三井住友銀行が名乗りを上げたのに、売り手は条件で決めた。銀行の株主がだれになるかは、この時、金融行政の設計よりも売り手の資金事情で決まったのだろう。
買った側の10年も、銀行を育てる10年ではなかった。サーベラスは普通銀行への転換と再上場までは押し切ったが、初日の終値は公募価格570円に対し502円、貸出先は不動産業向け26.9%に偏ったままで、2013年には約1,500億円で持分を売却している。外部資本が業態の組み替えを短期間で通せることと、それが定着することは別の話であった。純投資として持たれた銀行は、株主が代わるたびに輪郭を描き直したといえる。