この非公開化を、単なる投資ファンドによる買収と読むと芯を外す。スシローが上場を廃止した最大の理由は、筆頭株主ゼンショーが描いたかっぱ寿司との統合、すなわち規模で市場を統合する"1位2位連合"に呑み込まれることを避ける点にあった。原価率50%と店内調理という自らのやり方を守るために、ユニゾン・キャピタルと組んで支配株主を入れ替える資本の一手を選んだ。そこにこの判断の核があるのだろう。
もっとも、独立を保つ代償として、同社は自社の株式をファンドの持ち物として差し出した。上場を去った先で待っていたのは、ユニゾンからペルミラへと支え手が替わり、経営が投資家の投資回収の時間軸に縛られる日々であった。それでも四半期開示から離れて出店と店舗改善に資源を注げたことが、後の再上場と回転寿司首位の地歩につながった。誰の傘の下で戦うかを選び直すこと自体が経営判断でありうる——スシローの非公開化は、その一例として読むことができる。