{
  "title": "幻冬舎の歴史概略",
  "sections": [
    {
      "start_year": 1993,
      "end_year": 1996,
      "main_title": "角川書店を出た六人が、単行本六作から出版社の形をつくり上げるまで",
      "subsections": [
        {
          "title": "角川書店を退社した六人と、資本金一千万円の設立",
          "text": "1993年11月、見城徹氏ほか5名が株式会社角川書店を退社し、東京都新宿区三栄町に資本金1000万円で幻冬舎を設立した。見城氏は角川書店で『月刊カドカワ』の編集長を務め、五木寛之氏や村上龍氏ら書き手と近い関係を築いていた編集者である。独立の直接の契機は、角川春樹社長（当時）をめぐる一連の事件だった。週刊東洋経済は1998年、この独立を「脱藩」と呼んでいる。見城氏は1950年生まれで、慶応大学法学部を出て1975年に角川書店へ入り、取締役編集部長を最後に退社した。42歳で、18年勤めた会社を離れている。設立時の資本金1000万円は、取次との取引や刊行点数の確保を考えれば潤沢とはいえない。\n\n事業を始めたのは翌1994年3月で、単行本6作品を同時に出して書籍事業へ参入した。のちの参入でも同じやり方を繰り返した。1997年4月の文庫は62作品、2006年11月の新書は17作品を、いずれも一度に並べて始めている。取次と書店の棚を相手にする商売では、点数の少ない新規参入者は取引条件でも配本でも不利を負う。まとまった数を一日で出す方法は、その不利をいくらか埋める。創業から13年の間に、幻冬舎はこの入り方を三度繰り返した。設立から最初の刊行までは4か月あり、同じ1994年9月には本社を新宿区三栄町から四谷一丁目へ移している。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "1993年11月、現代表取締役社長見城徹他5名が株式会社角川書店を退社し、東京都新宿区三栄町18番7号に資本金10百万円にて当社を設立",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "93年、角川春樹・角川書店社長（当時）の一連の事件を機に「脱藩」した数人の編集者が創業した。同社代表の見城徹氏は元「月刊カドカワ」の敏腕編集長で、五木寛之氏や村上龍氏など著名作家に懇意",
                "source": "週刊東洋経済 1998年7月4日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "見城徹氏は1950年生まれ、慶応大学法学部卒業。1975年角川書店入社、取締役編集部長を最後に退社し、1993年に幻冬舎を設立",
                "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "1994年3月、単行本6作品を皮切りに書籍事業に参入",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "1997年4月、文庫本62作品を皮切りに文庫本分野に参入",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "2006年11月、新書17作品を皮切りに新書分野に参入",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "1994年9月、本社を東京都新宿区四谷一丁目22番6号に移転",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "編集以外を外へ出した二つの子会社",
          "text": "創業の翌年から、幻冬舎は編集以外の機能を子会社へ移している。1994年7月、広告・経理を担う有限会社幻冬舎インターナショナルを100％出資で設立した。1995年2月には営業を担う有限会社幻冬舎ブックスを設けている。編集者の判断が売上に直結する事業であり、本体に残す機能は編集へ寄せた。幻冬舎ブックスを2000年8月、幻冬舎インターナショナルを同年11月に吸収合併し、機能は再び一つの会社に戻った。合併後も人員が膨らんだわけではない。2002年3月期の連結従業員数は44名、うち提出会社が40名で、子会社を含めても40人台にとどまっている。\n\n出版市場そのものは、幻冬舎の創業とほぼ同時に頂点を迎えていた。書籍・雑誌をあわせた出版物の販売金額は1996年を境に減少へ転じ、以後は前年割れが常態となる。2009年には1兆9356億円と、1988年以来21年ぶりに2兆円を割った。幻冬舎の成長期は、そのまま業界全体の縮小期と重なっている。市場が伸びる時期に規模を広げた既存の出版社とは、初めから前提が違っていた。講談社・小学館・光文社が2008年度から2009年度にかけて2期連続の最終赤字となり、文藝春秋も2009年度に最終赤字へ転じたのは、その縮小の帰結にあたる。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "2002年3月期の連結従業員数44名、提出会社40名",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "1994年7月、広告・経理業務のアウトソーシングを目的に、有限会社幻冬舎インターナショナルを当社100％出資子会社として設立",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "1995年2月、営業業務のアウトソーシングを目的に、有限会社幻冬舎ブックスを当社100％出資子会社として設立",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "2000年8月に有限会社幻冬舎ブックスを、同年11月に有限会社幻冬舎インターナショナルをそれぞれ吸収合併",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "1996年をピークに右肩下がりの続く出版マーケット。そんな逆風下にあって、93年の設立以来、ヒットを飛ばし続けているのが幻冬舎だ",
                "source": "週刊東洋経済 2011年10月15日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "2009年の出版物販売金額は1兆9356億円。5年連続で前年を下回り、1988年以来、21年ぶりに2兆円を割った",
                "source": "週刊東洋経済 2010年11月13日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "講談社や小学館、光文社は08〜09年度に2期連続で最終赤字。文藝春秋も09年度は最終赤字に転落した",
                "source": "週刊東洋経済 2010年11月13日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ]
          ]
        }
      ]
    },
    {
      "start_year": 1997,
      "end_year": 2002,
      "main_title": "文庫と部数決定の方法論で、ミリオンセラーを連続して生んだ時期",
