この再編は、危機に追われた縮小とは性格が異なる。2025年3月期まで同社は増収を重ね、営業利益も前期を上回っていた。それでも65社を49社へ畳んだのは、買収で増えた会社をそのまま並べておく限り、経理も人事も情報システムも各社に残り続けるという単純な理由による。統合の効果が最も早く数字に出たのが、5社を1社にした調剤薬局事業だったことは示唆的である。求人開拓費という、いかにも重複しやすい費目の削減が営業利益率を1.4ポイント押し上げた。買う技術と、買ったものを一つにする技術は別のものであり、同社は33年かけて前者を磨いたあとで後者に手をつけている。
ただし、初年度の連結営業利益は減った。畳んだ効果より、分譲マンションの端境期や部材の納期遅れ、M&A手数料といった個別の事情のほうが大きかった。統合の成果が全社の利益率として見えるまでには時間がかかる。そして2019年に古川國久会長CEOが掲げた"2025年度に1兆円企業グループ"は、2026年3月期の7,181億円で届かなかった。SHIP VISION 2030 の定量目標に1兆円という数字はなく、代わりに置かれたのは年平均5%の成長率と営業利益率4%、ROE12%の三つである。