上場企業の経営論点>M&A・業界再編

破談と白紙撤回

経営統合は合意の発表では決まらない。1997年、セガとバンダイの合併は電撃発表から4カ月で白紙に戻った。三井化学と住友化学キリンとサントリーはいずれも統合比率と主導権の配分で折り合わず、単独路線へ引き返している。止めるのが当事者とはかぎらない。ソフトバンクGによるアームのエヌビディアへの売却は各国の競争当局の審査で崩れた。2025年にはホンダが日産との協議を2カ月弱で打ち切り、セブン&アイHDはクシュタールとの統合を実らせないまま独立を続けた。日本の再編は統合の是非よりも、誰が主導権を握るかで壊れてきた。

財務諸表のどこを見るか

破談は財務諸表にほとんど残らない。追うのは適時開示で、基本合意書の締結と解消のリリースを並べ、どちらの側が打ち切りを申し出たかを確かめる。数字に出るのは特別損失に計上されるアドバイザリー費用と、統合を前提に組んだ資本政策の後始末である。第三者割当増資や自己株式取得を先に実行していれば、破談後も資本構成にその跡が残る。合弁の解消なら、持分法投資損益が消えた期と関係会社株式の売却損益を見る。

2020年代

2010年代

2000年代

2009年 メディパルHD メディパルHDへ移行 会社分割による医薬品卸事業の切り出しと純粋持株会社への移行 2009年 大和証券G本社 大和証券SMBCの合弁解消 三井住友保有40%株の買取による完全子会社化 2007年 ペンタックス HOYAとの合併撤回 白紙化に伴う社長の解職と、最後に受け入れることになったTOB 2007年 ファーストリテイリング バーニーズ・ニューヨーク買収断念 米高級百貨店への買収提示と、その取り下げによる海外拡張の見送り 2006年 王子HD 北越製紙へ敵対的TOB 日本初の本格的な敵対的買収に踏み切った業界再編の仕掛け 2006年 北越コーポレーション 王子製紙TOBへの防衛 同業最大手からの敵対的買収提案をはねのけた自主独立の堅持 2004年 セガサミーHD サミーによるセガの株式取得 株式取得にとどまらない共同持株会社の設立と両社の一体化 2004年 三井住友トラストG UFJと信託統合破談 信託事業の統合による規模拡大構想と、2004年の破談 2003年 三井化学 住友化学との経営統合破談 業界再編を狙った合意の解消と、単独路線への引き返し 2002年 ジャパンエナジー 日鉱金属と持株会社設立 共同持株会社・新日鉱ホールディングスの傘下入りと、自社株式の上場廃止 2002年 マネックスG DLJ破談後の信用取引参入 顧客保護を理由に見送ってきた貸株サービスの開始 2001年 MS&ADインシュアランスGHD 住友海上火災保険との合併 三社統合からの離脱と、財閥系2社による三井住友海上の発足 2001年 日本興亜損害保険 興亜火災海上保険との合併 三社統合構想の破談と、残る2社での合併による再出発 2000年 りそなHD 東海・三和と統合破談 3行による大型連合の構想からの離脱と、単独路線への引き返し

1990年代

1980年代

1960年代

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