グループ再編

上場企業の経営論点

グループ再編

10の経営論点・255事例

日本企業の決断 | グループ再編 the-shashi.com グループ再編は「新事業を産む分社」から「統合と切り離しの器」へ変わった 豊田自動織機からのトヨタ、富士通からのファナックと、分社は本体から新事業を独立させる手段として働いた。持株会社の解禁後はみずほやJFEの統合の器となり、いまは親子上場の解消やスピンオフで事業を切り分ける。 グループ再編は「新事業を産む分社」から「統合と切り離しの器」へ変わった 豊田自動織機からのトヨタ、富士通からのファナックと、分社は本体から新事業を独立させる手段として働いた。 持株会社の解禁後はみずほやJFEの統合の器となり、いまは親子上場の解消やスピンオフで事業を切り分ける。 〜1960年代 独立と解体の分社 新事業を本体から切り出して独立させる一 方、戦後は財閥解体と集中排除法が雪印の 分割や第二会社の設立を迫った。 代表事例 1934 富士フイルム 大日本セルロイドから分社 1937 トヨタ自動車 豊田自動織機からの独立 1949 雪印乳業 雪印乳業と北海道バターに分割 1950 川崎重工業 川崎製鉄を分離独立 収録した決断 38件 → 1970〜90年代 育てる分社と親子上場 三菱自動車やファナックのように事業を切 り出して育て、子会社を上場させた。国鉄 分割を経て、90年代末には持株会社が解 禁された。 代表事例 1972 ファナック 富士通「3C構想」から分社 1979 セブンイレブン・ジャパン イトーヨーカ堂傘下で上場 1985 日本国有鉄道 分割民営化でJRへ移行 1999 大和証券G本社 住友銀行との提携と持株会社化 収録した決断 35件 → 2000年代 持株会社で束ねる 銀行・鉄鋼・損保・百貨店の大型統合が共 同持株会社の形をとり、日清製粉やイオン は事業を分社して純粋持株会社へ移った。 代表事例 2000 みずほFG 第一勧業・富士・興銀統合 2001 日清製粉G本社 日清製粉グループ本社へ移行 2002 JFEHD 川崎製鉄とNKKの統合 2008 三越伊勢丹HD 伊勢丹と三越が経営統合 収録した決断 87件 → 2010年代〜 選び直しと切り離し 親子上場を解消して子会社を取り込む一方、 東芝メモリやソニーFGを切り出した。持 株会社をやめて一体運営へ戻る例も出た。 代表事例 2013 東急不動産HD 東急リバブル等三社を非公開化 2018 東芝 東芝メモリ(現キオクシア)分離 2023 LINEヤフー 5社再編でLINEヤフー発足 2025 ソニー ソニーFGをスピンオフ 収録した決断 95件 → 注:時代の区切りと各時代の意味づけ、代表事例はThe社史調査部による。事例数はグループ再編の論点のいずれかに属する決断(重複を除く)。2010年代以降は2026年10月時点 出所:The社史 が選び論点を付けた経営判断(255件。the-shashi.com/issue/slide/group-restructuring/)より作成。収録と分類は編集方針による 9

グループ再編は「新事業を産む分社」から「統合と切り離しの器」へ変わった

豊田自動織機からのトヨタ、富士通からのファナックと、分社は本体から新事業を独立させる手段として働いた。

持株会社の解禁後はみずほやJFEの統合の器となり、いまは親子上場の解消やスピンオフで事業を切り分ける。

  1. 〜1960年代:独立と解体の分社(収録した決断 38件)

    新事業を本体から切り出して独立させる一方、戦後は財閥解体と集中排除法が雪印の分割や第二会社の設立を迫った。

  2. 1970〜90年代:育てる分社と親子上場(収録した決断 35件)

    三菱自動車やファナックのように事業を切り出して育て、子会社を上場させた。国鉄分割を経て、90年代末には持株会社が解禁された。

  3. 2000年代:持株会社で束ねる(収録した決断 87件)

    銀行・鉄鋼・損保・百貨店の大型統合が共同持株会社の形をとり、日清製粉やイオンは事業を分社して純粋持株会社へ移った。

  4. 2010年代〜:選び直しと切り離し(収録した決断 95件)

