上場企業の経営論点>資本市場・株主
上場廃止
上場廃止は、失格の結果から資本構成を選び直す手段へ変わった。かつて市場からの退出は企業の終わりだった。山一證券は会社更生法によらず自主廃業に踏み切り、西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載は東証の上場廃止を招いている。2000年代半ば、投資ファンドの資金が使えるようになると、業績が伸びているさなかの退出が現れる。ワールドは寺井秀蔵氏の主導でMBOを実施し、すかいらーくは創業家とファンドで2,700億円超のMBOを組んだ。2019年前後、親子上場に少数株主保護の説明が迫られると、上場子会社の買い取りが続く。NTTはNTTドコモを完全子会社化し、日立製作所は日立金属株の譲渡で上場子会社群を解体した。東芝は日本産業パートナーズの約2兆円の提案を受け入れ、豊田自動織機はトヨタ主導の非公開化に応じる。上場を続けるかどうかが、資本の使い道と並ぶ判断として問われている。
財務諸表のどこを見るか
非公開化なら、まず支配株主の異動と主要株主の異動を届け出た臨時報告書で買い手と取得比率を押さえる。買収資金が借入なら、最終年度の連結貸借対照表で有利子負債が跳ね、支払利息が損益計算書に重くのしかかる。親子上場の解消では、連結の非支配株主持分が消え、追加取得の差額が資本剰余金を削る。破綻による廃止は継続企業の前提に関する注記と監査報告書の意見が先に動くため、そこから遡る。
2020年代
LINEヤフーとの買収争奪戦 非公開化の是非をめぐる対抗提案の応酬と、買い手の選択 タカラバイオをTOB子会社化 上場子会社を取り込んでの親子上場の解消と、意思決定の一本化 壱番屋の非公開化検討 上場を続けるかどうかを含めた、子会社の位置づけの見直し KKRによる非公開化 多角化の主導者を株主が退けた末の、市場からの退出の受け入れ アポロ出資で非公開化 1650億円の出資受け入れと、株式併合による上場からの退出 ベインキャピタルとMBO 創業会長が主導した非公開化と、上場企業としての立場の返上 日本産業パートナーズが非公開化 公開買付けの成立によるスタンダード市場からの上場廃止 三菱ふそうとの経営統合 持株会社ARCHIONへの移行・上場廃止 ハウス食品による非公開化検討 親会社による非公開化の検討と、上場子会社としての11年 日本郵船によるTOBで非公開化 公開買付けへの賛同と、日本製鉄の持分縮小をともなう上場の取りやめ デジタルHDへの公開買付け 買付けの成立による対象会社の子会社化と、傘下への取り込み イオンの子会社化 同業との統合と引き換えに受け入れた、親会社の傘下への移行 3Dの経営批判に対峙 コングロマリットディスカウント論と社長再任反対キャンペーンへの反論 TOTOKU・UACJなど売却 銅管・巻線・電池を含む非中核事業の切り離しと、データセンター向け光事業への集中投資 住友電設の売却と住友理工の完全子会社化 設備工事の上場子会社を手放し、自動車部材の上場子会社を100%取り込むグループの入れ替え ブラックストーンの完全子会社化 東証プライム市場の上場廃止と、公開会社としての歩みの終わり トヨタ主導で非公開化 グループ主導で進めた上場からの退出 芦森工業をTOBで買収 シートベルト大手を傘下に収める完全子会社化 NTTデータの完全子会社化 上場子会社の完全買収による親子上場の解消とグループ統治の一本化 住友商事によるTOB 公開買付けによる完全子会社化と東証プライム市場上場の廃止 ベネフィット・ワン売却 保険会社への譲り渡しによる中核子会社の手放し ファンケルをTOBで子会社化 少数株主の買い取りによる完全子会社化と、グループへの一体化 ツルハホールディングスと統合 統合に伴う傘下入りと、独立した上場企業としての幕引き 東芝非公開化連合へ出資 最大3000億円の拠出と引き換えに賭けたパワー半導体の協業 ローソンをTOBで買収 三菱商事との共同経営という形をとった全国店舗網の取り込み 米フォートレス系のTOB受入 東証スタンダード市場からの上場廃止と非公開化への移行 KKR系TOBで上場廃止 公開買付けへの賛同表明と、東証プライム市場からの退出 三栄建築設計を子会社化 公開買付けによる株式取得と、完全子会社としての取り込み JICのTOBで非公開化 産業革新投資機構によるTOBの受け入れと、東証プライム市場からの上場廃止 大手門のTOBで上場廃止 創業家による総額7,100億円のMBOと上場廃止 日本産業パートナーズに買収 国内連合による約2兆円の提案受け入れと、株式の非公開化 東芝グループからの独立 東芝による保有株式の段階的な処分と芝浦メカトロニクスの独立企業化 日立製作所の保有株売却 