買収と統合

上場企業の経営論点

買収と統合

10の経営論点・668事例

日本企業の決断 | 買収と統合 the-shashi.com 日本企業のM&Aは「救済の器」から「成長と支配権の武器」へ変わった 高度成長期まで、合併は過当競争の整理と救済の手段であり、筋書きを描いたのは銀行と国。2000年代の再編で経営の選択肢となり、いまは海外買収と同意なきTOBで企業価値を問う武器になっている。 日本企業のM&Aは「救済の器」から「成長と支配権の武器」へ変わった 高度成長期まで、合併は過当競争の整理と救済の手段であり、筋書きを描いたのは銀行と国。 2000年代の再編で経営の選択肢となり、いまは海外買収と同意なきTOBで企業価値を問う武器になっている。 〜1960年代 統制と救済の器 戦時統制で銀行・電力・鉄道が束ねられ、 戦後も合併は過当競争を抑え、行き詰まっ た会社を救う国の道具として働いた。 代表事例 1942 東急 「大東急」の形成 1966 日産自動車 プリンス自動車との合併 1968 王子HD 十條・本州合併の撤回 収録した決断 51件 → 1970〜90年代 国と銀行が描く再編 八幡・富士や第一勧業の大型合併、安宅産 業の救済と、筋書きは国とメインバンクが 描いた。海外の名門買収は高い授業料に終 わった。 代表事例 1970 日本製鉄 八幡と富士が合併 1977 伊藤忠商事 安宅産業の救済合併 1989 ソニー コロンビア映画を買収 1990 パナソニック 米MCA買収し5年で売却 収録した決断 97件 → 2000年代 生き残りの再編 金融危機の後、銀行・鉄鋼・製薬が自ら相 手を選んで統合した。救済の受け皿は国か ら産業再生機構とファンドへ移った。 代表事例 2000 みずほFG 第一勧業・富士・興銀統合 2002 JFEHD 川崎製鉄とNKKの統合 2004 ダイエー 産業再生機構の支援 2005 第一三共 三共との経営統合 収録した決断 188件 → 2010年代〜 成長と支配権の武器 兆円規模の海外買収で時間を買い、同意な きTOBと非公開化で「誰が経営するか」 を問う。M&Aは経営そのものの武器になっ た。 代表事例 2016 ソフトバンクG 英ARM買収で最大M&A 2019 武田薬品工業 シャイアーの買収 2019 伊藤忠商事 デサントへの敵対的TOB 2023 東芝 日本産業パートナーズに買収 収録した決断 332件 → 注:時代の区切りと各時代の意味づけ、代表事例はThe社史調査部による。事例数は買収と統合の論点のいずれかに属する決断(重複を除く)。2010年代以降は2026年10月時点 出所:The社史 が選び論点を付けた経営判断(668件。the-shashi.com/issue/slide/ma/)より作成。収録と分類は編集方針による 1

日本企業のM&Aは「救済の器」から「成長と支配権の武器」へ変わった

高度成長期まで、合併は過当競争の整理と救済の手段であり、筋書きを描いたのは銀行と国。

2000年代の再編で経営の選択肢となり、いまは海外買収と同意なきTOBで企業価値を問う武器になっている。

  1. 〜1960年代:統制と救済の器(収録した決断 51件)

    戦時統制で銀行・電力・鉄道が束ねられ、戦後も合併は過当競争を抑え、行き詰まった会社を救う国の道具として働いた。

  2. 1970〜90年代:国と銀行が描く再編(収録した決断 97件)

    八幡・富士や第一勧業の大型合併、安宅産業の救済と、筋書きは国とメインバンクが描いた。海外の名門買収は高い授業料に終わった。

  3. 2000年代:生き残りの再編(収録した決断 188件)

    金融危機の後、銀行・鉄鋼・製薬が自ら相手を選んで統合した。救済の受け皿は国から産業再生機構とファンドへ移った。

  4. 2010年代〜:成長と支配権の武器(収録した決断 332件)

    兆円規模の海外買収で時間を買い、同意なきTOBと非公開化で「誰が経営するか」を問う。M&Aは経営そのものの武器になった。

海外企業の買収 188事例

日本企業の決断 | 買収と統合 | 海外企業の買収 the-shashi.com 海外買収は「時間を買う」賭けであり、勝敗を分けたのは買った後の経営力 1980年代末の米国の名門買収は、統合の力がないまま高値で買い、MCAのように短期で手放す例を生んだ。JTのRJR・ギャラハー、武田のシャイアーのように、買った後に経営を組み替えられた企業だけが世界の柱を得た。 海外買収は「時間を買う」賭けであり、勝敗を分けたのは買った後の経営力 1980年代末の米国の名門買収は、統合の力がないまま高値で買い、MCAのように短期で手放す例を生んだ。 JTのRJR・ギャラハー、武田のシャイアーのように、買った後に経営を組み替えられた企業だけが世界の柱を得た。 年代別の件数(件) 3 1970年代 12 1980年代 13 1990年代 32 2000年代 87 2010年代 41 2020年代* 業種別の件数(上位5業種) 機械・精密 22(12%) 化学・素材 21(11%) 医薬品・医療 18(10%) 食品・飲料 16(9%) 金融 16(9%) 代表事例(年代順・押すと決断のページへ) 1988 ブリヂストン 米ファイアストンの買収 米タイヤ大手の取り込みによる世界首位へ… 1989 ソニー コロンビア映画を買収 CBSレコードに続く連続買収と、ハード… 1990 パナソニック 米MCA買収し5年で売却 7800億円を投じた大型買収から短期で… 1999 JT RJRナビスコ事業の買収 米国外たばこ事業だけを77億9,000… 2006 東芝 米ウェスチングハウス買収 約54億ドルを投じた世界一の原子力事業… 2006 日本板硝子 英ピルキントンの完全子会社化 売上で2倍近い相手の、総額約6160億… 2008 第一三共 印ランバクシーの買収 買収による事業構造の二本立て化と「複眼… 2012 リクルートHD 米Indeedを買収 米国企業の取り込みによる海外への足がかり 2014 サントリーHD 1兆円超で米ビーム買収 自前で育てれば30年かかる時間を、買収… 2016 ソフトバンクG 英ARM買収で最大M&A IoT・AI時代を見据えた3.3兆円と… 2019 武田薬品工業 シャイアーの買収 自前創薬の細りを埋める6兆2,133億… 2021 日立製作所 米GlobalLogicの買収 デジタルエンジニアリングの内製力の9,… 注:*2020年代は2026年10月時点。業種はThe社史の分類。代表事例はThe社史調査部による選定 出所:The社史 が選び論点を付けた経営判断(188件。the-shashi.com/issue/slide/ma/)より作成。収録と分類は編集方針による

