キオクシアホールディングス ベイン連合が東芝メモリ取得 親会社からのメモリ事業の切り出しと、キオクシアとしての独立
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何をなぜ決めたか
- 概要
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2018年6月1日、東芝が半導体メモリ事業を分社した旧東芝メモリ株式会社の全株式を、米ベインキャピタルを軸とする日米韓連合の買収会社K.K. Pangeaが約2兆円で取得し、のちにキオクシアとなる会社が東芝から独立した経営判断。買われた側から見れば、東芝が発明し最も稼いでいたメモリ事業が、親会社の危機を機に外資ファンド連合の下で独立会社となった出来事であった。
- 背景
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メモリ事業自体は健全で、2018年3月期に売上高1兆1,937億円・営業利益4,605億円を稼いでいた。切り出しを迫ったのは事業の不振ではなく、母体である東芝の危機であった。2015年の会計不正と2017年3月のウェスチングハウス破綻で東芝は債務超過に陥り、上場廃止を避けるために最も稼ぐメモリ事業を売却せざるをえなかった。
いつ何が起きたか 9件
筆者の見解
発明した会社の手を離れて生まれた新会社
この誕生の中心にあるのは、健全に稼いでいた事業が、自らの業績とは無関係な理由で母体から切り出されたという逆説である。東芝が世界で初めて生んだNAND型フラッシュメモリは、切り出しの直前まで親会社の利益の大半を稼いでいた。それでも売られたのは、事業が失敗したからではなく、原子力事業の失敗に追われた親会社が、最も高く売れる資産を現金へ換えるほかなかったからであった。危機が生んだ売却が、結果として一つの独立企業を世に送り出したと思われる。
同じ取引を、売り手の東芝と、買い手のベイン連合と、買われて生まれたキオクシアのどの側から眺めるかで、見える景色は変わる。東芝にとっては虎の子を売却する痛みであり、ベインにとっては将来の値上がりを見込む投資であり、キオクシアにとっては東芝の名を外して独り立ちする出発点であった。発明から30年余りを経て別会社になったこの事業が、外資ファンドの資本を入り口に、やがて自ら市場から資金を調達する会社へ育つのかどうかは、メモリ市況とこの独立の使い方にかかっている。売り手と買い手の両側から一つの取引を見ると、日本の半導体史がひと続きの物語として立ち上がってくる。
Yutaka Sugiura, 2026年7月
業績の推移
同じ問いに直面した会社
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参考文献
- 東芝 適時開示(2018年6月1日)「東芝メモリ株式会社の株式譲渡完了及び特定子会社の異動に関するお知らせ」
- Bain Capital プレスリリース(2017年9月28日)「Bain Capital-Led Consortium Enters into Definitive Agreement with Toshiba」
- キオクシア/ベイン 包括和解プレスリリース(2017年12月13日)
- キオクシア ニュースリリース(2019年7月18日)「東芝メモリ株式会社を『キオクシア株式会社』に社名変更」