      "subsections": [
        {
          "title": "六十二作品を一度に並べた文庫参入",
          "text": "1997年4月、幻冬舎は文庫本62作品を同時に刊行して文庫分野へ入った。既刊の単行本を文庫にすれば、一つの作品から二度売上を取れる。同年9月には本社を新宿区四谷から渋谷区千駄ケ谷四丁目へ移し、現在に至るまでこの住所を本社としている。創業から4年目で、単行本と文庫の二本立てが揃った。1998年の時点で、幻冬舎は短期間に多くのベストセラーを出す出版社として業界の外にも知られていた。単行本で当てた作品を、価格を下げてもう一度売る道も開ける。参入の翌年には、のちに100万部を超える五木寛之氏『大河の一滴』が刊行されている。文庫と単行本の双方に回せる作品が、この時期に手元へ積み上がった。創業6年目の1999年3月期には、社員34名で売上高58億3900万円・経常利益10億1100万円を計上している。\n\nこの時期に幻冬舎の名を広めたのは、単発の大型ヒットの連続である。五木寛之氏『大河の一滴』、郷ひろみ氏『ダディ』、石原慎太郎氏『弟』、天童荒太氏『永遠の仔』と、100万部級の作品が続いた。2003年5月の時点で、創業からの9年間に7本のミリオンセラーを出している。設立から10年に満たない出版社としては例のない密度である。同年12月には村上龍氏『13歳のハローワーク』が加わった。同じ2003年の1月、見城社長は10万部を年に2本以上作る編集者だけを抱えると宣言している。当人の説明では、その水準の編集者が当時16人いた。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "1997年4月、文庫本62作品を皮切りに文庫本分野に参入",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "1997年9月、本社を東京都渋谷区千駄ケ谷四丁目9番7号に移転。現在の本社所在地も同じ",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "五木寛之の『大河の一滴』、石原慎太郎の『弟』など短期間で多くのベストセラーを出版してきた幻冬舎",
                "source": "週刊東洋経済 1998年7月4日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "第6期（1999年3月期）の提出会社売上高5,838,856千円・経常利益1,011,468千円・従業員34名",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "9年で7本のミリオンセラーを放つ（2003年時点の見城徹氏の経歴紹介）",
                "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "五木寛之著『大河の一滴』、郷ひろみ著『ダディ』、石原慎太郎著『弟』、天童荒太著『永遠の仔』、村上龍著『13歳のハローワーク』などミリオンセラーを連発",
                "source": "週刊東洋経済 2006年8月12日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "この正月に、幻冬舎は10万部を年に二本以上作る編集者だけしか抱えないと宣言。見城徹氏は「現実にそういう編集者が今16人いる」と述べた",
                "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "『ダディ』初版五十万部という部数の決め方",
          "text": "見城社長は本を「作品」ではなく「商品」と呼び、競争相手を同業他社ではなく他のメディアに置いた。返品率が40％台の出版に対し、セブン-イレブンの弁当の返品率は1％である。本もコンビニの棚でパンやおにぎりと並んで選ばれる、という見方をとった。見城社長は活字離れという診断も採らなかった。読者の時間を奪う相手は携帯電話やゲームであり、それより面白い活字を出せば売れるという立場をとっている。出版不況を業界全体に共通する条件ではなく、個々の会社の努力の差として見ていた。同業他社は必死の努力をしていないのか、と問われて、していないと答えている。\n\n部数の決め方には、この考え方がそのまま表れている。郷ひろみ氏『ダディ』では初版を50万部で始めた。単行本に前例のない部数それ自体を報道させる材料とし、離婚届の提出日に本を出して記者会見の代わりに位置づけている。発売の3日後に30万部、5日後に20万部を増刷して100万部に達した。10万部を著者名を伏せて出したのでは材料にならない、というのが部数を先に決めた理由である。見城社長は後にこの部数を「危険でも何でもない部数だった」と述べ、実売率は93％だったと説明している。部数は売れ行きの結果ではなく、売るための材料として先に置かれた。返品率が40％台の業界で9割を超える実売率を出した以上、その置き方は当たった。",
          "references": [],
          "quotes": [
            {
              "speaker": "見城 徹",
              "role": "幻冬舎社長",
              "date": "2003-05-31",
              "text": "僕はあえて「作品」と言わず「商品」と言っているんです。商品を売るということは特権意識があったらできないと思います。ビジネスは経常利益から何から全部比べられるのだから、全く同じです。シャンプーを売るのと本を売るのと全く変わらないと思います。\nスーパーの商品と本は同等であるべきです。今、コンビニエンスストアにある文庫なり雑誌がパンやおにぎりと勝負しないかぎりは、ビジネスとしては成り立たない。",
              "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
              "paragraph": 1
            }
          ],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "出版界の返品率は大体四十数％、セブン-イレブンの弁当は1％の返品率という対比が対談で提示された",
                "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "見城徹氏は「携帯のメールをするよりも、コンピュータゲームをするよりも、ロックコンサートに行くよりも面白い活字さえ出せば売れる」「うちから見ると必死の企業努力さえすれば、出版不況、活字離れというのはない」と述べた",
                "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "『ダディ』は初版50万部で始め、3日後に30万部、5日後に20万部を増刷して100万部。実売率は93％",
                "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "見城徹氏は「五〇万部というのは僕の計算どおりで、危険でも何でもない部数だった」「一〇万部を名前を伏せてやったのでは、まだセンセーショナルじゃない」と述べた",