海外買収は「時間を買う」賭けであり、勝敗を分けたのは買った後の経営力

1980年代末の米国の名門買収は、統合の力がないまま高値で買い、MCAのように短期で手放す例を生んだ。

JTのRJR・ギャラハー、武田のシャイアーのように、買った後に経営を組み替えられた企業だけが世界の柱を得た。

海外企業の買収:年代別の件数
年代件数
1970年代3
1980年代12
1990年代13
2000年代32
2010年代87
2020年代41
海外企業の買収:業種別の件数(上位5業種)
業種件数
機械・精密22
化学・素材21
医薬品・医療18
食品・飲料16
金融16
  1. 1988年 ブリヂストン 米ファイアストンの買収:米タイヤ大手の取り込みによる世界首位への跳躍
  2. 1989年 ソニー コロンビア映画を買収:CBSレコードに続く連続買収と、ハードとソフトの垂直統合
  3. 1990年 パナソニック 米MCA買収し5年で売却:7800億円を投じた大型買収から短期で手を引く、方針の転換
  4. 1999年 JT RJRナビスコ事業の買収:米国外たばこ事業だけを77億9,000万ドルで取得
  5. 2006年 東芝 米ウェスチングハウス買収:約54億ドルを投じた世界一の原子力事業の構築
  6. 2006年 日本板硝子 英ピルキントンの完全子会社化:売上で2倍近い相手の、総額約6160億円での完全子会社化
  7. 2008年 第一三共 印ランバクシーの買収:買収による事業構造の二本立て化と「複眼経営」への移行
  8. 2012年 リクルートHD 米Indeedを買収:米国企業の取り込みによる海外への足がかり
  9. 2014年 サントリーHD 1兆円超で米ビーム買収:自前で育てれば30年かかる時間を、買収で一気に縮める選択
  10. 2016年 ソフトバンクG 英ARM買収で最大M&A:IoT・AI時代を見据えた3.3兆円という過去最大規模の投資
  11. 2019年 武田薬品工業 シャイアーの買収:自前創薬の細りを埋める6兆2,133億円の買収
  12. 2021年 日立製作所 米GlobalLogicの買収:デジタルエンジニアリングの内製力の9,222億円での外部からの調達

外資の傘下入り 33事例

日本企業の決断 | 買収と統合 | 外資の傘下入り the-shashi.com 外資の傘下入りは敗北ではなく、日本型経営を外から作り直す処方箋として機能した 日産とルノー、中外とロシュは、自前では断てなかったしがらみを外資の資本で断ち切った。2010年代以降はファンドが同じ役を担い、非公開化で時間をかけて事業を組み替える道が開けた。 外資の傘下入りは敗北ではなく、日本型経営を外から作り直す処方箋として機能した 日産とルノー、中外とロシュは、自前では断てなかったしがらみを外資の資本で断ち切った。 2010年代以降はファンドが同じ役を担い、非公開化で時間をかけて事業を組み替える道が開けた。 年代別の件数(件) 2 〜1960年代 4 1970年代 2 1980年代 4 1990年代 7 2000年代 6 2010年代 8 2020年代* 業種別の件数(上位5業種) 自動車・部品 8(24%) サービス・外食 4(12%) 電機・事務機 4(12%) 機械・精密 3(9%) 小売・日用品 3(9%) 代表事例(年代順・押すと決断のページへ) 1927 日本ビクター 米ビクター日本法人として創業 外資の出先としての出発と、その後四度に… 1970 三菱自動車 クライスラーとの提携 自動車部門の分離独立と、米大手を迎え入… 1971 いすゞ自動車 GMとの資本提携 株式34.2%の受け入れと、全面提携に… 1999 日産自動車 ルノーとの資本提携 仏大手からの36.8%出資と経営陣の受… 2000 東燃ゼネラル石油 エクソンモービル傘下に編入 ゼネラル石油と東燃の合併による東燃ゼネ… 2002 中外製薬 スイス・ロシュとの提携 資本業務提携と引き換えに差し出した経営… 2003 あおぞら銀行 米サーベラス筆頭株主化 ソフトバンク保有株の売却を経た普通銀行… 2014 すかいらーくHD ベインキャピタル傘下で再上場 投資ファンド傘下で進めた経営再建と、八… 2016 シャープ 鴻海の出資受け入れと革新機構案の破談 官民ファンド案と台湾企業案の二者択一と… 2018 キオクシアHD ベイン連合が東芝メモリ取得 親会社からのメモリ事業の切り出しと、キ… 2021 日本ペイント ウットラムの完全子会社化 1.3兆円の第三者割当増資と引き換えに… 2025 テクノプロHD ブラックストーンの完全子会社化 東証プライム市場の上場廃止と、公開会社… 注:*2020年代は2026年10月時点。業種はThe社史の分類。代表事例はThe社史調査部による選定 出所:The社史 が選び論点を付けた経営判断(33件。the-shashi.com/issue/slide/ma/)より作成。収録と分類は編集方針による

