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救済型の買収

誰が救済を担うかは、その時代に資金を出せた者を示す。1977年、経営破綻した安宅産業を伊藤忠商事が合併で引き受け、住友銀行は1,132億円を先送りせず一度に償却した。メインバンクが損失を負う形は1990年代まで続き、マツダは住友銀行の主導でフォードの資本を受け入れている。銀行が体力を失うと救済は公的枠組みが担い、ダイエーは産業再生機構に、ルネサスエレクトロニクスは産業革新機構と主要顧客の連合に委ねられた。その先は国外で、エルピーダメモリは米マイクロンへ事業を譲り、シャープは官民ファンド案を退けて鴻海精密工業を選ぶ。救済の担い手が銀行から国へ、さらに国外へ移ったことが、日本の主要産業の持ち主を入れ替えた。

財務諸表のどこを見るか

救われる側は、まず自己資本比率と債務超過の有無を確かめる。第三者割当増資や優先株の発行で資本を入れ直していれば、資本金・資本剰余金の増加と新株予約権付社債の条件が有報に載る。債権放棄を受けた期には債務免除益が特別利益に立つ。救う側では、取得原価が純資産を下回れば負ののれん発生益が特別利益として計上される。引き受けた損失の総額は、貸倒引当金繰入額と関係会社株式評価損で追える。

2020年代

2010年代

2019年 ZOZO ZホールディングスのTOB受け入れ 創業者が保有株の半分を手放し、独立を諦めて傘下に入る 2018年 マネックスG コインチェックの買収 NEM流出事件を起こした暗号資産交換業者の36億円での取り込み 2017年 タカタ キー・セイフティーへ承継 私的整理の主張を捨てた民事再生法の申請と、事業の全面承継 2016年 日本製鉄 日新製鋼を子会社化 鋼材デフレ下での国内4位の取り込みによる高炉再編 2016年 シャープ 鴻海の出資受け入れと革新機構案の破談 官民ファンド案と台湾企業案の二者択一と、外資の傘下入り 2016年 三菱自動車 燃費不正で日産傘下入り 試験データ改ざんの発覚と、自主独立を捨てた資本の受け入れ 2015年 ANAHD スカイマーク再建へ出資 経営破綻した独立系の再建スポンサー就任と、デルタ航空との争奪戦 2013年 めぶきFG 預金保険機構による民営化 足利銀行全株式の取得と、東証一部への直接上場による再出発 2013年 ダイエー イオンの完全子会社化 独立した上場企業としての歴史の終わりと、上場廃止の受け入れ 2013年 イオン ダイエーの完全子会社化 完全子会社化が示した流通の世代交代 2012年 ヒューリック 昭栄の吸収合併 旧富士銀系の上場不動産会社の、本体への丸ごとの取り込み 2012年 MARUWA ヤマギワ株式を取得 企業再生支援機構からの全株式7億円での引き受け 2012年 エルピーダメモリ 米マイクロンへ事業譲渡 会社更生法の適用申請と、自主再建を断念した末の傘下入り 2012年 ルネサスエレクトロニクス 産業革新機構らの出資受入 官民ファンドと主要顧客連合を引受先とする1500億円の資本増強 2011年 三洋電機 パナソニック傘下入り 二度の公開買付けと株式交換を受け入れ、64年の独立を手放す選択 2010年 レナウン 山東如意科技集団への増資 第三者割当増資の引き受けによる、中国資本の傘下への移行

2000年代

2009年 ジャストシステム キーエンスへ第三者割当増資 45億円の払い込みと引き換えに議決権の4割を明け渡す資本提携 2009年 パナソニック 三洋電機の買収 リチウムイオン電池と太陽電池の技術を、のれん5,144億円を積んで取りに行く選択 2008年 さくらインターネット 双日への第三者割当増資 商社を引受先に迎えて資本を入れ直すことによる債務超過の解消 2008年 SUBARU トヨタとの資本提携 出資比率16.5%の受け入れと、実質的なグループ入りの選択 2007年 山崎製パン 不二家の51%子会社化 資本参加と過半の取得による、同業大手の経営再建の引き受け 2007年 ふくおかFG 親和銀行を完全子会社化 共同株式移転による持株会社の設立と、その傘下への複数地銀の集約 2006年 日清食品HD 明星食品の買収 スティール・パートナーズの敵対的TOBに対する、ホワイトナイトとしての介入 2006年 北越コーポレーション 王子製紙TOBへの防衛 同業最大手からの敵対的買収提案をはねのけた自主独立の堅持 2006年 豊田通商 トーメンとの吸収合併 資本提携から完全統合へ進めた経営再建中の商社の取り込みと総合商社化 2006年 阪急阪神HD 阪神電気鉄道を完全子会社化 TOBと株式交換による経営統合と、阪急阪神ホールディングスへの商号変更 2005年 伊勢丹 岩田屋をTOBで子会社化 連結子会社化を選ぶ一方での、丸井今井への出資の見送り 2005年 三菱UFJFG 三菱東京FGとUFJ統合 二つの持株会社の統合による新金融グループの発足(2005年成立) 2005年 西武HD サーベラス出資での再建 後藤高志氏の招聘と、持株会社体制への移行によるグループ再建 2004年 鐘紡 産業再生機構に支援要請 粉飾決算の発覚と、自主再建を断念して公的枠組みに委ねた選択 2004年 セガサミーHD サミーによるセガの株式取得 株式取得にとどまらない共同持株会社の設立と両社の一体化 2004年 ダイエー 産業再生機構の支援 自力での再建を断念し、公的な枠組みに委ねた経営の立て直し 2003年 双日 ニチメンと日商岩井が統合 株式移転による共同持株会社の設立と、2660億円の優先株発行 2003年 インターネットイニシアティブ NTTグループからの増資受入れ クロスウェイブの破綻を受けた資本増強と経営基盤の立て直し 2003年 ニデック 三協精機の買収 経営不振に陥った精密機器メーカーを傘下に収めての立て直し 2003年 東北電力 東北水力地熱の子会社化 東北インテリジェント通信を含む2社の傘下入れによるグループ事業の再編 2003年 スクウェア・エニックスHD エニックスとの合併 映画"ファイナルファンタジー"の失敗が導いた同業大手との統合 2002年 雪印メグミルク 全農主導での再建受け入れ 市乳事業の切り離しと、農協系資本の下での経営の立て直し 2002年 ライブドア オン・ザ・エッヂのライブドア取得 破綻した無料プロバイダーの事業取得と、その名を冠した社名への変更 2002年 損害保険ジャパン 安田火災・日産火災の合併 大成火災を加えた三社統合による損害保険ジャパンの発足 2001年 T&DHD 東京生命の破綻処理 破綻した生保の受け皿として太陽・大同が引き受けたT&Dフィナンシャル生命の源流 2000年 三菱自動車 ダイムラーとの資本提携 独米自動車連合を後ろ盾に据える資本関係の受け入れ 2000年 あおぞら銀行 ソフトバンク連合へ譲渡 特別公的管理による一時国有化と、民間企業連合への株式譲渡による再民営化 2000年 スカパーJSAT ディレクTVの救済統合 ライバル 東証マザーズ上場 2000年 ソフトバンクG 資産圧縮と日債銀買収 ネットバブル崩壊下の資産圧縮と銀行取得

1990年代

1980年代

1970年代

1960年代

1940年代

1930年代

1900年代

1890年代

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