1967年に一つの工務店から枝分かれした会社が、それぞれ独立して株式を公開し、同じ土地を入札で競り合った末に、46年後、一つの持株会社の下へ戻った。統合の理屈は明快で、用地と資材を買う側の数を6から1へ減らせば、同じ棟数でも仕入れの条件は良くなる。実際に売上高と営業利益は3年で目標線を越え、供給棟数と市場シェアは統合前の各社が単独では届かない水準へ上がった。ただ、6社が商号もブランドも残したまま並存する構えを崩さなかったところに、この統合の性格がよく表れているのだろう。
6社を溶かして一社にすれば、重複する営業網と用地情報の窓口は減らせる。それをしなかったのは、短期回転の量産モデルが現場ごとの判断の速さに支えられていたからで、統合の効き目は買う側の交渉力に絞られた。一方、売れ残った物件を期末に値下げして売り切る作法は統合後も変わらず、決算期をそろえた2015年春の郊外には1,000万円台の新築戸建てが並んだ。安く大量に建てる仕組みを6社分まとめた結果、価格の下押しもまた6社分の規模で市場へ効いた。