外資の傘下入りは敗北ではなく、日本型経営を外から作り直す処方箋として機能した

日産とルノー、中外とロシュは、自前では断てなかったしがらみを外資の資本で断ち切った。

2010年代以降はファンドが同じ役を担い、非公開化で時間をかけて事業を組み替える道が開けた。

外資の傘下入り:年代別の件数
年代件数
〜1960年代2
1970年代4
1980年代2
1990年代4
2000年代7
2010年代6
2020年代8
外資の傘下入り:業種別の件数(上位5業種)
業種件数
自動車・部品8
サービス・外食4
電機・事務機4
機械・精密3
小売・日用品3
  1. 1927年 日本ビクター 米ビクター日本法人として創業:外資の出先としての出発と、その後四度に及ぶ資本の移り変わり
  2. 1970年 三菱自動車 クライスラーとの提携:自動車部門の分離独立と、米大手を迎え入れての発足
  3. 1971年 いすゞ自動車 GMとの資本提携:株式34.2%の受け入れと、全面提携による独立性の譲り渡し
  4. 1999年 日産自動車 ルノーとの資本提携:仏大手からの36.8%出資と経営陣の受け入れ、世界規模での事業の相互乗り入れ
  5. 2000年 東燃ゼネラル石油 エクソンモービル傘下に編入:ゼネラル石油と東燃の合併による東燃ゼネラル石油の発足
  6. 2002年 中外製薬 スイス・ロシュとの提携:資本業務提携と引き換えに差し出した経営権の過半の譲渡
  7. 2003年 あおぞら銀行 米サーベラス筆頭株主化:ソフトバンク保有株の売却を経た普通銀行への転換と再上場
  8. 2014年 すかいらーくHD ベインキャピタル傘下で再上場:投資ファンド傘下で進めた経営再建と、八年ぶりの東証復帰
  9. 2016年 シャープ 鴻海の出資受け入れと革新機構案の破談:官民ファンド案と台湾企業案の二者択一と、外資の傘下入り
  10. 2018年 キオクシアHD ベイン連合が東芝メモリ取得:親会社からのメモリ事業の切り出しと、キオクシアとしての独立
  11. 2021年 日本ペイント ウットラムの完全子会社化:1.3兆円の第三者割当増資と引き換えに進めたアジア合弁の完全子会社化
  12. 2025年 テクノプロHD ブラックストーンの完全子会社化:東証プライム市場の上場廃止と、公開会社としての歩みの終わり

合併と経営統合 228事例

日本企業の決断 | 買収と統合 | 合併と経営統合 the-shashi.com 合併は日本の産業政策そのものであり、その主役は国から企業へ移った 戦時統制から高度成長期まで、合併は過当競争を抑える国の道具であり、八幡・富士の合併がその頂点。2000年代の金融・素材・製薬の再編は、企業が生き残りを自ら選んだ合併であり、統合の連鎖はいまも続く。 合併は日本の産業政策そのものであり、その主役は国から企業へ移った 戦時統制から高度成長期まで、合併は過当競争を抑える国の道具であり、八幡・富士の合併がその頂点。 2000年代の金融・素材・製薬の再編は、企業が生き残りを自ら選んだ合併であり、統合の連鎖はいまも続く。 年代別の件数(件) 41 〜1960年代 15 1970年代 8 1980年代 13 1990年代 83 2000年代 48 2010年代 20 2020年代* 業種別の件数(上位5業種) 金融 36(16%) 化学・素材 31(14%) 小売・日用品 22(10%) IT・通信 20(9%) 自動車・部品 14(6%) 代表事例(年代順・押すと決断のページへ) 1942 東急 「大東急」の形成 戦時交通統合による戦後の解体 1966 日産自動車 プリンス自動車との合併 同業他社の取り込みによる、乗用車事業の… 1970 日本製鉄 八幡と富士が合併 鉄鋼二社の統合による新日本製鐵の誕生(… 1971 第一勧業銀行 第一・勧業銀行の合併 都市銀行と特殊銀行系の一体化による新銀… 2000 みずほFG 第一勧業・富士・興銀統合 3行が一つの傘の下に入り、2000年に… 2000 KDDI DDI・KDD・IDOの合併 長距離・国際・携帯を1社に統合した総合… 2002 JFEHD 川崎製鉄とNKKの統合 2002年に成立した日本鋼管との経営統… 2005 三菱UFJFG 三菱東京FGとUFJ統合 二つの持株会社の統合による新金融グルー… 2005 第一三共 三共との経営統合 国内2社の対等な結合による第一三共の誕… 2012 日本製鉄 住友金属工業と統合 株式交換と吸収合併の二段階手続きで住金… 2019 出光興産 昭和シェルと経営統合 交換比率1対0.41の株式交換で昭和シ… 2026 日本精工 NTNとの経営統合 共同持株会社の設立による同業との一体化 注:*2020年代は2026年10月時点。業種はThe社史の分類。代表事例はThe社史調査部による選定 出所:The社史 が選び論点を付けた経営判断(228件。the-shashi.com/issue/slide/ma/)より作成。収録と分類は編集方針による

合併は日本の産業政策そのものであり、その主役は国から企業へ移った

戦時統制から高度成長期まで、合併は過当競争を抑える国の道具であり、八幡・富士の合併がその頂点。

2000年代の金融・素材・製薬の再編は、企業が生き残りを自ら選んだ合併であり、統合の連鎖はいまも続く。

合併と経営統合:年代別の件数
年代件数
〜1960年代41
1970年代15
1980年代8
1990年代13
2000年代83
2010年代48
2020年代20
合併と経営統合:業種別の件数(上位5業種)
業種件数
金融36
化学・素材31
小売・日用品22
IT・通信20
自動車・部品14
  1. 1942年 東急 「大東急」の形成:戦時交通統合による戦後の解体
  2. 1966年 日産自動車 プリンス自動車との合併:同業他社の取り込みによる、乗用車事業の一段の規模拡大
  3. 1970年 日本製鉄 八幡と富士が合併:鉄鋼二社の統合による新日本製鐵の誕生(1970年成立)
  4. 1971年 第一勧業銀行 第一・勧業銀行の合併:都市銀行と特殊銀行系の一体化による新銀行の成立
  5. 2000年 みずほFG 第一勧業・富士・興銀統合:3行が一つの傘の下に入り、2000年に成立した金融グループ「みずほ」
  6. 2000年 KDDI DDI・KDD・IDOの合併:長距離・国際・携帯を1社に統合した総合通信事業者の発足
  7. 2002年 JFEHD 川崎製鉄とNKKの統合:2002年に成立した日本鋼管との経営統合と、JFEホールディングスの発足
  8. 2005年 三菱UFJFG 三菱東京FGとUFJ統合:二つの持株会社の統合による新金融グループの発足(2005年成立)
  9. 2005年 第一三共 三共との経営統合:国内2社の対等な結合による第一三共の誕生と、単独路線の放棄
  10. 2012年 日本製鉄 住友金属工業と統合:株式交換と吸収合併の二段階手続きで住金を取り込み、新日鐵住金が発足
  11. 2019年 出光興産 昭和シェルと経営統合:交換比率1対0.41の株式交換で昭和シェル石油を完全子会社に
  12. 2026年 日本精工 NTNとの経営統合:共同持株会社の設立による同業との一体化

