1990年5月、坂本孝氏が神奈川県相模原市に第1号店[1]『BOOKOFF相模原・古淵店』を開業した[2]。当時の古書店業界は、書籍の希少性・初版・装丁の状態などを目利きが鑑定し、1冊ごとに値付けする業態が主流で、買取・販売とも経験を積んだ専門家が担う閉じた市場だった。書籍の中身ではなく汚れ具合で値付けする方式により、アルバイトでも買取査定ができる仕組みを実現した。
1991年8月、中古本の仕入・販売を目的として相模原市に㈱ザ・アール(資本金10百万円)を設立し[3][4]、同年10月から『BOOKOFF』の全国フランチャイズチェーン展開を開始した。[5]チェーン展開の速度は1990年代の小売業界としては突出した水準で、フランチャイズ加盟希望者に対して買取マニュアル・店舗運営マニュアル・POSシステム・物流網を一括提供する仕組みが整備された。1992年6月には商号をブックオフコーポレーション㈱に変更した[6]。フランチャイズ展開と直営店展開を並走させ、店舗数は1990年代後半に全国800店舗超まで拡大した。[7]
1994年10月、中古CD(コンパクトディスク)・中古ビデオの仕入・販売を開始[8]した。1997年7月、形式上の存続会社である[9]ブックオフコーポレーション㈱(旧㈱橘屋)と合併し、1990年代の急拡大期にあわせて法人構造を整理した。1999年4月には中古子供用品の取扱いを開始し、[10]10月にはアメリカ合衆国での『BOOKOFF』店舗運営を行うBOOKOFF U.S.A. INC.を設立して海外進出を果たした。[11]
2000年1月に中古スポーツ用品、4月に中古衣料・中古アクセサリー等へ取扱品目を拡大し、[12][13]12月には複合店『BOOKOFF中古劇場多摩永山』[引用元](現『BOOKOFF SUPER BAZAAR 多摩永山』[引用元])をオープンした。[14]本・CD・ビデオ・子供用品・スポーツ用品・衣料を1店舗で扱う複合店は、それまでの書籍特化型店舗とは異なる業態として位置付けられた。2002年2月には商品・備品の供給及び保管管理を行うブックオフ物流㈱(2014年4月にブックオフコーポレーションに吸収合併)を設立し、[15]全国チェーンを支える物流網を整備した。本社・FC・直営の三者間で在庫を融通する仕組みが、店舗数の拡大と取扱品目の多様化を支えた。
2004年3月、ブックオフコーポレーション[16]は東京証券取引所市場第二部に株式を上場した。1990年の1号店開業から14年目、フランチャイズ展開開始から13年目での上場である。2005年3月には東証市場第一部に指定替えとなり、リユース業界初[17]の一部上場企業となった。上場時の連結売上高は500億円超で[18]、フランチャイズ店舗運営による加盟料・ロイヤリティ収入と直営店売上が業績の二本柱を形成していた。
2007年4月、プラモデル・フィギュア等の中古ホビー商材の取扱いを開始し、[19]8月には子会社ブックオフオンライン㈱がインターネット上のリユースショップ『BOOKOFF Online』運営を開始した。[20]実店舗とECサイトの並走は、買取・販売の両面で顧客接点を多層化する施策だった。一方、同年6月、坂本創業者は会長辞任後に退任した。背景には複数の取引先からのリベート受領問題があり、創業者の退任でガバナンス上の幕引きを図った。
坂本創業者の退任後、マッキンゼー出身で1997年入社の佐藤弘志氏が2007年6月に社長[21]へ就任した。[22]中古に新刊を組み合わせる業態拡張は、書籍小売業界の再編期において『リユース総合商社』を目指す方針への転換を意味した。
2009年11月、『BOOKOFF SUPER BAZAAR』の屋号として初の複合店『BOOKOFF SUPER BAZAAR 鎌倉大船』[引用元]がオープンした[23]。中古本・CD・ゲーム・衣料・スポーツ用品・ホビー商材を1店舗で扱う1,000坪超の店舗は[24]、それまでの中型店中心の展開とは異なる業態として位置付けられた。2010年10月にはグループの障がい者雇用促進を目的としてビーアシスト㈱を設立し、同年12月に厚生労働省より特例子会社として認定[25]を受けた。社会的雇用責任とリユース業の現場作業を結びつける施策だった。
