上場企業の経営論点>M&A・業界再編
外資の傘下入り
外資の傘下入りは、国内に支え手がいなくなったときに起きる。1979年のマツダは住友銀行の主導でフォードの資本を受け入れ、1996年にはフォードが出資を引き上げて経営権を握った。日産自動車とルノー、三菱自動車とダイムラーも、銀行が救済を担えなくなった後の資本受け入れである。2000年代に入ると担い手が替わる。シャープは官民ファンド案を退けて鴻海精密工業を選び、東芝メモリはベイン連合の手でキオクシアとして切り出された。支え手が銀行から事業会社へ、さらにファンドへ移ったことが、傘下入りを救済から資本取引へ変えた。
財務諸表のどこを見るか
有報の大株主の状況で議決権比率の推移を追う。第三者割当増資なら発行済株式総数と資本剰余金の増加額から希薄化の程度が読め、公開買付けなら公開買付届出書に買付価格の算定根拠が載る。持分法適用会社から連結子会社へ移った期には、のれんの計上と会計方針の変更が同時に起きる。親会社が海外企業に替わると決算期や会計基準がその方針に合わせて変わることがあるため、連結の範囲と適用基準の注記も確かめる。
2020年代
米Ontoと資本業務提携 カーライル系ファンドが保有する株式27%の提携先への移管と、株主構成の入れ替え クシュタールと統合破談 経営統合構想が実らずに終わり、独立した経営体制を続ける選択 ブラックストーンの完全子会社化 東証プライム市場の上場廃止と、公開会社としての歩みの終わり 米フォートレス系のTOB受入 東証スタンダード市場からの上場廃止と非公開化への移行 米フォートレスへ売却 コンビニ集中のための百貨店切り離し カーライルとの共同出資 ファンドへの株式譲渡と、創業家持分約20%を残す形での資本再編 ウットラムの完全子会社化 1.3兆円の第三者割当増資と引き換えに進めたアジア合弁の完全子会社化 ベインキャピタルへ売却 三井E&Sホールディングス保有株の手放しと、公開買付けを経た上場廃止
2010年代
2000年代
1990年代
1980年代
1970年代
1950年代
1920年代
M&A・業界再編のほかの問い
- 海外企業の買収 182
- 合併と経営統合 220
- 同意なき買収への対応 30
- MBO による非公開化 24
- 連続買収による成長 99
- 救済型の買収 75
- 破談と白紙撤回 38
- 買収・合併後の統合 85