買収・合併後の統合 89事例

日本企業の決断 | 買収と統合 | 買収・合併後の統合 the-shashi.com M&Aの成否は買うときではなく、統合のやり方で決まる 銀行や損保の合併では、旧組織の人事とシステムの一本化に10年単位の時間を費やした。花王のカネボウ化粧品、TDKのEPCOSのように、買った側が経営の型を持ち込めた案件ほど成果が早い。 M&Aの成否は買うときではなく、統合のやり方で決まる 銀行や損保の合併では、旧組織の人事とシステムの一本化に10年単位の時間を費やした。 花王のカネボウ化粧品、TDKのEPCOSのように、買った側が経営の型を持ち込めた案件ほど成果が早い。 年代別の件数(件) 1 〜1960年代 1 1970年代 4 1980年代 6 1990年代 28 2000年代 31 2010年代 18 2020年代* 業種別の件数(上位5業種) 小売・日用品 13(15%) IT・通信 13(15%) 機械・精密 11(12%) サービス・外食 10(11%) 金融 9(10%) 代表事例(年代順・押すと決断のページへ) 1985 住友ゴム工業 英ダンロップ事業を取得 保有株の取得による欧州3社・米国のタイ… 1990 さくら銀行 太陽神戸銀行と合併 対等の立場での合併と、さくら銀行への商… 2000 KDDI DDI・KDD・IDOの合併 長距離・国際・携帯を1社に統合した総合… 2003 コニカミノルタ ミノルタとの経営統合 株式交換方式の採用と、両社を子会社とす… 2005 バンダイナムコHD バンダイとナムコの統合 共同持株会社の発足と、両社を一体で運営… 2006 花王 カネボウ化粧品の買収 約4,291億円を投じての、後発から国… 2008 TDK 独EPCOSの買収 受動部品・センサー領域への事業補完 2010 LINE ライブドアの買収 63億円を投じた検索サービス「NAVE… 2011 SCSK CSKとの合併 株式会社SCSKへの商号変更を伴う、新… 2015 ハウス食品G本社 壱番屋をTOBで買収 買収を足がかりにした外食事業への進出と… 2018 マネックスG コインチェックの買収 NEMの不正送金から3か月後の取得と、… 2022 クボタ エスコーツの子会社化 インド農機大手への1,950億円の出資… 注:*2020年代は2026年10月時点。業種はThe社史の分類。代表事例はThe社史調査部による選定 出所:The社史 が選び論点を付けた経営判断(89件。the-shashi.com/issue/slide/ma/)より作成。収録と分類は編集方針による

M&Aの成否は買うときではなく、統合のやり方で決まる

銀行や損保の合併では、旧組織の人事とシステムの一本化に10年単位の時間を費やした。

花王のカネボウ化粧品、TDKのEPCOSのように、買った側が経営の型を持ち込めた案件ほど成果が早い。

買収・合併後の統合:年代別の件数
年代件数
〜1960年代1
1970年代1
1980年代4
1990年代6
2000年代28
2010年代31
2020年代18
買収・合併後の統合:業種別の件数(上位5業種)
業種件数
小売・日用品13
IT・通信13
機械・精密11
サービス・外食10
金融9
  1. 1985年 住友ゴム工業 英ダンロップ事業を取得:保有株の取得による欧州3社・米国のタイヤ事業の取り込み
  2. 1990年 さくら銀行 太陽神戸銀行と合併:対等の立場での合併と、さくら銀行への商号変更による新体制の発足
  3. 2000年 KDDI DDI・KDD・IDOの合併:長距離・国際・携帯を1社に統合した総合通信事業者の発足
  4. 2003年 コニカミノルタ ミノルタとの経営統合:株式交換方式の採用と、両社を子会社とする持株会社の設立
  5. 2005年 バンダイナムコHD バンダイとナムコの統合:共同持株会社の発足と、両社を一体で運営する経営体制への移行
  6. 2006年 花王 カネボウ化粧品の買収:約4,291億円を投じての、後発から国内2位への一気の浮上
  7. 2008年 TDK 独EPCOSの買収:受動部品・センサー領域への事業補完
  8. 2010年 LINE ライブドアの買収:63億円を投じた検索サービス「NAVER」への取り込み
  9. 2011年 SCSK CSKとの合併:株式会社SCSKへの商号変更を伴う、新たな体制での再出発
  10. 2015年 ハウス食品G本社 壱番屋をTOBで買収:買収を足がかりにした外食事業への進出と、川下への広がり
  11. 2018年 マネックスG コインチェックの買収:NEMの不正送金から3か月後の取得と、のれんの立たない45億円
  12. 2022年 クボタ エスコーツの子会社化:インド農機大手への1,950億円の出資と議決権44.8%の取得

