セブンドリーム・ドットコム設立(2000年・セブンイレブン・ジャパンの決断)

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論点店舗網を通販の受取拠点にするか
セブンイレブン・ジャパン:業績の推移
売上高(億円)
店舗網を電子商取引の受け渡し拠点へ転用する事業の立ち上げ

何をなぜ決めたか:店舗網を電子商取引の受け渡し拠点へ転用する事業の立ち上げ

概要

2000年2月1日、セブンイレブン・ジャパンはNEC、野村総合研究所、ソニー、ソニーマーケティング、三井物産、日本交通公社(JTB)、キノトロープの7社と、電子商取引会社セブンドリーム・ドットコムを設立した。資本金は50億円で、セブンイレブン・ジャパンが25億5,000万円(51%)を出資した。同年7月1日にインターネットと携帯電話のサイトを開設し、全国8,200店超の店舗で24時間、代金の支払いと商品の受け取りを受け付けた。

背景

店頭での公共料金などの収納代行は、年約7,000万件、5,000億円超に達していた。一方、国内のネット通販の支払いは銀行振込と代金引換が中心で、クレジットカードは1割強にとどまっていた。1999年11月、ネット通販の代金を店頭で払える収納サービスと、イー・ショッピング・ブックスの書籍の取り扱いを始めた。

この書籍販売では、店舗で支払いと受け取りの両方を済ませる客が93%を占めた。鈴木敏文会長は『ECはリアルの店舗が伴わなければうまくいかない』と言い切った。

内容

出資比率はセブンイレブン・ジャパン51%、NECと野村総合研究所が各13%、ソニーとソニーマーケティングが各6.5%、三井物産6%、JTBとキノトロープが各2%である。NECがサイトの構築・運営と店頭端末の設計、野村総合研究所がECセンターのシステム、JTBが旅行の商品を受け持った。

扱う分野は旅行、音楽、写真、物販・ギフト・携帯電話、チケット、書籍、自動車関連、情報に及ぶ。立ち上げ費用はセブンイレブン・ジャパンの支出を含めて約400億円と見込み、取扱高は2002年2月期に1,500億円、2004年2月期に3,000億円を目標に置いた。

含意

店頭端末「セブンナビ」は2000年11月27日に都内2店で設置を始め、2001年1月末までに都内1,200店へ広げる計画であった。ところが2000年7〜12月の取扱高は予想の100億円に対して約30億円、目標の3割にとどまり、損益は十数億円の赤字となった。

全店への端末導入は都内約1,200店で凍結され、2002年11月に撤去へ踏み切った。1台200万円強の端末で売れたのはチケットや資格試験の申し込みが大半で、物販は取扱額の1割に満たなかった。

いつ何が起きたか10件
考察:実測値が先にあった参入
考察

考察:実測値が先にあった参入

93%という数字が、この判断の芯にあったのだろう。店頭の収納代行が年7,000万件に達し、書籍販売では支払いと受け取りを店で済ませる客が9割を超えた。客が先に行動で示した使われ方を、8社の合弁会社に移したのがセブンドリーム・ドットコムであった。自宅配送の物流を自前で持たず、店舗網と決済の窓口だけを差し出す設計は、ネット専業の通販会社には真似のできない出口の作り方であったと思われる。

もっとも、受け取りと支払いの実測値は、店頭で注文するという使われ方までは保証していなかった。1年目の取扱高は目標の3割にとどまり、セブンナビは都内約1,200店から先へ広がらなかった。注文なら携帯電話やパソコンから出せるのに、わざわざ店頭の端末で買おうとする客は少なかったのである。店は受け取りの場にはなっても、注文の場にはならなかったといえるかもしれない。

Yutaka Sugiura, 2026年7月
参考文献

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