トリドールホールディングス の歴史

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創業 1985年
創業者 粟田貴也
創業地 兵庫県加古川市
創業
1985年8月、粟田貴也氏が兵庫県加古川市で八坪の焼き鳥居酒屋『トリドール三番館』を創業した。生涯に三店持ちたいという思いから店名に三番館を掲げた一軒で、郊外のロードサイドを最初の商圏に選んでいる。1995年10月に運営母体として株式会社トリドールを設立し、1998年には和風焼き鳥のファミリーダイニング『日の出食堂』を開設してファミリー層への転換を試みた。2000年11月、父の故郷である香川の讃岐うどんに着想して兵庫県加古川市にセルフ方式の『丸亀製麺 加古川店』を開設し、主力業態を掘り当てる。2006年2月に東京証券取引所マザーズへ上場した。
決断
効率化の定石を外し、各店に調理を残したまま店舗数を増やしてきた。集中調理のセントラルキッチンで人手と原価を抑えるのが外食の定石だった2000年前後に、粟田貴也氏は各店で粉から麺を打つ方式を選んだ。1999年3月には洋風居酒屋を和風焼き鳥のファミリーダイニングへ転換し、夜の居酒屋から昼も使える業態へ移す助走を済ませている。国内が780店規模に達して既存店が前年割れすると、2016年10月に持株会社へ移行して複数業態の連続買収へ転じた。2018年9月には外部のマーケターへ調査を委ね、フェアメニューを訴求していたCMを2019年1月末に店内製麺そのものを見せる内容へ変え、既存店売上高は同年5月以降ほぼ毎月前年を上回った。
現況
売上の伸びは海外が作り、利益はなお丸亀製麺が生んでいる。2026年3月期の連結売上収益2,787億円は、丸亀製麺1,371億円、海外事業1,018億円、国内その他396億円で構成される。海外は15年で国内主力に迫る規模へ育ったが、セグメント利益は丸亀製麺219億円に対し海外52億円にとどまり、同期には海外で106億円の減損損失を計上した。2023年4月に英Fulham Shoreを子会社化し、英国のFranco MancaとThe Real Greekを傘下へ収めている。買収で売上は積み上がった一方、連結の当期利益は23億円にとどまり、規模の拡大が利益に結びついていない。
競合
国内のうどんで得た競争優位は、買収した海外業態には引き継げていない。集中調理で原価を抑える設計は、1992年に客単価760円のガストへ全店を転換したすかいらーくをはじめ大手が共有してきたが、丸亀製麺の店内製麺は同じ手順では模倣できず、参入障壁として働いた。丸亀製麺は2026年3月期に売上1,371億円・セグメント利益219億円で、利益率16%を確保している。一方、2016年以降に買収した香港のTam Jai、シンガポールのMONSTER CURRY、英国のFranco Mancaは、現地の外食大手と同じ商圏で客を奪い合う。海外事業の利益率は5%にとどまり、国内で一業態を磨いた運営の手順が買った業態へは移っていない。
トリドールホールディングス:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2006年3月期2026年3月期
トリドールホールディングスにおける経営の転換点(その1) Q なぜ2000年に焼き鳥居酒屋がセルフうどん「丸亀製麺」を主力業態に据えられたのか
A 店内で粉から麺を打つ実演と専門性が、低価格を保ったまま集客力と収益性を両立させたためである。集中調理のセントラルキッチンで効率を高める外食が主流だった2000年前後に、粟田貴也氏はあえて各店で製麺する逆の方式を選んだ。1985年に兵庫県加古川市の焼き鳥居酒屋『トリドール三番館』で創業した同社は、父の故郷である香川の讃岐うどんに着想し、2000年11月にセルフ式の『丸亀製麺 加古川店』を開いた。手仕事の体験価値が、のちに国内外へ広がる主力業態を生んだ。
トリドールホールディングスにおける経営の転換点(その2) Q なぜ2018年に外部マーケター「刀」の森岡毅氏に丸亀製麺の再生を託したのか
A フェアメニューのテレビCMに頼る集客が2018年に頭打ちとなり、しかも最大の強みである店内製麺が世間にほとんど認知されていないと判明したためである。丸亀製麺は2014年8月に全国CMを始めたが、国内が780店規模に達すると既存店同士の商圏の食い合いで前年割れが起きた粟田貴也社長は最も信頼するマーケティング支援会社『刀』の森岡毅氏に再生を託し、2018年9月の調査を経て2019年1月末から粉から打つ製麺そのものを訴求するCMへ切り替えた。既存店売上高は2019年5月以降ほぼ毎月前年を上回るまで回復した
トリドールホールディングスにおける経営の転換点(その3) Q なぜ2016年以降に丸亀製麺一本足経営から買収による多業態・海外へ転換したのか
A 丸亀製麺が店舗網の飽和で既存店の食い合いに直面し、単一業態への依存という構造的な限界が露呈したためである。同社は2016年10月に持株会社体制へ移行してトリドールホールディングスへ商号を変え、外部から柱を取り込む買収を進めた。2017年に晩杯屋やずんどう屋、2018年に香港Tam JaiやシンガポールのMONSTER CURRY、米国Pokeworks、2023年に英The Fulham Shoreを傘下に収めた。2025年3月期の海外事業の売上は1047億円へ拡大し、丸亀製麺の1281億円に迫る規模へ育った