同意なき買収への対応 34事例

日本企業の決断 | 買収と統合 | 同意なき買収への対応 the-shashi.com 同意なき買収は「乗っ取り」から「経営への問い」へと意味を変えた 2000年代のライブドアやスティールは「乗っ取り」と見られ、買収防衛策が経営を守る盾として広がった。2020年代は同業の事業会社が同意なきTOBを仕掛け、経営陣は防衛ではなく企業価値で答えることを迫られている。 同意なき買収は「乗っ取り」から「経営への問い」へと意味を変えた 2000年代のライブドアやスティールは「乗っ取り」と見られ、買収防衛策が経営を守る盾として広がった。 2020年代は同業の事業会社が同意なきTOBを仕掛け、経営陣は防衛ではなく企業価値で答えることを迫られている。 年代別の件数(件) 0 1970年代 1 1980年代 0 1990年代 11 2000年代 4 2010年代 18 2020年代* 業種別の件数(上位5業種) 機械・精密 8(24%) 小売・日用品 5(15%) 化学・素材 4(12%) サービス・外食 3(9%) 金融 3(9%) 代表事例(年代順・押すと決断のページへ) 1985 ミネベアミツミ 三協精機への敵対的買収 試みと、買収される側に回ったコングロマ… 2005 ライブドア ニッポン放送株を大量取得 時間外取引という抜け道を使った株式の大… 2006 王子HD 北越製紙へ敵対的TOB 日本初の本格的な敵対的買収に踏み切った… 2007 ブルドックソース スティールへの買収防衛策 TOBに対する新株予約権無償割当の実施… 2019 伊藤忠商事 デサントへの敵対的TOB 同意なき買付けによる議決権の25.5%… 2021 SBIHD 新生銀行への敵対的TOB 同意なき部分買付けで議決権47.77%… 2021 ニトリ 島忠買収でホームセンター進出 同業ではない新業態の取り込みによる事業… 2024 ブラザー工業 ローランドDGへのTOB断念 対抗TOBの提案と、その取り下げによる… 2025 セブン&アイHD クシュタールの買収に対抗 買収提案に対する資本政策の発動と、独立… 2025 ニデック 牧野フライスへのTOB撤回 同意なき買収提案という手段の選択と、実… 2026 牧野フライス製作所 外為法勧告後の自己株取得要求を否決 公開買付けの不実施で閉ざされた出口に、… 2026 デンソー ローム株式取得提案の撤回 パワー半導体の垂直統合をめざした株式取… 注:*2020年代は2026年10月時点。業種はThe社史の分類。代表事例はThe社史調査部による選定 出所:The社史 が選び論点を付けた経営判断(34件。the-shashi.com/issue/slide/ma/)より作成。収録と分類は編集方針による

同意なき買収は「乗っ取り」から「経営への問い」へと意味を変えた

2000年代のライブドアやスティールは「乗っ取り」と見られ、買収防衛策が経営を守る盾として広がった。

2020年代は同業の事業会社が同意なきTOBを仕掛け、経営陣は防衛ではなく企業価値で答えることを迫られている。

同意なき買収への対応:年代別の件数
年代件数
1970年代0
1980年代1
1990年代0
2000年代11
2010年代4
2020年代18
同意なき買収への対応:業種別の件数(上位5業種)
業種件数
機械・精密8
小売・日用品5
化学・素材4
サービス・外食3
金融3
  1. 1985年 ミネベアミツミ 三協精機への敵対的買収:試みと、買収される側に回ったコングロマリット戦略
  2. 2005年 ライブドア ニッポン放送株を大量取得:時間外取引という抜け道を使った株式の大量取得と、フジテレビジョンへの売却
  3. 2006年 王子HD 北越製紙へ敵対的TOB:日本初の本格的な敵対的買収に踏み切った業界再編の仕掛け
  4. 2007年 ブルドックソース スティールへの買収防衛策:TOBに対する新株予約権無償割当の実施と、経営権を守る姿勢の明示
  5. 2019年 伊藤忠商事 デサントへの敵対的TOB:同意なき買付けによる議決権の25.5%から40.0%への引き上げ
  6. 2021年 SBIHD 新生銀行への敵対的TOB:同意なき部分買付けで議決権47.77%を確保し、過半に届かないまま連結子会社とした
  7. 2021年 ニトリ 島忠買収でホームセンター進出:同業ではない新業態の取り込みによる事業領域の広がり
  8. 2024年 ブラザー工業 ローランドDGへのTOB断念:対抗TOBの提案と、その取り下げによる買収競争からの離脱
  9. 2025年 セブン&アイHD クシュタールの買収に対抗:買収提案に対する資本政策の発動と、独立した経営の維持
  10. 2025年 ニデック 牧野フライスへのTOB撤回:同意なき買収提案という手段の選択と、実現に至らぬままの取り下げ
  11. 2026年 牧野フライス製作所 外為法勧告後の自己株取得要求を否決:公開買付けの不実施で閉ざされた出口に、当初買付価格での自己株式取得を求めた提案とその拒絶
  12. 2026年 デンソー ローム株式取得提案の撤回:パワー半導体の垂直統合をめざした株式取得提案と、その取り下げ

MBO による非公開化 24事例

日本企業の決断 | 買収と統合 | MBO による非公開化 the-shashi.com 非公開化は市場からの逃避ではなく、長期の再編に踏み出すための攻めの選択になった 2000年代のMBOは、株主の目を逃れて創業家が経営を取り戻す手段と見られてきた。2020年代の東芝やJSRは、上場のままでは描けない長期の事業再編を、非公開化で実行する攻めの選択。 非公開化は市場からの逃避ではなく、長期の再編に踏み出すための攻めの選択になった 2000年代のMBOは、株主の目を逃れて創業家が経営を取り戻す手段と見られてきた。 2020年代の東芝やJSRは、上場のままでは描けない長期の事業再編を、非公開化で実行する攻めの選択。 年代別の件数(件) 0 1970年代 0 1980年代 1 1990年代 4 2000年代 7 2010年代 12 2020年代* 業種別の件数(上位5業種) サービス・外食 6(25%) IT・通信 4(17%) 電機・事務機 4(17%) 自動車・部品 2(8%) 医薬品・医療 2(8%) 代表事例(年代順・押すと決断のページへ) 1994 トーセイ 東誠ビルディングをMBOで取得 倒産した父の会社ではなく、別法人のした… 2005 ワールド アパレル大手のMBO非公開化 業績が伸びているさなかでの市場からの退… 2006 すかいらーくHD SNCインベストメントがMBO 創業家と投資ファンドによる総額2,70… 2011 ワークスアプリケー… WPKホールディングスのMBO 経営陣による買収と株式非公開化 2014 ベイカレント Sunrise主導のMBO 創業者の持分縮小と、投資ファンドを主導… 2023 東芝 日本産業パートナーズに買収 国内連合による約2兆円の提案受け入れと… 2023 JSR JICのTOBで非公開化 産業革新投資機構によるTOBの受け入れ… 2023 大正製薬HD 大手門のTOBで上場廃止 創業家による総額7,100億円のMBO… 2024 富士ソフト KKR系TOBで上場廃止 公開買付けへの賛同表明と、東証プライム… 2025 豊田自動織機 トヨタ主導で非公開化 グループ主導で進めた上場からの退出 2026 日本板硝子 アポロ出資で非公開化 1650億円の第三者割当と、株式併合に… 2026 MCJ ベインキャピタルとMBO 創業会長が主導した非公開化と、上場企業… 注:*2020年代は2026年10月時点。業種はThe社史の分類。代表事例はThe社史調査部による選定 出所:The社史 が選び論点を付けた経営判断(24件。the-shashi.com/issue/slide/ma/)より作成。収録と分類は編集方針による