    親子上場を解消して子会社を取り込む一方、東芝メモリやソニーFGを切り出した。持株会社をやめて一体運営へ戻る例も出た。

持株会社化とグループ再編 164事例

日本企業の決断 | グループ再編 | 持株会社化とグループ再編 the-shashi.com 持株会社は統合の受け皿として広まり、いまはその解消まで選ぶ時代に入った 解禁直後の2000年代、持株会社はみずほやJFEのように競合同士を一つの傘に収める統合の受け皿だった。2010年代以降は富士電機やLINEヤフーが持株会社を解き、器の形そのものを事業に合わせて選び直している。 持株会社は統合の受け皿として広まり、いまはその解消まで選ぶ時代に入った 解禁直後の2000年代、持株会社はみずほやJFEのように競合同士を一つの傘に収める統合の受け皿だった。 2010年代以降は富士電機やLINEヤフーが持株会社を解き、器の形そのものを事業に合わせて選び直している。 年代別の件数(件) 3 〜1960年代 2 1970年代 0 1980年代 10 1990年代 77 2000年代 35 2010年代 37 2020年代* 業種別の件数(上位5業種) サービス・外食 24(15%) 小売・日用品 21(13%) 金融 20(12%) IT・通信 16(10%) 電機・事務機 14(9%) 代表事例(年代順・押すと決断のページへ) 1933 パナソニック 事業部制の導入 製品別に編成して独立採算とする、自主責… 1974 三井不動産 三井ホームなど2社を設立 住宅の企画と販売を担う機能別子会社の分… 1999 大和証券G本社 住友銀行との提携と持株会社化 証券業界初の純粋持株会社化 2000 みずほFG 第一勧業・富士・興銀統合 3行が一つの傘の下に入り、2000年に… 2002 JFEHD 川崎製鉄とNKKの統合 2002年に成立した日本鋼管との経営統… 2005 セブン&アイHD セブン&アイHDを設立 3社共同株式移転による持株会社化と親子… 2008 明治HD 明治製菓・明治乳業の統合 取得企業を置かない共同株式移転と、菓子… 2012 富士電機 持株会社体制の解消 純粋持株会社への移行と、9年後の事業会… 2019 東急 鉄道事業を東急電鉄に分社 商号の変更と、鉄軌道業を切り出した持株… 2021 ソニー 持株会社への移行 Purposeを軸とする体制と、祖業の… 2023 LINEヤフー 5社再編でLINEヤフー発足 Zホールディングス・ヤフー・LINEな… 2026 日本精工 NTNとの経営統合 共同持株会社の設立による同業との一体化 注:*2020年代は2026年10月時点。業種はThe社史の分類。代表事例はThe社史調査部による選定 出所:The社史 が選び論点を付けた経営判断(164件。the-shashi.com/issue/slide/group-restructuring/)より作成。収録と分類は編集方針による

持株会社は統合の受け皿として広まり、いまはその解消まで選ぶ時代に入った

解禁直後の2000年代、持株会社はみずほやJFEのように競合同士を一つの傘に収める統合の受け皿だった。

2010年代以降は富士電機やLINEヤフーが持株会社を解き、器の形そのものを事業に合わせて選び直している。

持株会社化とグループ再編:年代別の件数
年代件数
〜1960年代3
1970年代2
1980年代0
1990年代10
2000年代77
2010年代35
2020年代37
持株会社化とグループ再編:業種別の件数(上位5業種)
業種件数
サービス・外食24
小売・日用品21
金融20
IT・通信16
電機・事務機14
  1. 1933年 パナソニック 事業部制の導入:製品別に編成して独立採算とする、自主責任経営への組織の組み替え
  2. 1974年 三井不動産 三井ホームなど2社を設立:住宅の企画と販売を担う機能別子会社の分離による、土地依存からの転換
  3. 1999年 大和証券G本社 住友銀行との提携と持株会社化:証券業界初の純粋持株会社化
  4. 2000年 みずほFG 第一勧業・富士・興銀統合:3行が一つの傘の下に入り、2000年に成立した金融グループ「みずほ」
  5. 2002年 JFEHD 川崎製鉄とNKKの統合:2002年に成立した日本鋼管との経営統合と、JFEホールディングスの発足
  6. 2005年 セブン&アイHD セブン&アイHDを設立:3社共同株式移転による持株会社化と親子上場の解消
  7. 2008年 明治HD 明治製菓・明治乳業の統合:取得企業を置かない共同株式移転と、菓子・乳業から食品・医薬品への事業区分の引き直し
  8. 2012年 富士電機 持株会社体制の解消:純粋持株会社への移行と、9年後の事業会社への再統合
  9. 2019年 東急 鉄道事業を東急電鉄に分社:商号の変更と、鉄軌道業を切り出した持株会社体制への移行
  10. 2021年 ソニー 持株会社への移行:Purposeを軸とする体制と、祖業の商号の子会社への譲渡によるグループ本社への特化
  11. 2023年 LINEヤフー 5社再編でLINEヤフー発足:Zホールディングス・ヤフー・LINEなど5社の1社への統合と、持株会社体制の解消
  12. 2026年 日本精工 NTNとの経営統合:共同持株会社の設立による同業との一体化

