双日の非資源差別化は、規模で上位商社に及ばない中堅商社が、資源市況の振れという総合商社共通のリスクからどう身を守り、どこで独自に稼ぐかという問いへの一つの答えであった。藤本昌義社長が掲げた"双日らしさ"は当初、輪郭のつかみにくい標語でもあったが、非資源分野の利益が積み上がり、発足以来の最高益となって表れたことで、実体を伴う路線へと変わった。規模を追う競争から降り、事業のつながりで稼ぐという選び方は、下位に置かれた商社が生き残るための現実的な解の一つとみられる。
もっとも、この路線がどこまで通用するかは、なお見きわめの途中にある。非資源の利益を"実力として1000億円超"に育てるという目標は、資源市況の追い風を除いた地力で立てられるかを問う。植村幸祐社長が継いだ"カタマリ戦略"も、点在する事業を本当に一つの塊としてまとめ、上位商社に対抗しうる厚みを生めるかどうかで評価が定まる。ニチメンと日商岩井の統合、そして十年の財務再建を経た双日にとって、規模ではなく独自色で商社の存在意義を示せるかは、これからの十年が答えを出す課題として残っている。