保有株26%の放出と、伊藤忠・日本産業パートナーズ連合への筆頭株主の異動 日立金属株式の譲渡 上場子会社群の売却と親子上場構造の解体 シック・HDの完全子会社化 上場子会社を完全子会社化してグループに取り込む資本政策 キユーソーの連結除外 株式の一部の立会外分売と、物流子会社の連結からの切り離し 三井E&Sの持株一部売却 発行済株式の1%売却で終わった三井造船系の親会社支配 新生銀行の連結子会社化 負ののれん2,637億円を生んだ企業結合と、非公開化までの追加取得 パルコをTOBで買収 株式公開買付による完全子会社化と、親子上場という状態の解消 昭和電工がTOBで買収 9,640億円で完全子会社となる道の選択と、東証1部上場の廃止 フィナンシャルHDを完全子会社化 3,967億円を投じた公開買付けで上場子会社を取り込む ベインキャピタルへ売却 三井E&Sホールディングス保有株の手放しと、公開買付けを経た上場廃止 ファミリーマートの子会社化 株式公開買付けによる完全子会社化と、親子上場の解消 NTTドコモの完全子会社化 完全子会社化による親子上場の解消
2010年代
田辺三菱製薬の完全子会社化 4,918億円のTOBによる親子上場の解消と医薬の全面取り込み NDS等3社を子会社化 株式交換による3社同時の完全子会社化と全国体制の確立 DACの完全子会社化 D.A.コンソーシアムホールディングスの公開買付けによる完全子会社化 日立から分離しKKR買収 親会社からの分離と非公開化、会社分割による成膜事業の承継 ベアリングPE傘下で再建 上場廃止と引き換えに外部資本を受け入れる、時間を買う立て直し 関西みらいFG設立 関西みらいフィナンシャルグループの創設と完全子会社化による関西リテール基盤の集約 大京をTOBで買収 マンション大手・大京のTOBによる完全子会社化 トヨタの完全子会社化 株式交換による上場廃止と、独立した資本の手放し ベインのTOBで上場廃止 投資ファンドの公開買付けへの賛同と、東証二部からの退出 常若コーポレーションの子会社化 創業者の反発の中でのMBOによる非公開化 東日本ガスなど4社を株式交換 都市ガス子会社4社を株式交換で完全子会社化しグループの意思決定を一本化 東急リバブル等三社を非公開化 持株会社体制への移行と、東急コミュニティーを含む三社の一斉上場廃止 イオンの完全子会社化 独立した上場企業としての歴史の終わりと、上場廃止の受け入れ ダイエーの完全子会社化 完全子会社化が示した流通の世代交代 日本住宅再生の子会社化 PEファンドのTOBの受け入れによる非公開化と、中古住宅事業への一本化 ハウスコムの単独上場 賃貸仲介子会社の単独上場と、14年後の親子上場の解消 WPKホールディングスのMBO 経営陣による買収と株式非公開化 パナソニック傘下入り 二度の公開買付けと株式交換を受け入れ、64年の独立を手放す選択 プロミスの完全子会社化 銀行が消費者金融を丸ごと抱えた再編 青春社のMBOで上場廃止 創業家の資産管理会社によるMBOと、東京証券取引所市場第一部の上場廃止 TKHDによるMBO非公開化 解散価値を下回る価格での株式公開買付けと、ジャスダック上場の廃止 消費者金融事業のJトラスト譲渡 会社更生法の適用申請と、主力だった消費者金融事業の切り出し
2000年代
ユニゾンキャピタルによる非公開化 公開買付けの受け入れによる東証2部からの上場廃止と資本の入れ替え 三菱樹脂の完全子会社化 株式交換による取り込みと、機能商品の持株会社直下への集約 ケンウッドと経営統合 松下からの離脱と、統合による単独企業としての歴史の終わり SNCインベストメントがMBO 創業家と投資ファンドによる総額2,700億円超のMBOと東証一部からの非上場化 マザーズ上場廃止後に現金化 上場廃止後の子会社売却による現金化と、解散を選ばなかった法人の存続 住友電装を完全子会社化 独ワイヤーハーネスメーカーの買収と併せた自動車配線事業の囲い込み イー・トレードの集約 傘下のネット証券と対面証券を一社に統合し、上場子会社を解消する セブン&アイHDを設立 3社共同株式移転による持株会社化と親子上場の解消 寺井秀蔵のMBO非公開化 業績が伸びているさなかでの市場からの退出と短期株主の目からの離脱 パルタックの完全子会社化 日用品卸最大手を株式交換で取り込む医薬・日用品の二本柱化 タイトーの完全子会社化 株式公開買付けによる完全取得と「100%保有戦略」の始動 コクドの虚偽記載で上場廃止 西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載発覚と東証上場廃止 日鉱金属と持株会社設立 共同持株会社・新日鉱ホールディングスの傘下入りと、自社株式の上場廃止 ソニーの完全子会社化 株式交換による東証二部からの上場廃止