新株を発行せず、自己株式を4%あまり売り出しただけの上場は、資金調達としては小さい。設備投資の原資が要る会社であればこの形は選びにくいが、ATMの購入資金を営業キャッシュフローで賄える収益力がすでにあった。この上場が求めていたのは資金というより、グループ内の一事業から、独立して値付けされる会社への移行だっただろう。開業時に否定論を浴びた収益モデルが、公開市場の評価に耐えるかどうかを確かめる場でもあった。
もっとも、親会社の持分を大きく動かさない上場は、親子上場という論点をそのまま先送りするものでもあった。セブン-イレブンの出店に収益が連動する以上、独立した株価が付いたあとも、経営の自由度は設置場所を握る側との関係に規定される。その関係が組み替えられるまでに17年を要し、きっかけは銀行側ではなく親会社の事業再編から訪れた。上場という手続きが会社に何を与え、何を与えなかったのか——この判断はその両面を残したとみられる。