決断
先端を追わず、大手が投資を引いた製品を拾って利幅を作った。1969年3月のIC参入では、日立や東芝が汎用DRAMへ集中投資する横で、オーディオ向けのカスタムICという狭い市場を選ぶ。1989年には旧世代の16K・64K SRAMに絞って汎用メモリへ参入し、回路図を米国のデザインハウスから購入して開発費を約8割抑え、カスタムICとの混流ラインで償却の負担を軽くした。採算の規律は取引先にも及ぶ。1991年6月の株主総会で常務3人を含む取締役5人を更迭し、全営業部員に赤字受注と小口注文を切らせ、完成品メーカーへ値上げと品種削減を受け入れさせた。半導体各社が沈む1992年3月期に売上高1,860億円・経常利益140億円の最高益を見込めたのは、この価格規律が効いたからである。
2024年 東芝非公開化連合へ出資
業績の推移2023 2024 2026 売上高(億円) 5,078 4,677 4,811 営業利益率(%) 18.2 9.3 2.3 1992年 不採算受注の整理
不採算受注の整理好況下でも営業利益率が2.0%に沈んだ低収益に佐藤研一郎社長が危機感を強め、取締役の更迭を経て、不採算製品と小口受注の削減、生産品目の統廃合、生産性50%向上を同時に進め、半導体不況下の1992年3月期に営業利益を130億円へ戻した収益体質の立て直し同じ経営論点に直面した企業 | 構造改革・リストラ業績の推移1991 1992 1997 売上高(億円) 1,657 1,784 2,323 純利益率(%) 2.7 3.7 9.9 1989年1月 上場後も続くオーナー経営
上場後も続くオーナー経営東証一部上場で資本市場へのアクセスを得たオーナー社長が、外部に姿を見せず社内には直接話法で臨むという非対称の統治スタイルを確立し、権限委譲と創業者支配を両立させた判断同じ経営論点に直面した企業 | ガバナンス業績の推移1988 1989 1994 売上高(億円) 1,038 1,274 1,640 純利益率(%) 2.4 3.2 3.9 1989年 汎用SRAMへ参入
汎用SRAMへ参入大手が高集積度品へ投資を振り向けて旧世代品から力を抜く市場環境をとらえ、巨額投資の要る先端メモリー競争を避けて旧世代SRAMの限界供給部分を拾う後発戦略で参入した判断同じ経営論点に直面した企業 | 経営計画・中期戦略業績の推移1988 1989 1994 売上高(億円) 1,038 1,274 1,640 純利益率(%) 2.4 3.2 3.9