1年で世界最大の駐車場網を獲得した話として語られやすい。だが二件の中身を並べると、買ったものは資産ではなく、20年で償却する将来の収益力の見積りであった。NCPでは取得原価234億89百万円に対しのれんが422億52百万円立ち、受け入れた負債は387億20百万円に上る。1991年に上野で5〜6台から始めた会社が、既に出来上がった大型駐車場の束を、その先の稼ぎの約束ごと引き受けたと推察される。
もっとも、この買収を失敗と呼ぶのは早い。2025年10月期の駐車場事業海外は売上高843億73百万円で、連結の2割を稼いでいる。ただしセグメントは13億98百万円の損失で、のれんの償却額14億23百万円を差し引く前でようやく釣り合う水準にとどまる。有価証券報告書が現在も課題に挙げるのは、大型かつ長期契約に偏った構成を"小型・分散・ドミナント化"へ組み替えることであり、国内で作った稼ぎ方を買った先へ移す作業は8年を経ても続いている。件数は買えても、稼ぎ方は買えなかったといえる。