非公開化は市場からの逃避ではなく、長期の再編に踏み出すための攻めの選択になった

2000年代のMBOは、株主の目を逃れて創業家が経営を取り戻す手段と見られてきた。

2020年代の東芝やJSRは、上場のままでは描けない長期の事業再編を、非公開化で実行する攻めの選択。

MBO による非公開化:年代別の件数
年代件数
1970年代0
1980年代0
1990年代1
2000年代4
2010年代7
2020年代12
MBO による非公開化:業種別の件数(上位5業種)
業種件数
サービス・外食6
IT・通信4
電機・事務機4
自動車・部品2
医薬品・医療2
  1. 1994年 トーセイ 東誠ビルディングをMBOで取得:倒産した父の会社ではなく、別法人のした第二創業
  2. 2005年 ワールド アパレル大手のMBO非公開化:業績が伸びているさなかでの市場からの退出と短期株主の目からの離脱
  3. 2006年 すかいらーくHD SNCインベストメントがMBO:創業家と投資ファンドによる総額2,700億円超のMBOと東証一部からの非上場化
  4. 2011年 ワークスアプリケーションズ WPKホールディングスのMBO:経営陣による買収と株式非公開化
  5. 2014年 ベイカレント Sunrise主導のMBO:創業者の持分縮小と、投資ファンドを主導役に据えた資本の組み替え
  6. 2023年 東芝 日本産業パートナーズに買収:国内連合による約2兆円の提案受け入れと、株式の非公開化
  7. 2023年 JSR JICのTOBで非公開化:産業革新投資機構によるTOBの受け入れと、東証プライム市場からの上場廃止
  8. 2023年 大正製薬HD 大手門のTOBで上場廃止:創業家による総額7,100億円のMBOと上場廃止
  9. 2024年 富士ソフト KKR系TOBで上場廃止:公開買付けへの賛同表明と、東証プライム市場からの退出
  10. 2025年 豊田自動織機 トヨタ主導で非公開化:グループ主導で進めた上場からの退出
  11. 2026年 日本板硝子 アポロ出資で非公開化:1650億円の第三者割当と、株式併合による上場からの退出
  12. 2026年 MCJ ベインキャピタルとMBO:創業会長が主導した非公開化と、上場企業としての立場の返上

連続買収による成長 105事例

日本企業の決断 | 買収と統合 | 連続買収による成長 the-shashi.com 一度の大勝負より、買収を「型」にした企業が勝つ ニデックやリクルートは、小さな買収を繰り返して統合の手順を磨き、買収そのものを事業の能力に変えた。ドラッグストアや物流の業界再編でも、連続して買える企業が市場の地図を書き換えている。 一度の大勝負より、買収を「型」にした企業が勝つ ニデックやリクルートは、小さな買収を繰り返して統合の手順を磨き、買収そのものを事業の能力に変えた。 ドラッグストアや物流の業界再編でも、連続して買える企業が市場の地図を書き換えている。 年代別の件数(件) 3 〜1960年代 1 1970年代 2 1980年代 5 1990年代 20 2000年代 49 2010年代 25 2020年代* 業種別の件数(上位5業種) サービス・外食 13(12%) 小売・日用品 13(12%) IT・通信 10(10%) 化学・素材 10(10%) 電機・事務機 9(9%) 代表事例(年代順・押すと決断のページへ) 1919 日清紡HD 岡崎紡績を買収 宮島清次郎氏による同業紡績の連続買収と… 1997 ニデック トーソクへの資本参加 企業買収による成長モデルの確立 2004 楽天G 旅の窓口買収で経済圏構築 宿泊予約からDLJ証券にまで及んだ連続… 2004 ソフトバンクG 日本テレコムの買収 固定・携帯通信への布石 2007 ツルハHD くすりの福太郎など買収 連邦型M&Aによる全国チェーン化 ──… 2011 エムスリー Doctors.net.uk買収 英国での買収を起点に、現地ポータルを傘… 2013 LIXIL 独グローエを買収 米アメリカンスタンダード北米事業の取得… 2015 東京海上HD 米HCCの買収 898,012百万円を現金で投じ、成長… 2018 リクルートHD 米Glassdoorを1,430億… 企業の口コミデータベースを1,430億… 2023 トリドールHD 英Fulham Shoreを買収 現地企業の子会社化を通じた欧州レストラ… 2024 稲畑産業 丸石化学品など連続買収 自力成長からマジョリティ出資への方針転… 2026 加賀電子 新光商事をTOBで買収 純資産を下回る1株1,580円の据え置… 注:*2020年代は2026年10月時点。業種はThe社史の分類。代表事例はThe社史調査部による選定 出所:The社史 が選び論点を付けた経営判断(105件。the-shashi.com/issue/slide/ma/)より作成。収録と分類は編集方針による