事業の分社化 109事例

日本企業の決断 | グループ再編 | 事業の分社化 the-shashi.com 分社は新産業を生む苗床から、本体を身軽にする切り離しの手段へ変わった 戦前の分社は、トヨタ自動車や富士フイルムのように本体の一部門から新しい産業を独り立ちさせる苗床だった。2000年代以降は東芝のメモリやレゾナックの石油化学のように、中核すら手放して本体を絞り込む手段に変わった。 分社は新産業を生む苗床から、本体を身軽にする切り離しの手段へ変わった 戦前の分社は、トヨタ自動車や富士フイルムのように本体の一部門から新しい産業を独り立ちさせる苗床だった。 2000年代以降は東芝のメモリやレゾナックの石油化学のように、中核すら手放して本体を絞り込む手段に変わった。 年代別の件数(件) 36 〜1960年代 10 1970年代 6 1980年代 9 1990年代 21 2000年代 14 2010年代 13 2020年代* 業種別の件数(上位5業種) 電機・事務機 11(10%) 鉄鋼・非鉄 10(9%) 自動車・部品 10(9%) 化学・素材 9(8%) サービス・外食 9(8%) 代表事例(年代順・押すと決断のページへ) 1934 富士フイルム 大日本セルロイドから分社 国策助成金を得ての写真フィルム専業会社… 1937 豊田自動織機 トヨタ自動車工業を分離 織機会社の内部で興した自動車事業の分離… 1949 雪印乳業 雪印乳業と北海道バターに分割 集中排除法による会社分割指令への抵抗と… 1950 川崎重工業 川崎製鉄を分離独立 製鉄部門の切り出しと、造船・造機・電機… 1970 三菱重工業 三菱自動車工業を分離設立 自動車部門の切り出しと、独立会社として… 1972 ファナック 富士通「3C構想」から分社 親会社の制御部門を切り出して立てたNC… 1989 良品計画 西友からの分社独立 PB「無印良品」を売場ごと切り出しての… 2002 NEC NECエレクトロニクス設立 主力事業だった半導体の分社化と、本体か… 2018 東芝 東芝メモリ(現キオクシア)分離 最大の収益源であった半導体メモリ事業の… 2020 中部電力 パワーグリッドとミライズへ分社 送配電・小売の分社化と持株会社体制への… 2025 ソニー ソニーFGをスピンオフ 株式の一部を残したままの分離と再上場と… 2026 レゾナックHD クラサスケミカルのスピンオフ 売上の2割を占める石油化学の、売却では… 注:*2020年代は2026年10月時点。業種はThe社史の分類。代表事例はThe社史調査部による選定 出所:The社史 が選び論点を付けた経営判断(109件。the-shashi.com/issue/slide/group-restructuring/)より作成。収録と分類は編集方針による

分社は新産業を生む苗床から、本体を身軽にする切り離しの手段へ変わった

戦前の分社は、トヨタ自動車や富士フイルムのように本体の一部門から新しい産業を独り立ちさせる苗床だった。

2000年代以降は東芝のメモリやレゾナックの石油化学のように、中核すら手放して本体を絞り込む手段に変わった。

事業の分社化:年代別の件数
年代件数
〜1960年代36
1970年代10
1980年代6
1990年代9
2000年代21
2010年代14
2020年代13
事業の分社化:業種別の件数(上位5業種)
業種件数
電機・事務機11
鉄鋼・非鉄10
自動車・部品10
化学・素材9
サービス・外食9
  1. 1934年 富士フイルム 大日本セルロイドから分社:国策助成金を得ての写真フィルム専業会社としての出発
  2. 1937年 豊田自動織機 トヨタ自動車工業を分離:織機会社の内部で興した自動車事業の分離独立
  3. 1949年 雪印乳業 雪印乳業と北海道バターに分割:集中排除法による会社分割指令への抵抗と、裏金を拒んだ指定解除運動
  4. 1950年 川崎重工業 川崎製鉄を分離独立:製鉄部門の切り出しと、造船・造機・電機3部門への集約
  5. 1970年 三菱重工業 三菱自動車工業を分離設立:自動車部門の切り出しと、独立会社としての新たな出発
  6. 1972年 ファナック 富士通「3C構想」から分社:親会社の制御部門を切り出して立てたNC専業メーカーの創業
  7. 1989年 良品計画 西友からの分社独立:PB「無印良品」を売場ごと切り出しての、直営小売業への転換
  8. 2002年 NEC NECエレクトロニクス設立:主力事業だった半導体の分社化と、本体からの切り離し
  9. 2018年 東芝 東芝メモリ(現キオクシア)分離:最大の収益源であった半導体メモリ事業の切り出しと売却
  10. 2020年 中部電力 パワーグリッドとミライズへ分社:送配電・小売の分社化と持株会社体制への移行
  11. 2025年 ソニー ソニーFGをスピンオフ:株式の一部を残したままの分離と再上場という、部分的な切り出し
  12. 2026年 レゾナックHD クラサスケミカルのスピンオフ:売上の2割を占める石油化学の、売却ではなく株主への現物配当による切り離しと、20%未満の持分の継続保有