ゼンショーホールディングスの直近の業績・経営課題と展望

ゼンショーホールディングスの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望

2025/3売上高11,367億円YoY+17.7%
2025/3売上総利益6,222億円YoY+18.7%
2025/3販売費及び一般管理費5,471億円YoY+16.3%
2025/3営業利益751億円YoY+39.9%
2025/3経常利益719億円YoY+41.2%
2025/3親会社株主に帰属する当期純利益393億円YoY+28%
2025/3自己資本比率29.5%YoY+0.9pt
2025/3有利子負債合計2,348億円前年比+2,869億円
2025/3現金同等物期末残高797億円YoY▲3%
経営トップ小川洋平代表取締役社長兼CEO
2025/3従業員数18,742前年比+1,936人
2025/3平均給与817万円前年比+74万円
歴史的背景1982年6月に小川賢太郎氏が34歳で創業した牛丼すき家チェーンを起点に、43年間の創業者主導経営でファミレス・寿司・ファストフード・小売・水産・介護・海外へ多業態多地域化を進め、2024年3月期に外食業界として国内初の連結売上1兆円超(FY24は1兆1,366億円)を達成した。連結18,742名・連結出店971店舗(うち海外868店舗)の規模に達したグローバル外食最大手である。
経営課題2025年6月の創業以来初の社長交代(小川賢太郎→次男・小川洋平、財務省出身)と、2026年4月の創業者死去(77歳)により、創業者個人の意思決定に依存した43年間からの承継局面に入った。新中期経営計画(FY25〜FY27、2026年3月期〜2028年3月期)の起点として、創業者の「フード業世界一」理念を創業家第二世代が引き継ぐ承継リスクと、グローバル外食市場での持続的拡大の両立が問われる。
経営方針新中期経営計画は、海外すき家・はま寿司の店舗網拡大と海外外食売上比率の引き上げを骨子に据える。連結出店971店舗のうち海外868店舗(FY24)の海外比率をさらに引き上げ、Advanced Fresh Concepts(北米持ち帰り寿司)・Worldfood To Go(スペイン)・Sushi Circle(ドイツ)・SnowFox Topco(イギリス)等の欧米持ち帰り寿司事業を主力に据える。テイクアウト寿司の出店・販売拡大が成長軸である。
主な投資2018年のAdvanced Fresh Concepts Corp.取得(北米持ち帰り寿司)、2019年のWorldfood To Go S.L.取得(スペイン)、2023年5月のSushi Circle Gastronomie GmbH取得(ドイツ)、2023年9月のSnowFox Topco Limited取得(イギリス)と、欧米の持ち帰り寿司事業を連続買収してきた。2023年4月のロッテリア取得(ハンバーガー事業)も含めて、業態網拡大とグローバル展開の両軸でM&Aを継続している。

グローバル外食最大手の創業者交代と新中期経営計画の起動

ゼンショーホールディングスのDNAは、1982年に吉野家労組副委員長を経て34歳で独立した小川賢太郎氏の「フード業世界一」理念にある。創業から43年で、すき家を主軸とした多業態(ココス・ビッグボーイ・はま寿司・なか卯・華屋与兵衛・マルヤ・マリックス・ロッテリア等)と多地域(中国・米州・東南アジア・欧州)への拡大を完成し、2024年3月期に外食業界として国内初の連結売上1兆円超を達成した。2025年6月27日の創業以来初の社長交代で、次男・小川洋平氏(財務省出身、当時45歳)が代表取締役社長兼CEOへ昇格、2026年4月には創業者が77歳で死去した。創業者個人の意思決定に依存した43年間からの承継局面である。

FY24(2025年3月期)の連結業績は売上高1兆1,366億円(前期比17.7%増)・営業利益751億円(同39.9%増)・経常利益718億円・親会社株主に帰属する当期純利益392億円と、コロナ後3年連続の増収増益局面にある。営業利益率は6.6%まで回復し、コロナ前のFY19(2020年3月期)の3.3%から倍増した。コロナ禍のFY20(2021年3月期)営業利益121億円・FY21(2022年3月期)92億円に縮減した時期から、FY22(2023年3月期)217億円・FY23(2024年3月期)537億円・FY24(2025年3月期)751億円へと急回復を遂げた背景には、海外すき家・はま寿司の店舗網拡大とAdvanced Fresh Concepts等の北米寿司事業の貢献がある。

