ロームの決断社史:経営の意思決定を振り返る

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決断

先端を追わず、大手が投資を引いた製品を拾って利幅を作った。1969年3月のIC参入では、日立や東芝が汎用DRAMへ集中投資する横で、オーディオ向けのカスタムICという狭い市場を選ぶ。1989年には旧世代の16K・64K SRAMに絞って汎用メモリへ参入し、回路図を米国のデザインハウスから購入して開発費を約8割抑え、カスタムICとの混流ラインで償却の負担を軽くした。採算の規律は取引先にも及ぶ。1991年6月の株主総会で常務3人を含む取締役5人を更迭し、全営業部員に赤字受注と小口注文を切らせ、完成品メーカーへ値上げと品種削減を受け入れさせた。半導体各社が沈む1992年3月期に売上高1,860億円・経常利益140億円の最高益を見込めたのは、この価格規律が効いたからである。

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