松下展千氏が社長に就任した。松下社長は『LOVE USED』をブランディングの中核[26]に据え、中古品流通の総合事業者としてのブランド統一を進めた。2011年12月には中古携帯電話の取扱いを開始し[27]、リユース対象を電子機器へも拡張した。2013年1月にはフランチャイズ加盟店である㈱ブックオフウィズの株式を一部譲り受けて子会社化、4月には店舗型ビジネスに限定しないリユース業を運営する㈱ハグオールを設立した(2018年3月ブックオフオンライン[28]㈱に吸収合併)。
新刊書店事業の収益貢献は限定的で、2014〜2015年にかけてTSUTAYA事業(31店舗)の日本出版販売への譲渡、直営20店舗を含む22店舗の閉鎖・撤退といった事業整理が続いた。2015年3月期の決算で直営20店舗を含む22店舗を当期閉鎖し撤退損失を計上、2016年3月期には来期も6店舗追加閉鎖を予告[29]するなど、不採算店舗の整理を継続的に実施した。販売促進手法・セールやサービス券のあり方を抜本見直しし、個店販促から全体販促への切替を進めたが、利益率の改善には時間を要した。
2014年4月、ヤフー㈱との資本業務提携契約を締結した。ヤフーは第三者割当による新株式・転換社債型新株予約権付社債を引き受け、ブックオフはヤフーのリユース・C2Cプラットフォーム(ヤフオク・ヤフーショッピング)との連携を模索した。[30]提携の狙いは、実店舗で買い取った商品をオンラインに流す逆方向のリユースを含む、店舗・EC統合型のリユースビジネスを構築することにあった。2015年5月にはフランチャイズ加盟店㈱ブックレットの全株式を譲り受けて子会社化し、国内での『BOOKOFF』店舗運営を目的として㈱ブックオフ沖縄を設立した[31]。
2016年1月、国内ブックレビューコミュニティサイト運営の㈱ブクログの全株式を譲り受けて子会社化し、[32]7月にはマレーシアでのリユース店舗運営を目的とした㈱コイケとKOIKE MALAYSIA SDN.BHD.との3社で締結された株主間契約に基づき、KOIKE MALAYSIA SDN.BHD.が設立したBOK MARKETING SDN.BHD.に出資して子会社化した。[33]11月にはマレーシアで子会社BOK MARKETING SDN.BHD.がリユース店舗Jalan Jalan Japan OneCity店を運営開始し[34]、海外展開はアジア市場へ拡張した。2017年4月にはフランチャイズ加盟店㈱マナス[35]の全株式を譲り受けて子会社化し、フランチャイズ網の本部直営化を継続した。
2017年4月、松下社長は退任し、堀内康隆氏が社長に昇格[36]した。同社は堀内康隆社長就任前の2016年3月期・2017年3月期と既に2期連続の最終赤字に陥っており、堀内康隆社長就任初年度の2018年3月期も、減損損失と繰延税金資産取り崩しに伴う法人税等調整額計上で3期連続の最終赤字となった[37]。堀内康隆社長は方針として、ハグオール事業の抜本改革・買取チャネルの選択と集中・物流センター縮小・不採算店舗撤退の4本柱を提示した。2019年3月期にはハグオール事業の抜本的改革を中期経営方針の柱に据え、ブックオフオンライン事業との物流統合を進行、リユース店舗事業で直営12店舗を撤退[38]し撤退判断基準を明文化した。2018年10月、ブックオフグループホールディングス㈱が単独株式移転によりブックオフコーポレーション㈱の完全親会社として設立された[39]。同時にヤフー㈱との資本業務提携契約を解消し、新株予約権付社債を償還、自己株式取得を実施した。約4年続いたヤフー資本提携は、店舗・EC統合型リユース構想が想定通りには進まなかったことから、堀内康隆社長体制で清算された。[40]ハグオール催事販売『東京古着』撤退や不採算店舗閉鎖を継続し、赤字事業の整理を続けた。