                "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "コミックス進出と、社員四十四人が上げた損益",
          "text": "2001年10月に株式会社幻冬舎コミックスを設立し、同年12月に同社が株式会社ソニー・マガジンズから雑誌の商標権を譲り受けてコミックス事業へ進出した。自前で雑誌を育てるのではなく、既存の雑誌ブランドを買って参入した。単行本・文庫に続く三つ目の柱で、以後コミックスは幻冬舎の主要な事業の一つとして続いた。創刊号から読者を集める手間を省く入り方である。設立から商標権の譲受までは2か月しかなく、コミックス事業への進出は会社を作る前から決まっていた。幻冬舎コミックスは本体に吸収されず、別法人のまま残った。\n\nこの時点の損益は、少人数で高い利益を出す構造をすでに示している。2002年3月期の連結売上高は72億6400万円、経常利益は14億5400万円で、売上高経常利益率は20％に達した。連結従業員数は44名にすぎず、1人あたりの売上高は1億6000万円を超える。翌2003年3月期には売上高84億9400万円、経常利益24億1400万円と、利益率はさらに上がった。ただし2004年3月期は売上高101億6000万円へ伸びた一方、13億2900万円の特別損失を計上し、当期純利益は1億3600万円まで落ちた。前期の12億5100万円に対して1割強にすぎない。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "2001年10月に株式会社幻冬舎コミックスを設立、同年12月に株式会社ソニー・マガジンズより雑誌の商標権を譲受けコミックス事業に進出",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "現在のグループ会社に幻冬舎コミックスが含まれる",
                "source": "幻冬舎 公式サイト「会社概要」",
                "url": "https://www.gentosha.co.jp/company/info/",
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "2004年3月期の連結売上高10,160百万円、経常利益1,887百万円、特別損失1,329百万円、当期純利益136百万円（前期は当期純利益1,251百万円）。2009年6月提出の訂正有価証券報告書による訂正後の値",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "2002年3月期の連結売上高7,264百万円、経常利益1,454百万円、連結従業員数44名",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "2003年3月期の連結売上高8,494百万円、経常利益2,414百万円",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ]
          ]
        }
      ]
    },
    {
      "start_year": 2003,
      "end_year": 2009,
      "main_title": "株式を公開した出版社が、買収と新分野で出版の外側を試した七年",
      "subsections": [
        {
          "title": "店頭登録が経営に持ち込んだ二つの規律",
          "text": "2003年1月、幻冬舎は日本証券業協会に株式を店頭登録した。2004年12月には店頭登録を取り消し、ジャスダック証券取引所へ上場している。見城社長は公開の理由を二つ挙げた。経営内容を外部へ開示すること、そして他業種との提携や買収を進めるうえで株価という尺度を持つことである。出版社は、資金の使途と利益の関係を説明しにくい。その説明を引き受ける側に自ら回った。見城社長は自分の経営を市場がどう評価するかに関心を置き、初値をとりわけ重く見たとも述べている。編集者の判断の集積である会社に、市場がいくらの値を付けるかを確かめる場として公開を捉えていた。\n\nもっとも、公開の対価が何であるかを見城社長は当初から理解していた。上場を「目標ではなくて始まり」と呼び、同時に「地獄への道行だ」とも述べている。株式市場は四半期ごとに数字を求めるが、編集者の判断がその周期に合うとは限らない。この見立ては7年後に現実になる。2010年の幻冬舎株は1株純資産の半値で推移し、見城社長はその評価そのものを非公開化の根拠に挙げた。公開の意義として挙げた開示と株価のうち、先に反転したのは後者だった。開示を引き受ける覚悟はあっても、開示した内容にどんな値が付くかは会社の側で決められない。",
          "references": [],
          "quotes": [
            {
              "speaker": "見城 徹",
              "role": "幻冬舎社長",
              "date": "2003-05-31",
              "text": "当たり前のことですが、上場というのは経営内容を公開するということだと僕は思っている。出版社というのは、このカネがどこに生きて、どういう利益を上げたかを説明しにくい世界じゃないですか。だからすごく難しい。だけど、経営内容を公開しないかぎり、僕の考えている企業の成長はありえないと思ったんですね。\nもう一つは、活字から発生する新しいビジネスモデルの構築を手掛けたい。あらゆる業種のあらゆる企業とのアライアンスやＭ＆Ａの実施など積極的な経営を展開するうえで上場して株価をつける意味は大きい。",
              "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
              "paragraph": 1
            }
          ],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "2003年1月に日本証券業協会に株式を店頭登録、2004年12月に店頭登録を取消しジャスダック証券取引所に株式を上場",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "見城徹氏は上場の理由として経営内容の公開と、アライアンスやM&Aを進めるうえでの株価の意味を挙げた",
                "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "見城徹氏は「僕の自意識の問題ですが、自分のやってきた経営に対してマーケットがどういう評価をするか。だから初値が重要でした」と述べた",
                "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "見城徹氏は上場について「上場は目標ではなくて始まり。ただ、地獄への道行だなとは思いました」と述べた",
                "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "幻冬舎の一株純資産は37万円弱（2010年6月末）で、株価はその半分程度で推移していた",
