2000年の公開で選ばれたのは、東映から独立するかどうかではなく、資金の入り口を一本増やすかどうかであった。100万株はすべて新株の公募で、東映は持分を売っていない。公開後も東映は筆頭株主に残り、2006年3月末で32.00%を保有している。それでも引受価額4,042円で入った約40億円は東映の手元を通らずに会社へ入り、作画工程のデジタル化と、2004年に置いた米国・フランスの販売子会社へ向かった。
もっとも、株主として並んだ顔ぶれを見ると、その40億円の性格がうかがえる。2006年3月末の大株主にはテレビ朝日が14.29%、フジテレビジョンが7.14%、東日本電信電話が3.71%で名を連ねた。作品を流す放送局と、製作プロダクション21社をつなぐ広域LANを敷いた通信会社である。外の資金を入れたといっても、事業の外側にいる資金ばかりではない。資金の入り口だけを一本足す設計は、親会社と外の株主が同じものを望むあいだは費用が小さい。望むものが分かれたとき少数株主の取り分をどう扱うかは、親子上場が問い直される今日、東映アニメーションになお残る論点だとみられる。