一度の大勝負より、買収を「型」にした企業が勝つ

ニデックやリクルートは、小さな買収を繰り返して統合の手順を磨き、買収そのものを事業の能力に変えた。

ドラッグストアや物流の業界再編でも、連続して買える企業が市場の地図を書き換えている。

連続買収による成長:年代別の件数
年代件数
〜1960年代3
1970年代1
1980年代2
1990年代5
2000年代20
2010年代49
2020年代25
連続買収による成長:業種別の件数(上位5業種)
業種件数
サービス・外食13
小売・日用品13
IT・通信10
化学・素材10
電機・事務機9
  1. 1919年 日清紡HD 岡崎紡績を買収:宮島清次郎氏による同業紡績の連続買収と大規模工場の新設
  2. 1997年 ニデック トーソクへの資本参加:企業買収による成長モデルの確立
  3. 2004年 楽天G 旅の窓口買収で経済圏構築:宿泊予約からDLJ証券にまで及んだ連続買収と、三領域にまたがる事業圏づくり
  4. 2004年 ソフトバンクG 日本テレコムの買収:固定・携帯通信への布石
  5. 2007年 ツルハHD くすりの福太郎など買収:連邦型M&Aによる全国チェーン化 ── くすりの福太郎からドラッグイレブンまで
  6. 2011年 エムスリー Doctors.net.uk買収:英国での買収を起点に、現地ポータルを傘下に収める海外展開の型の確立
  7. 2013年 LIXIL 独グローエを買収:米アメリカンスタンダード北米事業の取得に続く欧州大手の取り込み
  8. 2015年 東京海上HD 米HCCの買収:898,012百万円を現金で投じ、成長の場を国内損保から米国のスペシャルティ保険へ転じた
  9. 2018年 リクルートHD 米Glassdoorを1,430億円で買収:企業の口コミデータベースを1,430億円で取得したHRテクノロジー事業の第2手
  10. 2023年 トリドールHD 英Fulham Shoreを買収:現地企業の子会社化を通じた欧州レストラン事業の取得
  11. 2024年 稲畑産業 丸石化学品など連続買収:自力成長からマジョリティ出資への方針転換と、大五通商・ノバセルの取り込み
  12. 2026年 加賀電子 新光商事をTOBで買収:純資産を下回る1株1,580円の据え置きと、下限引き下げによる72.45%の取得

救済型の買収 74事例

日本企業の決断 | 買収と統合 | 救済型の買収 the-shashi.com 救済型の買収は、日本の産業の新陳代謝を担う「見えない社会装置」として機能した 高度成長期は銀行と商社が救済の受け皿となり、安宅産業やマツダの再建が雇用と取引を守った。2000年代以降は産業再生機構、ファンド、同業大手へと受け皿が移り、救済は業界再編の入口になった。 救済型の買収は、日本の産業の新陳代謝を担う「見えない社会装置」として機能した 高度成長期は銀行と商社が救済の受け皿となり、安宅産業やマツダの再建が雇用と取引を守った。 2000年代以降は産業再生機構、ファンド、同業大手へと受け皿が移り、救済は業界再編の入口になった。 年代別の件数(件) 7 〜1960年代 5 1970年代 5 1980年代 10 1990年代 29 2000年代 15 2010年代 3 2020年代* 業種別の件数(上位5業種) 金融 11(15%) 自動車・部品 9(12%) 小売・日用品 8(11%) IT・通信 7(9%) サービス・外食 6(8%) 代表事例(年代順・押すと決断のページへ) 1977 伊藤忠商事 安宅産業の救済合併 「39年の恩」に応えた経営破綻企業の引… 1979 マツダ 住友銀行主導の再建 フォードの資本を受け入れ、銀行の手で進… 1980 吉野家HD 会社更生法の申請 不採算店閉鎖・生タレ復帰による再建 1997 日本長期信用銀行 スイス銀行との資本提携 業務・資本の両面で組む投資銀行への転換… 1999 日産自動車 ルノーとの資本提携 仏大手からの36.8%出資と経営陣の受… 2004 鐘紡 産業再生機構に支援要請 粉飾決算の発覚と、自主再建を断念して公… 2004 ダイエー 産業再生機構の支援 自力での再建を断念し、公的な枠組みに委… 2009 パナソニック 三洋電機の買収 リチウムイオン電池と太陽電池の技術を、… 2012 エルピーダメモリ 米マイクロンへ事業譲渡 会社更生法の適用申請と、自主再建を断念… 2016 シャープ 鴻海の出資受け入れと革新機構案の破談 官民ファンド案と台湾企業案の二者択一と… 2016 三菱自動車 燃費不正で日産傘下入り 試験データ改ざんの発覚と、自主独立を捨… 2021 ヤマダHD 大塚家具の完全子会社化 父娘騒動で疲弊した名門家具の救済と取り… 注:*2020年代は2026年10月時点。業種はThe社史の分類。代表事例はThe社史調査部による選定 出所:The社史 が選び論点を付けた経営判断(74件。the-shashi.com/issue/slide/ma/)より作成。収録と分類は編集方針による