                "source": "週刊東洋経済 2010年11月13日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "三社を買い、二年ですべて手放した多角化",
          "text": "公開の年に、幻冬舎は買収へ動いた。2003年9月にウィッシュインターナショナル、10月にアンファー、11月に株式会社ホロンを相次いで子会社化している。2005年2月には子会社の幻冬舎ルネッサンスと株式会社ライブドアが共同出資で株式会社ライブドアパブリッシングを設立した。出資比率は幻冬舎ルネッサンス49％、ライブドア51％で、幻冬舎は過半を持たない側に立っている。3社の子会社化はいずれも2003年秋の3か月間に集中している。店頭登録から1年も経っていない。公開で得た信用と株価は、まず他社を買う方向へ使われた。\n\n買った会社は、そのまま手元に残らなかった。ウィッシュインターナショナルは2004年12月、アンファーは2005年2月、ホロンは2005年6月に株式を譲渡している。ライブドアパブリッシングの持分も2006年8月に売却した。買収から売却まで、いずれも2年に満たない。2005年3月期に24億1100万円あった有利子負債は、翌2006年3月期には9600万円まで減り、2007年3月期にはゼロになった。買収資金として抱えた借入と社債を、短期間で消している。有価証券報告書のセグメント区分にも、この出入りが残った。2005年3月期は書籍・コミックス・英語関連・ソフトウェア・その他の5区分で開示していたが、翌2006年3月期には英語関連とソフトウェアが消え、3区分に戻っている。\n\n連結の範囲が縮んだ結果、2006年3月期の売上高は109億4700万円と前期比で7.9％減った。会社四季報はこの期を「ソフト子会社など連結除外で減収」と記している。ただし営業利益は21億7300万円から23億4800万円へ増え、減収増益で着地した。買収した事業は利益率で本体に及ばなかった。借入と社債で買った3社は、2年で手元から消えている。同じ時期、書籍はヒット作の小粒化と返品率の上昇に苦しみ、伸びたのはコミックスと企業出版物だった。本体の書籍が頭打ちに近づいている兆候は、この時点で外部からも見えていた。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "2003年9月にウィッシュインターナショナル株式会社、10月にアンファー株式会社、11月に株式会社ホロンを子会社化",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "2005年2月、株式会社幻冬舎ルネッサンスと株式会社ライブドアが共同出資（幻冬舎ルネッサンス49％、ライブドア51％）により株式会社ライブドアパブリッシングを設立",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "ウィッシュインターナショナル株式会社の株式を2004年12月、アンファー株式会社を2005年2月、株式会社ホロンを2005年6月に譲渡。株式会社ライブドアパブリッシングの株式は2006年8月に売却",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "事業の種類別セグメントは2005年3月期が書籍・コミックス・英語関連・ソフトウェア・その他の5区分、2006年3月期は書籍・コミックス・その他の3区分",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "連結有利子負債は2005年3月期2,411百万円（うち社債1,840百万円）、2006年3月期96百万円、2007年3月期0",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "2006年3月期の連結売上高10,947百万円（前期11,888百万円）、営業利益2,348百万円（前期2,173百万円）。いずれも2009年6月提出の訂正有価証券報告書による訂正後の値",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "会社四季報の記載「ソフト子会社など連結除外で減収。書籍はヒット作品が小粒で返品率も上昇だが、コミックスや企業出版物が拡大」",
                "source": "週刊東洋経済 2005年12月10日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "自費出版・企業出版・新書という別の稼ぎ方",
          "text": "買収と並行して、幻冬舎は本の売り方そのものを増やした。2004年9月に自費出版を手掛ける株式会社幻冬舎ルネッサンスを、2005年6月には企業のブランディング書籍を出す株式会社幻冬舎メディアコンサルティングを設立している。いずれも読者に本を買ってもらう商売ではなく、著者や企業から制作費を受け取る商売にあたる。市場が縮む書籍販売とは、収益の出方が異なり、返品という出版固有の負担も生じない。両事業はやがて独立のセグメントに育つ。企業出版は2007年3月期にコーポレート・コミュニケーション事業として、自費出版は2009年3月期に個人出版事業として、それぞれ区分して開示されるようになった。\n\nこの判断は、5年後の損益に表れている。2010年3月期のコーポレート・コミュニケーション事業は売上高9億5900万円に対し営業利益3億5100万円で、利益率は36.6％に達した。同じ期の書籍事業は売上高93億600万円・営業利益11億1800万円、利益率12.0％である。売上規模では書籍の10分の1にすぎない事業が、利益率では3倍だった。コミックス事業は売上高20億7000万円に対して営業利益1億5900万円で7.7％、個人出版事業は売上高4億6000万円・営業利益4900万円で10.7％である。読者に本を売る書籍とコミックスが7〜12％に収まり、著者から制作費を受け取る自費出版も10％台にとどまるなかで、企業から制作費を受け取る事業だけが突出した。\n\n本体の側では、2006年2月に男性向けライフスタイル誌『GOETHE』を創刊し、同年11月に新書17作品を出して新書分野へ参入した。見城社長によれば、新書はカバーデザインが要らず紙代や印刷コストも安い。談話を四、五時間収録すれば1週間後には入稿でき、うまくいかなければすぐ撤退すればよいとも述べている。同じ時期に決断した『GOETHE』の創刊がゼロ号直前まで何度も断念されたのとは、判断の重さが違っていた。参入は当たった。翌2007年2月の時点で『インテリジェンス 武器なき戦争』が20万部を超え、幻冬舎新書の重版率は5割を上回っている。2006年の新書販売は前年を上回り、書籍市場全体を前年比1.4％増へ押し上げた。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "2004年9月に株式会社幻冬舎ルネッサンスを設立、2005年6月に株式会社幻冬舎メディアコンサルティングと株式会社幻冬舎エムディーを設立",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "セグメント区分は2007年3月期にコーポレート・コミュニケーション事業を、2009年3月期に個人出版事業をそれぞれ分離掲記",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "2010年3月期のセグメント別で、コーポレート・コミュニケーション事業は売上959百万円・営業利益351百万円、書籍事業は売上9,306百万円・営業利益1,118百万円、コミックス事業は売上2,070百万円・営業利益159百万円、個人出版事業は売上460百万円・営業利益49百万円",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "幻冬舎の見城徹社長は「最初から大成功です」と述べ、昨年11月発売の『インテリジェンス 武器なき戦争』が早くも20万部を突破、重版率は5割を超えた。2006年の新書販売は前年を上回り、これが書籍市場全体を前年比1.4％増へと押し上げた（出版科学研究所調べ）",
