子会社は親会社の格付けを超えられない——この資本市場の扱いが、1年半動かなかった親子の関係を解いた。ジャパンエナジーは57.6%の株式を保有しながら日鉱金属を統合に引き込めず、日鉱金属は自主独立を掲げながら、鉱山運営まで含む一貫生産体制に必要な資金を得る手段がなかった。統括を求める親の論理でも、独立を守る子の論理でも、この対立は決着しなかった。決め手になったのは、両社の外側にある評価の仕組みだった。
統合が日鉱金属に何をもたらしたかは、この時点でははっきりしない。資本金は875億円対349億円で、坂本卓会長が掲げた"対等な発言権"が実際に与えられるかには当時から疑問が出ていた。三井金属鉱業との提携も、経営環境が大きく変われば見直しがありうるという条件つきで結ばれていた。統合から1年に満たない2003年、株価は99円まで下げ、格付けはトリプルB、清水康行社長はバランスシートを課題に挙げている。市場の求めに沿って形を整えることと、その形が利益を生むこととは、別の問題であった。