公募380万株で資本金に加わったのは1億9,000万円である。土地も建物も加盟店が持ち、本部が置くのは冷蔵庫と陳列棚という会社にとって、この額が出店の速度を決めたとは考えにくい。1,500万円の改装費を15年のローンで背負う相手に契約を求める以上、増やすべきは資金ではなく、応じる店主の数であった。東証二部の上場企業という事実は、その交渉で使える材料になったと思われる。上場直前に62.54%あった親会社の持分を、公募後も過半に保つ体制が通ったのは、公開の目的が資金の一点になかったからである。
ただ、この資本構成は子会社の側から見れば説明のつきにくいものでもあった。1平方メートル当たり売上高で2.3倍、粗利益率で2.6ポイント上回る会社が、売上高の伸び率を5.3%まで落とした親会社に6割超を握られ続けている。POSを先に入れたのは子会社で、親会社がそれを全店に広げたのは3年後であった。資本の上下と手法の上下が食い違ったまま26年が過ぎた点に、この形の限界がうかがえる。