                "source": "週刊東洋経済 2007年2月24日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "2006年11月、新書17作品を皮切りに新書分野に参入",
                "source": "有価証券報告書【沿革】",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "2006年2月に月刊誌『ゲーテ』（男性向けライフスタイル誌）を創刊。ゼロ号を出す直前まで行って断念したことが何度もあったと見城徹氏が述べている。新書はカバーデザインもいらず紙代や印刷コストも安く、うまくいかなければすぐ撤退すればよいと語った",
                "source": "週刊東洋経済 2006年8月12日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ]
          ]
        }
      ]
    },
    {
      "start_year": 2010,
      "end_year": 2026,
      "main_title": "解散価値を下回る価格で市場から降り、非公開の出版社へ戻るまで",
      "subsections": [
        {
          "title": "一株純資産を四割下回る買付価格の提示",
          "text": "公開後の利益は伸びなかった。連結経常利益は2003年3月期に24億1400万円、2006年3月期に24億1500万円と、3年かけて同じ水準へ戻ったにすぎない。以後は2007年3月期17億7700万円、2009年3月期15億2200万円へ下がった。2007年3月期から2009年3月期にかけては特別損失が3億2300万円から3億7800万円の範囲で毎期発生し、当期純利益を圧迫している。売上高は2010年3月期に131億6800万円と過去最高を更新したものの、利益は2006年3月期の水準に戻らなかった。同じ4年間に連結従業員数は82名から126名へ、販売費及び一般管理費は22億9900万円から30億300万円へ増えている。扱う分野と人を増やしながら、利益の絶対額は公開直後の水準を下回ったままだった。\n\n2010年10月、見城社長が代表を務める特別目的会社TKホールディングスが、幻冬舎株式に対する公開買付けを発表した。買付価格は1株22万円で、前日終値を51％上回った。買収総額は60億円強で、成立すれば見城社長が全株を持つ計画だった。発表時点の幻冬舎は無借金で、2010年3月期末の自己資本比率は64.9％、連結売上高は131億6800万円と過去最高を更新している。当期純利益も9億3400万円まで戻していた。業績が悪化した企業の救済ではない。発表を聞いたある大手出版社の社長は、それだけ出版の収益構造が厳しいということだと受け止めた。\n\n非公開化の理由は二つあった。市場が付けた評価と、上場を保つ費用である。2010年6月末の1株当たり純資産は37万円弱で、株価はその半分程度で推移していた。この株価水準を、見城社長は資産が食い潰されるという市場の判断だと受け止めた。上場を保つ費用は年間1億円に上る一方、無借金の会社に資本市場から資金を調達する必要はない。久保田貴幸取締役は当時、「出版の枠にとらわれたくない。出版社の進化形を目指す」と述べている。見城社長が非上場化を具体的に検討し始めたのは2010年8月ごろで、電子書籍が普及すれば出版流通そのものが変わるという見通しも重なっていた。",
          "references": [],
          "quotes": [
            {
              "speaker": "見城 徹",
              "role": "幻冬舎社長",
              "date": "2010-11-13",
              "text": "業績がいいうちに決断しなければ、金融機関も助けてくれない。",
              "source": "週刊東洋経済 2010年11月13日号",
              "paragraph": 2
            }
          ],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "連結従業員数は2006年3月期82名、2010年3月期126名。販売費及び一般管理費は2006年3月期2,299百万円、2010年3月期3,003百万円",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "連結経常利益は2006年3月期2,415百万円、2007年3月期1,777百万円、2009年3月期1,522百万円。特別損失は2007年3月期359百万円、2008年3月期378百万円、2009年3月期323百万円",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "2010年3月期の連結売上高13,168百万円で、開示期間中の最高額",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "「それだけ出版のビジネスモデルが厳しいということだ」。幻冬舎のMBO発表を聞いて、ある大手出版社社長はつぶやいた",
                "source": "週刊東洋経済 2010年11月13日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "見城徹・幻冬舎社長が代表を務める特別目的会社が幻冬舎に対しTOBを実施。買収総額は60億円強で、ジャスダック上場は2011年3月にも廃止され、見城氏が全株を持つ計画",
                "source": "週刊東洋経済 2010年11月13日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "公開買付価格は当初22万円で、前日終値に51％のプレミアムを付けた水準",
                "source": "週刊東洋経済 2011年2月19日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "有利子負債はゼロで、自己資本比率は64.9％に上る（2010年3月末）",
                "source": "週刊東洋経済 2010年11月13日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "見城氏が幻冬舎の非上場化を具体的に考え始めたのは2010年8月ごろ。今後、電子書籍が普及すれば、出版流通が大変革する流れも避けられないとされた",
