資本市場
10の経営論点・541事例
資本市場は「銀行と系列の後ろ盾」から「株主が経営を問う場」へ変わった
高度成長期は長銀の融資やフィリップス・ダンロップとの提携が資金と技術を運び、持ち合いが経営を市場から守った。
ライブドアとスティールが買収攻防を開き、いまは東芝の議長再任否決や親子上場の解消で株主が経営を選ぶ。
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〜1960年代:銀行と外資の資金(収録した決断 50件)
戦後復興の設備資金は長期信用銀行が配り、技術と資本はフィリップスやダンロップなど外資との提携で取り込んだ。
- 1951年 川崎製鉄 千葉製鉄所を建設:製鉄所の新設による、平炉メーカーから銑鋼一貫メーカーへの転換
- 1952年 日本長期信用銀行 川崎製鉄・トヨタへ融資:電力・鉄鋼・海運・石炭へ貸出の5割を振り向ける配分と、後発企業への肩入れ
- 1952年 パナソニック フィリップスと技術提携:「5分と5分、対等である」を貫いた条件交渉と、対等での技術導入
- 1963年 住友ゴム工業 ダンロップから経営権移管:住友電気工業を中心とする日本側への経営権の移行と、住友ゴム工業への商号変更
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1970〜90年代:持ち合いと上場の安定(収録した決断 86件)
系列と持ち合いが株主を固め、上場は資金と信用を得る手段にとどまった。ピケンズの要求は退け、バブル崩壊で山一が消えた。
- 1979年 セブンイレブン・ジャパン イトーヨーカ堂傘下で上場:親会社が過半を保有したままの東証二部上場、いわゆる親子上場の選択
- 1989年 小糸製作所 ピケンズの株式大量取得:米投資家が突きつけた取締役選任・増配要求への対応
- 1997年 山一證券 自主廃業による事業終了:会社更生法による再建を選ばず、営業停止に踏み切った清算の道
- 1998年 NTT NTTドコモの株式上場:最大の収益源を資金化しつつ過半出資で支配を残した資本政策
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2000年代:新興市場と買収攻防(収録した決断 138件)
新興市場の開設でIT企業が次々に上場し、ライブドアの時間外取引やスティールのTOBが経営権を市場で争う時代を開いた。
- 2000年 サイバーエージェント マザーズ上場後に株価暴落:ITバブルの頂点で公開に踏み切ったことによる時価の急落
- 2005年 ライブドア ニッポン放送株を大量取得:時間外取引という抜け道を使った株式の大量取得と、フジテレビジョンへの売却
- 2005年 ワールド アパレル大手のMBO非公開化:業績が伸びているさなかでの市場からの退出と短期株主の目からの離脱
- 2007年 ブルドックソース スティールへの買収防衛策:TOBに対する新株予約権無償割当の実施と、経営権を守る姿勢の明示
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2010年代〜:株主が経営を問う(収録した決断 267件)
親子上場の解消と非公開化が相次ぎ、政策保有株は手放され、物言う株主の提案が取締役の再任まで左右するようになった。
- 2020年 NTT NTTドコモの完全子会社化:完全子会社化による親子上場の解消
- 2021年 東芝 永山治議長の再任否決:エフィッシモの株主提案による独立調査と、経営陣への信任の否定
- 2023年 大正製薬HD 大手門のTOBで上場廃止:創業家による総額7,100億円のMBOと上場廃止
- 2024年 東京海上HD 政策保有株ゼロ化:2029年度末までに上場株の残高をなくすと決め、取引関係を株式で結ぶ慣行を捨てた