1300億円の損失は、旧千代田火災が結んでいた再保険契約から出たもので、合併後のあいおい損保が自ら選んだリスクではなかった。それを発足初年度の決算に集め、連結の経常損失973億円・当期純損失882億円として一度に外へ出した点に、この判断の重さがある。翌期の連結経常利益は217億円へ戻り、2004年3月期には430億円まで回復した。同じ再保険プールにいながら破綻した大成火災海上との差は、資本の厚みと、損失を先送りしなかったことの二つにあった。
財務が戻っても、二つの会社は一つにならなかった。連結の正味収入保険料は2003年3月期の8457億円から2005年3月期の8387億円へ横ばいで、児玉正之社長が最大の課題に挙げた増収基盤づくりは実を結ばなかった。損失は一つの決算で切れた。社風の違いは切れなかった。