クボタエスコーツの子会社化:インド農機大手への最大約1,406億円の出資
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- 概要
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2021年11月18日、クボタがインドのトラクタメーカー Escorts Limited への出資比率引き上げに合意し、第三者割当増資の引き受けと株式公開買付けで合計最大約1,406億円を投じて所有割合を最大53.50%へ高めた経営判断。北尾裕一社長の下で決めたクボタ最大の買収で、子会社化は2022年4月に完了した。
- 背景
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台数ベースで世界最大のインドのトラクタ市場で、2008年の参入から3年たっても年間販売は約500台にとどまった。2020年でも約1万5,300台・シェア2%弱で、現地首位マヒンドラの45馬力機が約83万円からに対しクボタの同類品は約107万円からと3割近く高かった。
- 内容
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2019年に合弁の製造会社、2020年に約160億円の出資、同年9月に年産約5万台の合弁工場と段階を踏んだうえで、出資比率の引き上げに踏み込んだ。機能を絞って価格を抑えつつ耐久性の高い"ベーシックトラクタ"の開発・生産ノウハウを取り込むことが狙いで、Nikhil Nanda 会長兼社長は留任した。
- 含意
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2024年9月にはインドの3社を統合してエスコーツクボタ1社に集約した。クボタはインドを東欧・アフリカ・南米などへの輸出ハブにする構想を掲げ、北尾裕一氏は2025年にシェア7%、最終的に10%程度を目標に挙げた。2007年のタタグループとの合弁の失敗が、社内の慎重論として長く残っていた。
自前でやる時間を買った額
参入から3年で年間約500台、12年後の2020年でも約1万5,300台でシェア2%弱。マヒンドラの45馬力機が約83万円からに対し、クボタの同類品は約107万円から。この差は品質でも販売網でもなく、機能を絞って価格を抑える設計そのものの差であった。クボタが選んだのは、自社の小型高品質路線を作り替えることではなく、ベーシックトラクタを作れる会社を買って価格帯ごと手に入れる道である。過去最大の約1,406億円は、自前でやる時間を買った額だとみることができる。
ただ、この判断はインドで歓迎された記憶の上にはなかった。2007年に鉄管事業でタタグループと組んだ合弁は失敗に終わっていた。買った後も、3社に分かれていた現地法人を1社にまとめるのに2024年9月までかかった。2025年にシェア7%という目標に届いたかどうかは本稿の時点で確かめられず、インドを新興国向けの輸出ハブにする構想の成否も、これからの台数が答えるとみられる。
Yutaka Sugiura, 2026年7月
同じ問いに直面した会社
- クボタ「インドのトラクタメーカー Escorts Limited に対する出資比率の引き上げについて」(2021年11月18日)
- M&A Online 2021年11月18日
- クボタ 有価証券報告書(2022年12月期・連結・IFRS)