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トリドールホールディングスの沿革1985〜2023年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1985〜2005年焼き鳥店から生まれたセルフうどん「丸亀製麺」焼鳥居酒屋「トリドール三番館」開店★★
粟田貴也トリドール設立
粟田貴也和風焼鳥ファミリーダイニングとして「日の出食堂」開店
粟田貴也洋風居酒屋「トリドール」の和風焼き鳥ファミリーダイニング「とりどーる」への転換

1999年3月、粟田貴也氏が率いるトリドールは、洋風居酒屋『トリドール』を和風焼き鳥のファミリーダイニング『とりどーる』へ転換し、前年に開いた『日の出食堂』もとりどーるへ名称を統一した。深夜客に頼る居酒屋から、家族連れが昼も使える業態へ主力を組み替える判断であった。

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粟田貴也「日の出食堂」を「とりどーる」へ名称変更
粟田貴也セルフうどんの新業態として「丸亀製麺 加古川店」開店★★
粟田貴也「丸亀製麺 プロメナ店」を開店
粟田貴也焼きそばの新業態として「長田本庄軒 イトーヨーカ堂明石店」開店
2006〜2013年マザーズ上場と丸亀製麺の全国急拡大粟田貴也東京証券取引所マザーズ市場に上場
粟田貴也東京証券取引所第一部に指定替え
粟田貴也ハワイのホノルルに海外1号店「MARUGAME UDON」を開店★★
2014〜2019年成長の踊り場とマーケティング再生、多業態への転換粟田貴也持株会社への移行と、丸亀製麺に次ぐ業態の連続買収によるマルチブランド化

トリドールホールディングスは、うどんチェーン『丸亀製麺』の国内店舗網が飽和して既存店の食い合いに直面するなか、2016年10月に持株会社体制へ移行し、丸亀製麺に次ぐ柱を外部から取り込む買収を加速させた。2017年に立呑み居酒屋『晩杯屋』と豚骨ラーメン『ずんどう屋』、2018年に香港・シンガポール・米国の外食企業を相次いで子会社化し、国内外で複数業態を束ねるマルチブランド企業へと姿を変えた。

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粟田貴也トリドールHDに商号変更
粟田貴也日本で豚骨ラーメン業態「ずんどう屋」を運営するZUNDの株式取得★★
粟田貴也Tam Jai International Co.Limitedの株式を取得★★
2020〜2025年コロナ禍のV字回復と海外を主戦場とする成長粟田貴也トリドールジャパンの事業を丸亀製麺・肉のヤマキ商店などへ分社化
粟田貴也MARUGAME UDON (EUROPE) LIMITEDを設立
粟田貴也Tam Jai International Co. Limitedが香港証券取引所のメインボードに上場
粟田貴也英Fulham Shoreの子会社化による欧州レストラン事業の取得

2023年4月5日、トリドールホールディングスは、英国でピザ『Franco Manca』とギリシャ料理『The Real Greek』を展開するFulham Shore Plcを、欧州の外食ファンドCapdesiaと共同で約151億3000万円で買収すると発表した。同年7月に全株式の取得を完了し、二つのブランドをグループに取り込んで欧州での事業基盤を得た。

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出典・参考
  • トリドールホールディングス 2013年3月期決算説明会資料
  • トリドールホールディングス 2022年3月期決算説明会 質疑応答
  • トリドールホールディングス 2025年3月期決算説明会資料
  • トリドールホールディングス 有価証券報告書【沿革】
  • トリドールホールディングス 2022年3月期決算・中長期経営計画説明会資料

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