据置と携帯を1台にするのは、遊び方の提案である以上に、開発資源の置き場を1か所に決める判断だったと思われる。任天堂は長く2つのラインを並行して抱え、それぞれに専用のソフトを供給し続けてきた。Wii Uのソフト本数が1年で46%減少したのは、市場が離れたというより、限られた開発力が2つに割れていたことの帰結であろう。1台へ集約すれば、作ったソフトはどちらの遊び方でも売れる。翌期に販売実績が579%増加した事実は、新しい機械が売れたというより、供給が1本に揃ったことの効きだったように思われる。
もっとも、集約したため逃げ場はなくなった。2021年3月期には全社の販売実績1兆7,589億円のうち1兆6,664億円、94.7%を1つのプラットフォームが占めている。前世代の二本立てには、片方が転んでももう片方が支えるという構造があった。それを解消したのだから、次にこの1本が世代交代を迎えるとき、会社の売上はまるごとその成否に晒される。2025年3月期の売上高が1兆1,649億円へ30.3%減少したのは、後継機を待つ端境期に入ったことの現れであり、1本化の代償が周期として姿を見せた期でもある。