に応じた割り当てであった。翌春の発行額も2660億円へ増加した。統合の規模を決めたのは事業の重なりではなく、取引行から集められる金額の限度であったと推察される。
もっとも、その設計が双日を延命させたことも確かである。代償として残ったのが、2024年まで転換が続く6160億円の優先株と、買い入れ消却に取られるキャッシュフローであった。"強いられた結婚"と呼ばれた統合は、2社を当座の破綻から遠ざける代わりに、約20年にわたる優先株処理の負担を後の経営に残したと思われる。