三社統合は、合わせれば首位に立てるという枠であった。そこから離れた三井海上が相手に選んだのは、業界4位の住友海上である。1995年の時点で三井海上は総合3位・海上保険で2位、住友海上はシェア8%で火災と海上に強い。順位の上では、三社の枠のほうが大きい。それでも二社へ組み替えたのは、重ならない販路を寄せ集めて得る規模より、海上保険と海外営業網という同じ強みを重ねて厚くすることを選んだからだと思われる。三井系と住友系という、規模も後ろ盾も釣り合う相手どうしの対等合併であった。
もっとも、同じ強みは同じ重複でもある。海上と火災で並んで強い2社を一つにすれば、拠点も代理店も重なるところから整理が要る。合併の翌年に第一次の業界再編は一巡し、三井住友海上は2008年に持株会社を設立し、2010年にはあいおい損保とニッセイ同和損保を迎えてMS&ADとなった。それでも中核の損保は一つにならず、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は別会社のまま並存する。2001年に始まった重ね合わせが一本の会社に収まるのは、2027年の合併を待つことになる。