1993年11月、見城徹氏ほか5名が株式会社角川書店を退社し、東京都新宿区三栄町に資本金1000万円で幻冬舎を設立した[1]。見城氏は角川書店で『月刊カドカワ』の編集長を務め、五木寛之氏や村上龍氏ら書き手と近い関係を築いていた編集者である。独立の直接の契機は、角川春樹社長(当時)をめぐる一連の事件だった。42歳で、18年勤めた会社を離れている。設立時の資本金1000万円は、取次との取引や刊行点数の確保を考えれば潤沢とはいえない。
事業を始めたのは翌1994年3月で、単行本6作品を同時に出して書籍事業へ参入した[2]。のちの参入でも同じやり方を繰り返した。1997年4月の文庫は62作品[3]、2006年11月の新書は17作品[4]を、いずれも一度に並べて始めている。取次と書店の棚を相手にする商売では、点数の少ない新規参入者は取引条件でも配本でも不利を負う。まとまった数を一日で出す方法は、その不利をいくらか埋める。創業から13年の間に、幻冬舎はこの入り方を三度繰り返した。設立から最初の刊行までは4か月あり、同じ1994年9月には本社を新宿区三栄町から四谷一丁目へ移している[5]。
創業の翌年から、幻冬舎は編集以外の機能を子会社へ移している。1994年7月、広告・経理を担う有限会社幻冬舎インターナショナルを100%出資で設立した[6]。1995年2月には営業を担う有限会社幻冬舎ブックスを設けている[7]。編集者の判断が売上に直結する事業であり、本体に残す機能は編集へ寄せた。幻冬舎ブックスを2000年8月、幻冬舎インターナショナルを同年11月に吸収合併し[8]、機能は再び一つの会社に戻った。合併後も人員が膨らんだわけではない。2002年3月期の連結従業員数は44名、うち提出会社が40名[9]で、子会社を含めても40人台にとどまっている。
出版市場そのものは、幻冬舎の創業とほぼ同時に頂点を迎えていた。幻冬舎の成長期は、そのまま業界全体の縮小期と重なっている。市場が伸びる時期に規模を広げた既存の出版社とは、初めから前提が違っていた。
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|---|---|---|---|---|
| 1993〜1996年角川書店を出た六人が、単行本六作から出版社の形をつくり上げるまで | 見城徹 | 見城徹氏ほか5名が角川書店を退社 | ★ | |
| 見城徹 | 幻冬舎を設立 | ★ | ||
| 見城徹 | 単行本6作品を皮切りに書籍事業へ参入 | ★ | ||
| 見城徹 | 幻冬舎インターナショナルを100%出資子会社として設立 | ★ | ||
| 見城徹 | 営業業務のアウトソーシングを目的に、幻冬舎ブックスを100%出資子会社として設立 | ★ | ||
| 1997〜2002年文庫と部数決定の方法論で、ミリオンセラーを連続して生んだ時期 | 見城徹 | 文庫本62作品を同時刊行 | ★ | |
| 見城徹 | 文庫本分野に参入 | ★★ | ||
| 見城徹 | 幻冬舎コミックスを設立 | ★ | ||
| 見城徹 | コミックス事業に参入 | ★★ | ||
| 2003〜2009年株式を公開した出版社が、買収と新分野で出版の外側を試した七年 | 見城徹 | 日本証券業協会に株式を店頭登録 | ★ | |
| 見城徹 | 自費出版を手掛ける幻冬舎ルネッサンスを設立 | ★ | ||
| 見城徹 | ジャスダック証券取引所に上場 | ★ | ||
| 見城徹 | ワイドレシーバー(後の幻冬舎エデュケーション)を設立 | ★ | ||
| 見城徹 | 幻冬舎ルネッサンスとライブドアの共同出資でライブドアパブリッシングを設立 | ★ | ||
| 見城徹 | 企業出版を手掛ける幻冬舎メディアコンサルティングと幻冬舎エムディーを設立 | ★ | ||
| 見城徹 | ライブドアパブリッシングの株式を売却 | ★ | ||
| 見城徹 | 新書17作品を皮切りに新書分野へ参入 | ★★ | ||
| 2010〜2026年解散価値を下回る価格で市場から降り、非公開の出版社へ戻るまで | 見城徹 | 解散価値を下回る価格での株式公開買付けと、ジャスダック上場の廃止 2010年10月29日、見城徹氏=社長が代表を務める特別目的会社TKホールディングスが、幻冬舎株式に対する公開買付けを1株22万円で発表した経営判断。買収総額は60億円強で、成立すれば見城社長が全株を持つ計画であった。2011年3月、幻冬舎は大阪証券取引所(ジャスダック)における株式の上場を廃止した。 詳細を読む | ★★★ | |
| 見城徹 | MBOによる上場廃止を表明 | ★★ | ||
| 見城徹 | イザベル・リミテッドが株式の30.6%を取得 | ★ | ||
| 見城徹 | 臨時株主総会でMBOに関する議案が可決 | ★ | ||
| 見城徹 | 立花証券が議決権を行使せずMBOが成立 | ★★ | ||
| 見城徹 | MBOの成立により、大阪証券取引所(ジャスダック)における株式を上場廃止 | ★ |
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事実根拠:出所(幻冬舎)