この判断の芯は、単なる不採算事業の切り捨てという言葉に収まらない。2014年に中韓勢へ対抗するため傘下へ収めた佐世保重工の新造船を、わずか8年で自ら止めた点にある。5期連続の営業損失という数字に追われ、買収で広げたばかりの生産網を採算の立つ伊万里へ集約し直す——買い増した拠点を好況を待たずに縮小させたところに、この構造改革の緊張がうかがえる。
もっとも、その後のV字回復を休止の成果と言い切れるのは、市況が反転したからにすぎない。中韓の建造能力が飽和し伊万里の受注価格が改善したのは外部要因であり、佐世保重工の修繕特化も米軍艦という需要に支えられている。ただ、固定費を抱えたまま6期目の損失を迎えていれば、反転の波を本体収益へ載せる体力は残らなかったとみられる。縮小そのものより、どの拠点を残し何に絞るかの選び方に、この再建の質が表れているといえる。