りそなホールディングス 関西みらいFG設立 関西みらいフィナンシャルグループの創設と完全子会社化による関西リテール基盤の集約
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何をなぜ決めたか
- 概要
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りそなホールディングスが、傘下の近畿大阪銀行と三井住友フィナンシャルグループ傘下の関西アーバン銀行・みなと銀行を、新設した中間持株会社の傘下に集約した組織再編。2018年4月1日に関西みらいフィナンシャルグループが発足し、同日に東京証券取引所市場第一部へ上場した。
りそなホールディングスが握った議決権は51.41%、三井住友フィナンシャルグループは2019年3月期末で23.51%を残し、二つの金融グループが一つの上場地域金融グループに相乗りした。
- 背景
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りそなホールディングスは2014年7月に預金保険機構へ発行した普通株式・議決権付優先株式(総額1兆9,600億円)を完済し、大阪の近畿大阪銀行を関西の地盤としていた。関西アーバン銀行とみなと銀行は三井住友フィナンシャルグループ傘下にあり、資本系列を違えながら同じ関西市場で店舗網を重ねていた。
統合の理由に挙げたのは、3行の強み・特性を活かして関西経済のさらなる活性化に貢献することが関西をマザーマーケットとする金融機関の最大の使命であり、関西みらいフィナンシャルグループの下に結集すれば3行が単独で存続する以上の企業価値の向上を実現できるという判断であった。
- 内容
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2017年3月3日の基本合意を経て、同年9月26日にりそなホールディングス・三井住友フィナンシャルグループ・三井住友銀行と3行の6社で統合契約書を締結した。りそなホールディングスは11月14日に関西みらいフィナンシャルグループを設立して近畿大阪銀行株式の全部を譲渡し、12月27日から翌年2月14日まで関西アーバン銀行とみなと銀行の普通株式に公開買付けを実施、三井住友銀行が持つ関西アーバン銀行の第一種優先株式も2月20日付で取得した。
2018年4月1日の株式交換で2行は関西みらいフィナンシャルグループの完全子会社となり、取得原価は関西アーバン銀行98,451百万円・みなと銀行45,272百万円、負ののれん発生益29,055百万円を計上した。
- 含意
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受け入れた資産は関西アーバン銀行4,699,186百万円・みなと銀行3,523,450百万円にのぼり、連結総資産は2018年3月期の50兆2,437億円から翌期59兆1,100億円へ、連結従業員数も16,785人から21,600人へ膨らんだ。関西みらいフィナンシャルグループは報告セグメントに追加され、初年度の業務粗利益は1,464億円となった。
2020年11月10日に完全子会社化を決議し、12月9日に非支配株主から17,220百万円で株式を追加取得、2021年3月に上場を廃止して4月1日に完全子会社となった。2024年4月1日には吸収合併され、中間持株会社そのものが消えた。
いつ何が起きたか 12件
筆者の見解
系列を超えた再編は、何を残したか
この再編で目を引くのは、二つのメガグループが一つの上場地域金融グループに相乗りするという、通常なら成立しにくい構図を一度受け入れた点であった。りそなは自前の近畿大阪銀行だけでは届かなかった関西全域の店舗網を、三井住友傘下の2行ごと取り込むために、あえて三井住友を23.51%の持分法株主として残す形からはじめた。完全合併で看板を一度に消すのではなく、中間持株会社の下に各行を並べて段階的に寄せていくやり方は、関東と関西を一つの本社で統括してきたりそな自身の多銀行モデルの延長にあったとみられる。
もっとも、相乗りの構図は上場子会社と親会社の利益が衝突しうる親子上場という課題を抱えていた。3年後にりそながこれを完全子会社化で畳み、さらに中間持株会社そのものを吸収合併で消したのは、ガバナンスへの市場の視線が厳しさを増した時期と重なる。系列を超えて基盤を持ち寄る入口の柔軟さと、最後は単独グループへ収斂させる出口の一貫性が、この再編には同居していた。ただし部門の業務粗利益は初年度の1,464億円から2023年3月期に1,359億円へ下がっている。人口減が進む関西で、集約した店舗網をどれだけの収益力に変えられるかは、なお問われ続けるのだろう。