                "source": "週刊東洋経済 2010年11月13日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "幻冬舎の一株純資産は37万円弱（10年6月末）で、株価はその半分程度で推移していた。上場維持の負担感は年間1億円",
                "source": "週刊東洋経済 2010年11月13日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "久保田貴幸取締役の発言「出版の枠にとらわれたくない。出版社の進化形を目指す。他社が感じている以上にウチの危機感は強い」",
                "source": "週刊東洋経済 2010年11月13日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "ファンドの介入と、議決権をめぐる決着",
          "text": "買付価格が1株純資産を4割下回ったため、既存株主から強い反発が出た。2010年12月、イザベル・リミテッドと名乗るファンドが幻冬舎株の30.6％を取得し、年末までに3分の1超を保有するに至る。TKホールディングス側は買付価格を1株24万8300円へ引き上げたが、取得できたのは58.2％にとどまった。株価は一時35万円と買付価格を大きく上回り、市場は経営陣の提示額を認めなかった。買付価格が対象会社の1株純資産を下回るTOBは、2010年だけで23件ある。幻冬舎の案件はその一つにすぎないが、無借金・増収の会社が、当初は解散価値の6割にあたる価格を示した点で目立った。\n\n決着は株式の実質ではなく、議決権の形式でついた。イザベルは信用取引で株を買っており、現物株を引き取れない。貸し手である立花証券が名義上の株主として浮上した。2011年2月15日の臨時株主総会で立花証券は議決権を行使せず、MBOに関する議案は可決されている。2011年3月、幻冬舎は大阪証券取引所における株式の上場を廃止する。株式公開から8年、ジャスダック上場から6年での退場となった。証券会社と一体になれば信用取引でも議決権を行使できるという論点は残り、争点はイザベルが立花証券を訴えるかどうかへ移った。3分の2の賛成を自力で集められないまま、制度の隙間で決着した非公開化である。\n\n解散価値を下回る価格での買い取りは、上場時に高い価格で株を引き受けた投資家の負担で経営の自由を買う。東京証券取引所の斎藤惇社長（当時）は同じ時期、高値で株主に買ってもらいながら、株主が面倒だという理由で上場をやめるのは投資家を愚弄する行為だと述べている。ただし幻冬舎の側から見れば、1株純資産の半値という株価もまた市場が付けた評価であり、経営陣はその評価に沿って値を決めた。同じ2011年2月には、カルチュア・コンビニエンス・クラブも増田宗昭社長によるMBOを発表し、買付価格の妥当性をめぐって同じ批判を受けた。買付価格をめぐる対立は、出版という事業の価値を誰がどう測るかという問題に帰着した。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "TOB価格が対象会社のBPSを下回ったケースは、2010年だけで23件ある",
                "source": "週刊東洋経済 2011年2月12日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "2010年3月期の連結売上高13,168百万円・当期純利益934百万円",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "イザベルは12月初旬に幻冬舎株の30.6％を取得し、年末までに3分の1超を保有。TKHDもTOB価格を引き上げたが58.2％しか取得できなかった。株価は一時35万円という高値をつけた",
                "source": "週刊東洋経済 2011年2月12日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "幻冬舎経営陣は買付価格を24万8300円まで引き上げた",
                "source": "週刊東洋経済 2011年2月19日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "幻冬舎は、イザベルの信用取引の相手であった立花証券が株主総会を棄権したことで、見城徹社長のMBOが成立した",
                "source": "週刊東洋経済 2011年3月19日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "2011年3月、MBOが成立したことにより、株式会社大阪証券取引所における株式の上場を廃止",
                "source": "幻冬舎 公式サイト「沿革」",
                "url": "https://www.gentosha.co.jp/company/history/",
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "証券会社と一体化すれば信用取引で議決権を行使できるという大きな問題を含む。今後はイザベルが立花証券を訴えるかどうかに焦点が移って行くだろうとされた",
                "source": "週刊東洋経済 2011年3月19日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "2011年2月3日、カルチュア・コンビニエンス・クラブが増田宗昭社長によるMBOを発表。買付価格600円は会社側のDCF法による下限779円を下回った",
                "source": "週刊東洋経済 2011年3月19日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "東証の斎藤社長の発言「MBOの買い入れ価格が上場初値を上回ったケースはほとんどない。高値で株主に買ってもらったのに、株主はうるさい、面倒くさいからといって上場をやめるのは、投資家を愚弄している。資本主義のシステムの信頼性も毀損する行為だ」",
                "source": "週刊東洋経済 2011年3月5日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "TOB価格が1株当たり純資産（BPS）37万円を下回る22万円だったため、既存株主から強い不満の声が出た",
                "source": "週刊東洋経済 2011年2月12日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ]
          ]
        },
        {
          "title": "市場を離れた出版社が引き受けた新しい論点",