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|---|---|---|---|---|
| 1990〜2007年中古本のチェーン化と東証一部上場 | 坂本孝 | ザ・アールを設立 | ★ | |
| 坂本孝 | BOOKOFFの全国フランチャイズチェーン展開を開始 | ★★★ | ||
| 坂本孝 | 商号をブックオフコーポレーションに変更 | ★ | ||
| 坂本孝 | 中古CD・中古ビデオの仕入販売を開始 | ★★ | ||
| 坂本孝 | 形式上の存続会社である旧橘屋ブックオフコーポレーションと合併 | ★ | ||
| 坂本孝 | 中古子供用品の取扱いを開始 | ★ | ||
| 坂本孝 | BOOKOFF U.S.A. INC.を設立 | ★ | ||
| 坂本孝 | 中古スポーツ用品の取扱いを開始 | ★ | ||
| 坂本孝 | 中古衣料・中古アクセサリー等の取扱いを開始 | ★ | ||
| 坂本孝 | 大型複合店BOOKOFF中古劇場 多摩永山をオープン | ★ | ||
| 坂本孝 | 東京証券取引所二部に株式を上場 | ★ | ||
| 坂本孝 | 東京証券取引所一部に株式を上場 | ★ | ||
| 橋本真由美 | プラモデル・フィギュア等の中古ホビー商材取扱開始 | ★ | ||
| 佐藤弘志 | 創業者・坂本孝氏がリベート受領問題で引責辞任し経営体制を刷新 | ★★★ | ||
| 佐藤弘志 | 子会社ブックオフオンラインがBOOKOFF Onlineを運営開始 | ★★ | ||
| 2008〜2018年業態拡張とヤフー提携・持株会社化 | 佐藤弘志 | 洋販ブックサービスから青山ブックセンター・流水書房を譲受 | ★★ | |
| 佐藤弘志 | BOOKOFF SUPER BAZAAR 鎌倉大船をオープン | ★★ | ||
| 佐藤弘志 | ビーアシストを設立し障がい者雇用の特例子会社として認定 | ★ | ||
| 松下展千 | 中古携帯電話の取扱いを開始 | ★ | ||
| 松下展千 | ハグオールを設立 | ★ | ||
| 松下展千 | ヤフーとの資本業務提携契約を締結 | ★★ | ||
| 松下展千 | KOIKE等とBOK MARKETINGに出資し子会社化 | ★ | ||
| 松下展千 | Jalan Jalan Japan OneCity店を運営開始 | ★ | ||
| 堀内康隆 | ブックオフグループHDを単独株式移転で設立 | ★★ | ||
| 堀内康隆 | ヤフーとの資本業務提携契約を解消 | ★ | ||
| 2019〜2025年ひとつのBOOKOFF構想と海外事業の本格展開 | 堀内康隆 | ブックオフコーポレーションがリユースコネクトを吸収合併 | ★ | |
| 堀内康隆 | ジュエリーアセットマネジャーズとAidect Hong Kongを子会社化 | ★ | ||
| 堀内康隆 | 決算期を3月から5月に変更 | ★ | ||
| 堀内康隆 | BOチャンスを設立しJapan TCG Center店舗を運営 | ★ | ||
| 堀内康隆 | グループ初の遊べるアイテム専門店「あそビバ」を出店 | ★ | ||
| 堀内康隆 | カザフスタン共和国でFC加盟店初出店 | ★ | ||
| 堀内康隆 | ECサイト「rehello(リハロ)」をオープン | ★ | ||
| 堀内康隆 | カザフスタン共和国で合弁会社J&K TRADINGを設立 | ★ | ||
| 堀内康隆 | 従業員による架空買取・不適切会計を特別調査委員会が調査、報告書(公表版)を公表 | ★★★ |
免責事項およびポリシー
事実根拠:出所(ブックオフグループホールディングス)