事業費率で規模の利益が働く損保では、価格の自由化は中堅ほど不利に働く。トヨタの依頼に応じてGOA車だけの傷害保険を作った判断は、価格ではなく商品で差をつける方針を、資本でも販売でもつながる相手と組んで確保する試みだった。
ただ、その道には代償があった。設計はトヨタの販売促進から始まっている。保険会社が握っていた商品設計と販売チャネルの主導権は、この一件で一部がメーカー側へ移った。差別化の効き目も、1998年3月にAAマイナスへ2段階下げられた格付けを押し返すには届かなかった。組む相手が強いほど、差をつける手立ては速く手に入り、自前で決められる幅は狭くなる。