Yutaka Sugiura, 2026年7月
業績の推移
経営統合と完全子会社化の条件
経営統合と完全子会社化の条件
| 科目 | 概要 | 備考 |
|---|---|---|
| 被取得企業 | 関西アーバン銀行・みなと銀行 | ともに銀行業。近畿大阪銀行は株式譲渡で先に関西みらいFG傘下へ移した |
| 統合契約の締結 | 2017年9月26日 | 2017年3月3日の基本合意書に基づき、りそなHD・三井住友FG・三井住友銀行と3行の6社で締結 |
| 統合の法的形式 | 株式交換 | 関西みらいFGを株式交換完全親会社、関西アーバン銀行とみなと銀行を完全子会社とする |
| 中間持株会社の設立 | 2017年11月14日 | りそなHDの出資により設立。資本金29,589百万円 |
| 近畿大阪銀行株式の譲渡 | 2017年12月7日 | りそなHDが保有する全株式を関西みらいFGへ譲渡 |
| 公開買付期間 | 2017年12月27日から2018年2月14日 | 関西アーバン銀行とみなと銀行の各普通株式が対象 |
| 第一種優先株式の取得 | 2018年2月20日 | 三井住友銀行が保有する関西アーバン銀行の第一種優先株式の全部 |
| 企業結合日 | 2018年4月1日 | 同日に関西みらいFGが東京証券取引所市場第一部へ上場 |
| 株式交換比率(関西アーバン銀行) | 1対1.60 | 第一種優先株式は1対1.30975768。第三者算定機関の分析を参考に6社で協議 |
| 株式交換比率(みなと銀行) | 1対2.37 | |
| 交付株式数 | 310,456,594株 | |
| 取得した議決権比率(関西アーバン銀行) | 100.00% | 企業結合直前15.07%に84.92%を追加取得。取得後は全部が間接所有 |
| 取得した議決権比率(みなと銀行) | 100.00% | 企業結合直前15.08%に84.91%を追加取得。取得後は全部が間接所有 |
| 取得企業を決定するに至った主な根拠 | 関西みらいFGが被取得企業の議決権100%を取得すること | |
| 取得原価(関西アーバン銀行) | 98,451百万円 | 普通株式12,399と第一種優先株式86,051の企業結合日における時価の合計 |
| 取得原価(みなと銀行) | 45,272百万円 | 普通株式の企業結合日における時価 |
| 段階取得による差益 | 10,843百万円 | |
| 取得関連費用 | 1,497百万円 | アドバイザリー費用等 |
| 受け入れた資産(関西アーバン銀行) | 4,699,186百万円 | うち貸出金3,939,196。負債4,497,973(うち預金4,063,161) |
| 受け入れた資産(みなと銀行) | 3,523,450百万円 | うち貸出金2,513,381。負債3,385,376(うち預金3,233,959) |
| 負ののれん発生益 | 29,055百万円 | 取得原価が受け入れた資産と引き受けた負債に係る持分相当額を下回ったため |
| りそなHDの議決権比率(関西みらいFG) | 51.41% | うち間接所有0.21%。2019年3月期末の関係会社の状況では51.2% |
| 三井住友FGの議決権比率(関西みらいFG) | 23.51% | 2019年3月期末。全部が間接所有で、うち7.90%は三井住友銀行の退職給付信託拠出分 |
| 資本剰余金の減少 | 35,741百万円 | 株式交換に伴う持分変動。非支配株主との取引として処理した |
| 完全子会社化の決議 | 2020年11月10日 | 公開買付けと簡易株式交換による。関西みらいFGは2021年2月19日の臨時株主総会で承認 |
| 非支配株主からの株式取得 | 17,220百万円 | 2020年12月9日。対価は現金預け金。三井住友FGは同月に特定投資株式へ変更した |
| 完全子会社化の企業結合日 | 2021年4月1日 | 関西みらいFGは2021年3月に東証一部の上場を廃止 |
| 完全子会社化の取得原価 | 97,650百万円 | 普通株式97,371と新株予約権279。交換比率1対1.42で209,220,364株を交付 |