新中期経営計画(FY25〜FY27)は、海外売上比率の引き上げと持ち帰り寿司を主力とするグローバル展開を中軸に据える。連結出店971店舗のうち海外868店舗(FY24)の海外比率は既に9割に達し、グローバルすき家4,893名・はま寿司1,951名・ファストフード6,960名(FY24)の従業員数も海外現地法人所属が大半である。Advanced Fresh Concepts(北米)・Worldfood To Go(スペイン)・Sushi Circle(ドイツ)・SnowFox Topco(イギリス)・2023年4月取得のロッテリア(日本ハンバーガー)と、業態網拡大とグローバル展開の両軸でM&Aを継続している点が、新中期計画の事業基盤である。

財務官僚出身の創業家第二世代経営は、創業者期のような業態拡大の慣性と異なる、財務規律と海外M&Aの選別をどう組み合わせるかが課題となる。連結売上高1兆円超・連結18,742名規模の事業基盤を引き継いだ小川洋平社長のもと、創業者個人の意思決定からシステム化された経営への切り替えが進む。創業者期の「フード業世界一」という構想を、創業家第二世代がどのような財務規律と組織設計で具現化するか、FY25〜FY27の3年間が試金石となる。

ゼンショーホールディングスの業績推移直近10ヵ年・有価証券報告書をもとに作成(XBRLよりデータ取得)

項目単位FY152016/3連結 / JGAAPFY162017/3連結 / JGAAPFY172018/3連結 / JGAAPFY182019/3連結 / JGAAPFY192020/3連結 / JGAAPFY202021/3連結 / JGAAPFY212022/3連結 / JGAAPFY222023/3連結 / JGAAPFY232024/3連結 / JGAAPFY242025/3連結 / JGAAP
損益計算書 (PL)
売上高YoY億円5,257+2.7%5,440+3.5%5,791+6.4%6,077+4.9%6,304+3.7%5,950−5.6%6,585+10.7%7,800+18.4%9,658+23.8%11,367+17.7%
グローバルすき家億円2,2382,6532,958
グローバルはま寿司億円1,6951,9712,485
グローバルファストフード億円1,5512,4383,141
レストラン億円1,1721,4081,561
小売事業億円615696835830828874796782784760
本社・サポート億円374549
売上原価億円2,2802,3192,5152,6122,6772,5453,1093,6514,4175,145
売上総利益億円2,9773,1223,2763,4653,6283,4063,4764,1495,2416,222
販管費億円2,8562,9343,1003,2763,4183,2853,3843,9314,7035,471
営業利益YoY億円121+384.9%188+55.0%176−6.2%188+6.9%209+11.1%121−42.2%92−23.6%217+135.4%537+147.1%751+39.9%
グローバルすき家億円52185245
グローバルはま寿司億円84114214
グローバルファストフード億円73140292
レストラン億円-474114
小売事業億円11081615-1-23-9-18
本社・サポート億円3539-74
経常利益YoY億円114+295.8%181+58.7%177−2.2%182+3.1%199+9.3%122−38.6%231+89.3%281+21.5%509+81.3%719+41.2%
当期純利益YoY億円40+136.1%84+109.7%80−5.2%99+24.0%120+20.7%23−81.1%139+513.9%133−4.4%307+131.4%393+28.0%
貸借対照表 (BS)
自己資本比率%22.223.522.919.123.721.524.224.628.729.5
有利子負債比率%33.527.029.137.735.533.835.637.531.028.9
キャッシュフロー (CF)
営業CF億円255370372331336297454531860790
投資CF億円-208-262-247-521-352-235-316-352-1,254-665
財務CF億円-131-94-91503-25818-12018546-162
従業員
連結従業員数7,5639,21110,87712,52114,40216,25315,92917,32416,80618,742
単体従業員数472528550622600627655684790852
平均年収(単体)万円610619601626644743817

IR資料直近5ヵ年

決算説明会資料

FY報告資料の種別見所リンク調査時点のURLのため、現在は有効ではない可能性があります
FY26決算説明会第44期通期決算(2026年3月期)。新中期経営計画(26/3期〜28/3期)の進捗報告。海外すき家・はま寿司出店の推進、テイクアウト寿司の出店・販売拡大が成長軸。
FY25決算説明会第43期通期決算(2025年3月期)。新中期経営計画(26/3期〜28/3期)を発表、海外すき家・はま寿司の店舗網拡大と海外外食売上比率の引き上げを骨子に。連結出店971店舗(うち海外868店舗)、年間配当を増配。

参考文献・出所

有価証券報告書
東洋経済オンライン
日本経済新聞
流通ニュース
ニッスイ業界誌
日経ビジネス
時事通信
ゼンショーHD決算短信
ゼンショーHD決算説明会資料FY25・FY26