          "text": "非公開化の後も、幻冬舎は見城社長のもとで出版を続けている。2012年4月に株式会社幻冬舎総合財産コンサルティングを設立し、2015年1月には株式会社幻冬舎エデュケーションを吸収合併した。現在のグループには幻冬舎コミックス、幻冬舎メディアコンサルティング、幻冬舎ゴールドオンライン、幻冬舎アセットマネジメントが並ぶ。上場期の後半に始めた企業出版が、非公開後のグループの骨格に残った。電子書籍への対応も進めており、2013年にはKDDIの電子書籍ストア「ブックパス」で人気作家の作品を独占配信している。非上場化の理由に挙げた流通の変化に、上場時より速く意思決定して応じた。\n\n開示の義務から離れたことの意味は、別のところで問われた。2019年5月、見城社長が自社から刊行した作家の著作について実売部数を投稿し、批判を受けて幻冬舎が謝罪した。同社は「実売部数という出版社内で留めておくべき内部情報を、見城が独断で公にしてしまったことに対して弁解の余地はありません」と表明している。部数を売り方の中心に据えた会社が、その部数の扱いで出版社としての信用を損ねた。上場していた8年は、外へ出す数字を有価証券報告書の様式が決めていた。非公開の会社では、何をいつ出すかを経営者個人が決める。\n\n上場していた8年は、幻冬舎の歴史のなかで唯一、外から数字で測られた期間にあたる。その間に売上高は84億円から131億円へ、連結従業員数は41名から126名へ増えた。同時に、市場は同社の株式に解散価値の半分しか値を付けなかった。平均年間給与は2010年3月期で832万3000円だった。人に払い、人が当てる商売である以上、貸借対照表に載る資産は薄くなる。編集者の目利きを資産として評価する物差しを、資本市場は最後まで持たなかった。非公開に戻った幻冬舎は、その物差しから降りた場所で15年を過ごしている。",
          "references": [],
          "factBasis": [
            [
              {
                "fact": "KDDIと幻冬舎は、KDDIの電子書籍ストア「ブックパス」で三崎亜記氏の最新作の独占配信を開始した",
                "source": "週刊東洋経済 2013年10月26日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "2012年4月に株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング設立、2015年1月に株式会社幻冬舎エデュケーションを吸収合併",
                "source": "幻冬舎 公式サイト「沿革」",
                "url": "https://www.gentosha.co.jp/company/history/",
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "グループ会社は幻冬舎コミックス、幻冬舎メディアコンサルティング、幻冬舎ゴールドオンライン、幻冬舎アセットマネジメント、GPR。代表者は見城徹、資本金1億円、本社は東京都渋谷区千駄ケ谷四丁目9番7号",
                "source": "幻冬舎 公式サイト「会社概要」",
                "url": "https://www.gentosha.co.jp/company/info/",
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "2019年5月16日、見城徹社長が津原泰水氏の著書『ヒッキーヒッキーシェイク』の実売部数を投稿。幻冬舎は5月23日に公式サイトで謝罪し、「実売部数という出版社内で留めておくべき内部情報を、見城が独断で公にしてしまったことに対して弁解の余地はありません」と表明した",
                "source": "ITmedia ねとらぼ 2019年5月23日「幻冬舎、社長の部数公表ツイートを謝罪」",
                "url": "https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1905/23/news115.html",
                "genbun": ""
              }
            ],
            [
              {
                "fact": "連結売上高は2003年3月期8,494百万円から2010年3月期13,168百万円へ増加。連結従業員数は2003年3月期41名から2010年3月期126名へ増加",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "提出会社の平均年間給与は2010年3月期で8,323千円",
                "source": "有価証券報告書",
                "url": null,
                "genbun": ""
              },
              {
                "fact": "2010年6月末の1株当たり純資産は37万円弱で、株価はその半分程度で推移していた",
                "source": "週刊東洋経済 2010年11月13日号",
                "url": null,
                "genbun": ""
              }
            ]
          ]
        }
      ]
    }
  ],
  "summary": {
    "title": "サマリー",
    "text": "",
    "qa": [
      {
        "q": "なぜ1993年に角川書店の編集者六人が独立し、幻冬舎は創業直後からミリオンセラーを出せたのか",
        "a": "1993年、角川春樹社長（当時）をめぐる一連の事件が角川書店を揺らし、見城徹氏ほか5名が退社した。出版で価値を生むのは編集者と作家の個人的な関係であり、その関係は会社ではなく人に付く。『月刊カドカワ』編集長として五木寛之氏や村上龍氏と築いた縁も、見城氏とともに新会社へ移った。同年11月、東京都新宿区三栄町に資本金1000万円で幻冬舎を設立し、翌年3月に単行本6作品で書籍事業へ参入している。創業からの9年間で7本のミリオンセラーを出した。",
        "factBasis": [
          {
            "fact": "93年、角川春樹・角川書店社長（当時）の一連の事件を機に「脱藩」した数人の編集者が創業した",
            "source": "週刊東洋経済 1998年7月4日号",
            "url": null,
            "genbun": "1993年、角川春樹社長（当時）をめぐる一連の事件が角川書店を揺らし、見城徹氏ほか5名が退社した。"
          },
          {
            "fact": "見城徹氏は元「月刊カドカワ」の敏腕編集長で、五木寛之氏や村上龍氏など著名作家に懇意",
            "source": "週刊東洋経済 1998年7月4日号",
            "url": null,
            "genbun": "『月刊カドカワ』編集長として五木寛之氏や村上龍氏と築いた縁も、見城氏とともに新会社へ移った。"
