坂本幸雄前社長はそう総括した。数字だけを見れば主張には根拠がある。マイクロン傘下に入った直後の2013年4〜6月期、単体の売上高は1300億円、純利益は390億円に達した。想定した携帯電話市場の立ち上がりが1年遅れただけで、事業そのものは死んでいなかったとみられる。
ただ、その1年を用意するのは銀行ではなく経営の仕事でもあった。2011年3月期に設立来最高の5143億円を売り上げながら、手元に残った当期純利益は21億円で、有利子負債は3372億円が残っている。市況が戻った2期のあいだに積めなかったものが、価格が低下した期の待てる時間を決めた。8年間断り続けたマイクロンとの統合が、最も苦しい時期にCEOの死という偶然を挟んで流れた点も含めて、この判断は選べる幅の狭さのなかで下されたといえる。