出所:りそなホールディングス 有価証券報告書 第17期(2018年3月期)【経営上の重要な契約等】【重要な後発事象】・第18期(2019年3月期)【企業結合等関係】・第20期(2021年3月期)【企業結合等関係】【重要な後発事象】/三井住友フィナンシャルグループ 有価証券報告書 第17期(2019年3月期)【関係会社の状況】
連結の総資産と純資産の推移
りそなホールディングス:連結の総資産と純資産の推移
| (百万円) | 連結総資産 | 連結純資産 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2013年3月期 | 43,110,629 | 2,189,304 | |
| 2014年3月期 | 44,719,434 | 1,956,412 | |
| 2015年3月期 | 46,586,565 | 2,143,379 | |
| 2016年3月期 | 49,126,435 | 1,833,470 | |
| 2017年3月期 | 48,456,133 | 1,946,779 | |
| 2018年3月期 | 50,243,789 | 2,102,936 | 統合契約を締結し関西みらいFGを設立した期。2行の連結は翌期から |
| 2019年3月期 | 59,110,075 | 2,356,178 | 関西アーバン銀行・みなと銀行を連結。総資産は8兆8,662億円増えた |
| 2020年3月期 | 60,512,454 | 2,316,543 | |
| 2021年3月期 | 73,697,682 | 2,519,645 | 12月9日に非支配株主から関西みらいFG株式を17,220百万円で追加取得 |
| 2022年3月期 | 78,155,071 | 2,459,023 | 4月1日に関西みらいFGを完全子会社化 |
| 2023年3月期 | 74,812,710 | 2,534,052 |
出所:りそなホールディングス 有価証券報告書 第16期・第18期・第23期【主要な経営指標等の推移】
関西みらいフィナンシャルグループ部門の業績推移
りそなホールディングス:関西みらいフィナンシャルグループ部門の業績推移
| (百万円) | 関西みらいFG部門 業務粗利益 | 関西みらいFG部門 与信費用控除後業務純益 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2019年3月期 | 146,414 | 24,934 | 報告セグメントに追加した期。近畿大阪銀行の計数も当期からこの部門へ計上 |
| 2020年3月期 | 142,452 | 22,614 | |
| 2021年3月期 | 143,017 | 21,263 | |
| 2022年3月期 | 146,682 | 32,961 | |
| 2023年3月期 | 135,958 | 30,835 |
出所:りそなホールディングス 有価証券報告書 第18〜22期【セグメント情報】
同じ問いに直面した会社
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参考文献
- りそなホールディングス 有価証券報告書【沿革】
- りそなホールディングス 適時開示「株式会社関西みらいフィナンシャルグループの東京証券取引所市場第一部への上場及び株式会社関西アーバン銀行、株式会社近畿大阪銀行、株式会社みなと銀行の経営統合完了のお知らせ」
- りそなホールディングス 適時開示「株式会社りそなホールディングスによる株式会社関西みらいフィナンシャルグループの完全子会社化に向けた株式交換契約の締結(簡易株式交換)等に関するお知らせ」
- りそなホールディングス 適時開示「株式会社りそなホールディングスによる株式会社関西みらいフィナンシャルグループの完全子会社化完了のお知らせ」
- りそなホールディングス 有価証券報告書「第17期(2018年3月期)【経営上の重要な契約等】【重要な後発事象】」
- りそなホールディングス 有価証券報告書「第18期(2019年3月期)【企業結合等関係】」
- りそなホールディングス 有価証券報告書「第20期(2021年3月期)【企業結合等関係】【重要な後発事象】」
- りそなホールディングス 有価証券報告書「第23期(2024年3月期)【重要な後発事象】」
- 三井住友フィナンシャルグループ 有価証券報告書「第17期(2019年3月期)【関係会社の状況】【連結財務諸表注記】」