          },
          {
            "fact": "1993年11月に東京都新宿区三栄町18番7号で資本金10百万円にて設立。1994年3月に単行本6作品を皮切りに書籍事業へ参入",
            "source": "有価証券報告書【沿革】",
            "url": null,
            "genbun": "同年11月、東京都新宿区三栄町に資本金1000万円で幻冬舎を設立し、翌年3月に単行本6作品で書籍事業へ参入している。"
          },
          {
            "fact": "2003年時点で創業からの9年に7本のミリオンセラーを出した",
            "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
            "url": null,
            "genbun": "創業からの9年間で7本のミリオンセラーを出した。"
          }
        ]
      },
      {
        "q": "なぜ2003年に株式を公開し、その直後の買収をわずか二年で手放したのか",
        "a": "見城徹社長は経営内容を外へ開示しないかぎり会社は成長しないと考え、他業種との提携や買収を進めるには株価という尺度が要ると判断した。2003年1月に日本証券業協会へ株式を店頭登録し、2004年12月にジャスダック証券取引所へ上場している。公開の年には3社を相次いで子会社化したが、いずれも2年以内に株式を譲渡した。買収した事業は本体ほどの利益率を持たず、連結から外した期はかえって営業利益が増えている。見城社長は当初から上場を「目標ではなくて始まり」と呼び、同時に「地獄への道行」とも述べていた。",
        "factBasis": [
          {
            "fact": "見城徹氏は上場の理由として「経営内容を公開しないかぎり、僕の考えている企業の成長はありえない」ことと、アライアンスやM&Aを進めるうえで株価を付ける意味を挙げた",
            "source": "週刊東洋経済 2003年5月31日号",
            "url": null,
            "genbun": "見城徹社長は経営内容を外へ開示しないかぎり会社は成長しないと考え、他業種との提携や買収を進めるには株価という尺度が要ると判断した。"
          },
          {
            "fact": "2003年1月に日本証券業協会に株式を店頭登録、2004年12月に店頭登録を取消しジャスダック証券取引所に株式を上場",
            "source": "有価証券報告書【沿革】",
            "url": null,
            "genbun": "2003年1月に日本証券業協会へ株式を店頭登録し、2004年12月にジャスダック証券取引所へ上場している。"
          },
          {
            "fact": "2003年9〜11月にウィッシュインターナショナル・アンファー・ホロンを子会社化し、2004年12月〜2005年6月に3社とも株式を譲渡した",
            "source": "有価証券報告書【沿革】",
            "url": null,
            "genbun": "公開の年には3社を相次いで子会社化したが、いずれも2年以内に株式を譲渡した。"
          },
          {
            "fact": "子会社の連結除外により2006年3月期は減収となったが、営業利益は2,173百万円から2,348百万円へ増加した（訂正有価証券報告書による訂正後の値）",
            "source": "有価証券報告書",
            "url": null,
            "genbun": "買収した事業は本体ほどの利益率を持たず、連結から外した期はかえって営業利益が増えている。"
          }
        ]
      },
      {
        "q": "なぜ2010年に無借金で増収の会社が、解散価値を下回る価格で市場から降りたのか",
        "a": "市場は幻冬舎株に1株純資産の半値しか付けず、出版事業が資産を減らすと評価していた。無借金の会社に資本市場から調達する必要はなく、年1億円の上場維持費だけが残る。2010年10月、見城徹社長が代表を務める特別目的会社が1株22万円で公開買付けを発表した。解散価値を4割下回る価格に既存株主が反発し、ファンドの介入で価格は24万8300円まで引き上げられている。貸株を出していた証券会社が臨時株主総会で議決権を行使せず、議案は可決された。幻冬舎は2011年3月に上場を廃止した。",
        "factBasis": [
          {
            "fact": "幻冬舎の一株純資産は37万円弱（2010年6月末）で株価はその半分程度。上場維持の負担感は年間1億円で、有利子負債はゼロ、自己資本比率は64.9％",
            "source": "週刊東洋経済 2010年11月13日号",
            "url": null,
            "genbun": "市場は幻冬舎株に1株純資産の半値しか付けず、出版事業が資産を減らすと評価していた。"
          },
          {
            "fact": "見城徹社長が代表を務める特別目的会社TKホールディングスが2010年10月に1株22万円で公開買付けを発表。買収総額は60億円強",
            "source": "週刊東洋経済 2010年11月13日号",
            "url": null,
            "genbun": "2010年10月、見城徹社長が代表を務める特別目的会社が1株22万円で公開買付けを発表した。"
          },
          {
            "fact": "イザベル・リミテッドが株式の30.6％を取得し3分の1超を保有。TKホールディングスは買付価格を24万8300円へ引き上げたが58.2％しか取得できなかった",
            "source": "週刊東洋経済 2011年2月12日号",
            "url": null,
            "genbun": "解散価値を4割下回る価格に既存株主が反発し、ファンドの介入で価格は24万8300円まで引き上げられている。"
          },
          {
            "fact": "イザベルの信用取引の相手であった立花証券が株主総会を棄権したことでMBOが成立し、2011年3月に大阪証券取引所における株式の上場を廃止した",
            "source": "週刊東洋経済 2011年3月19日号",
            "url": null,
            "genbun": "貸株を出していた証券会社が臨時株主総会で議決権を行使せず、議案は可決された。"
          }
        ]
      }
    ]
  }
}