救済型の買収は、日本の産業の新陳代謝を担う「見えない社会装置」として機能した

高度成長期は銀行と商社が救済の受け皿となり、安宅産業やマツダの再建が雇用と取引を守った。

2000年代以降は産業再生機構、ファンド、同業大手へと受け皿が移り、救済は業界再編の入口になった。

救済型の買収:年代別の件数
年代件数
〜1960年代7
1970年代5
1980年代5
1990年代10
2000年代29
2010年代15
2020年代3
救済型の買収:業種別の件数(上位5業種)
業種件数
金融11
自動車・部品9
小売・日用品8
IT・通信7
サービス・外食6
  1. 1977年 伊藤忠商事 安宅産業の救済合併:「39年の恩」に応えた経営破綻企業の引き受け
  2. 1979年 マツダ 住友銀行主導の再建:フォードの資本を受け入れ、銀行の手で進めた経営の立て直し
  3. 1980年 吉野家HD 会社更生法の申請:不採算店閉鎖・生タレ復帰による再建
  4. 1997年 日本長期信用銀行 スイス銀行との資本提携:業務・資本の両面で組む投資銀行への転換と、住友信託銀行への合併申し入れ
  5. 1999年 日産自動車 ルノーとの資本提携:仏大手からの36.8%出資と経営陣の受け入れ、世界規模での事業の相互乗り入れ
  6. 2004年 鐘紡 産業再生機構に支援要請:粉飾決算の発覚と、自主再建を断念して公的枠組みに委ねた選択
  7. 2004年 ダイエー 産業再生機構の支援:自力での再建を断念し、公的な枠組みに委ねた経営の立て直し
  8. 2009年 パナソニック 三洋電機の買収:リチウムイオン電池と太陽電池の技術を、のれん5,144億円を積んで取りに行く選択
  9. 2012年 エルピーダメモリ 米マイクロンへ事業譲渡:会社更生法の適用申請と、自主再建を断念した末の傘下入り
  10. 2016年 シャープ 鴻海の出資受け入れと革新機構案の破談:官民ファンド案と台湾企業案の二者択一と、外資の傘下入り
  11. 2016年 三菱自動車 燃費不正で日産傘下入り:試験データ改ざんの発覚と、自主独立を捨てた資本の受け入れ
  12. 2021年 ヤマダHD 大塚家具の完全子会社化:父娘騒動で疲弊した名門家具の救済と取り込み

破談と白紙撤回 39事例

日本企業の決断 | 買収と統合 | 破談と白紙撤回 the-shashi.com 破談は失敗ではなく、統合の論理より経営の主権が勝った記録 キリンとサントリー、ホンダと日産の破談は、統合比率や主導権という「誰が経営するか」で決裂した。合意の寸前で引き返す判断こそ、無理な統合の後遺症を避ける経営の選択として読むべき局面。 破談は失敗ではなく、統合の論理より経営の主権が勝った記録 キリンとサントリー、ホンダと日産の破談は、統合比率や主導権という「誰が経営するか」で決裂した。 合意の寸前で引き返す判断こそ、無理な統合の後遺症を避ける経営の選択として読むべき局面。 年代別の件数(件) 2 〜1960年代 0 1970年代 1 1980年代 4 1990年代 14 2000年代 8 2010年代 10 2020年代* 業種別の件数(上位5業種) 化学・素材 8(21%) 金融 7(18%) 自動車・部品 3(8%) 小売・日用品 3(8%) 機械・精密 3(8%) 代表事例(年代順・押すと決断のページへ) 1968 王子HD 十條・本州合併の撤回 旧王子3社の合併覚書の取り下げと、同業… 1997 バンダイナムコHD セガとの合併破談 ゲーム業界再編をねらった電撃発表から、… 2000 りそなHD 東海・三和と統合破談 3行による大型連合の構想からの離脱と、… 2003 三井化学 住友化学との経営統合破談 業界再編を狙った合意の解消と、単独路線… 2004 三井住友トラストG UFJと信託統合破談 信託事業の統合による規模拡大構想と、2… 2007 ペンタックス HOYAとの合併撤回 白紙化に伴う社長の解職と、最後に受け入… 2010 キリンHD サントリーとの統合破談 巨大再編を狙った経営統合構想の頓挫と、… 2013 東京エレクトロン アプライドマテリアルズと経営統合 2013年の合意から2015年の破談に… 2021 東芝 CVC非公開化提案の破談 外資ファンドによる非公開化提案の受け止… 2023 キオクシアHD ウエスタンデジタルと破談 メモリ大手同士の経営統合交渉と、合意に… 2025 セブン&アイHD クシュタールと統合破談 経営統合構想が実らずに終わり、独立した… 2025 ホンダ 日産との統合協議打切 経営の一体化構想へ踏み込みながら二カ月… 注:*2020年代は2026年10月時点。業種はThe社史の分類。代表事例はThe社史調査部による選定 出所:The社史 が選び論点を付けた経営判断(39件。the-shashi.com/issue/slide/ma/)より作成。収録と分類は編集方針による

破談は失敗ではなく、統合の論理より経営の主権が勝った記録

キリンとサントリー、ホンダと日産の破談は、統合比率や主導権という「誰が経営するか」で決裂した。

合意の寸前で引き返す判断こそ、無理な統合の後遺症を避ける経営の選択として読むべき局面。

破談と白紙撤回:年代別の件数
年代件数
〜1960年代2
1970年代0
1980年代1
1990年代4
2000年代14
2010年代8
2020年代10
破談と白紙撤回:業種別の件数(上位5業種)
業種件数
化学・素材8
金融7
自動車・部品3
小売・日用品3
機械・精密3
  1. 1968年 王子HD 十條・本州合併の撤回:旧王子3社の合併覚書の取り下げと、同業を一社ずつ吸収する路線への転換
  2. 1997年 バンダイナムコHD セガとの合併破談:ゲーム業界再編をねらった電撃発表から、わずか4カ月での白紙撤回
  3. 2000年 りそなHD 東海・三和と統合破談:3行による大型連合の構想からの離脱と、単独路線への引き返し
  4. 2003年 三井化学 住友化学との経営統合破談:業界再編を狙った合意の解消と、単独路線への引き返し
  5. 2004年 三井住友トラストG UFJと信託統合破談:信託事業の統合による規模拡大構想と、2004年の破談
  6. 2007年 ペンタックス HOYAとの合併撤回:白紙化に伴う社長の解職と、最後に受け入れることになったTOB
  7. 2010年 キリンHD サントリーとの統合破談:巨大再編を狙った経営統合構想の頓挫と、単独路線への回帰
  8. 2013年 東京エレクトロン アプライドマテリアルズと経営統合:2013年の合意から2015年の破談に至った経営統合の頓挫
  9. 2021年 東芝 CVC非公開化提案の破談:外資ファンドによる非公開化提案の受け止めと、その頓挫
  10. 2023年 キオクシアHD ウエスタンデジタルと破談:メモリ大手同士の経営統合交渉と、合意に至らなかった結末
  11. 2025年 セブン&アイHD クシュタールと統合破談:経営統合構想が実らずに終わり、独立した経営体制を続ける選択
  12. 2025年 ホンダ 日産との統合協議打切:経営の一体化構想へ踏み込みながら二カ月弱で引き返した判断