全国保証 の歴史

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創業 1981年
創業者 石川英治
創業地 東京都千代田区
創業
1981年2月、東京都千代田区大手町で資本金5,000万円の全国保証が信用保証を目的に設立された。同年4月に厚生年金転貸住宅融資の保証業務を始め、公的融資制度の保証を事業の起点に据えている。当時の住宅取得資金は住宅金融公庫と住宅供給公社の公的融資が中核で、民間金融機関の住宅ローンはまだ補完的な位置にあった。1986年3月に大阪、1987年4月に横浜、1995年8月に札幌へ事務所を置き、1994年12月には住宅供給公社の保証へ対象を広げた。ただし当時の信用保証会社の多くは銀行や信販会社の系列にあり、親会社を持たない出発は、提携先の金融機関を一件ずつ開拓しなければならない条件でもあった。
決断
制度が縮むたびに、保証する債務の出所を移し替えてきた。住宅金融公庫が融資のシェアを縮め、銀行が住宅ローンの審査を外部へ出し始めた1990年代後半に、1997年7月に民間金融機関の住宅ローン保証へ参入した。保証債務残高は1998年5月に1兆円、2007年3月に5兆円、2016年3月に10兆円へ伸び、公的保証の専業から民間住宅ローン保証の専業へ主力が入れ替わった。商品の側も2001年1月の教育ローン保証、2014年4月のカードローン保証と足しており、2012年12月には東京証券取引所市場第一部へ直接上場している。保証は保証する側の信用が商品の品質を決めるため、上場と安定配当そのものが提携先を開拓する条件になった。
現況
売上のおよそ8割が、そのまま経常利益として残る。2026年3月期の連結売上高は587億円、経常利益466億円、親会社株主に帰属する当期純利益325億円で、経常利益率は79%にあたる。保証料は契約時と期中に受け取り、費用は代位弁済に伴う与信費用と本部の人件費にほぼ限られるため、保証債務残高が積み上がるほど高い利益率のまま残高だけが伸びる。残高は2021年9月に15兆円を超え、2025年3月期時点で約16兆円の水準にある。2022年4月には東証プライム市場へ移行し、2023年4月に創業以来初めての本格的な代表交代として青木裕一氏が社長に就任した。
競合
保証会社の多くは親銀行の住宅ローンを引き受けるが、この会社には親銀行がない。系列の保証会社は提携先が実質的に一行へ限られる一方、全国保証は地方銀行・第二地方銀行・信用金庫・労働金庫と並列で契約を結べる。銀行系では三井住友トラストグループが2024年11月に三井住友トラスト・ローン&ファイナンスの株式85%を約547億円で譲渡しており、保証子会社を抱え続けない選択も出ている。カードローン保証ではアコムが2013年に設立したエム・ユー信用保証と競合し、2026年3月期の同社の信用保証事業は売上高810億円・利益223億円に達した。人口減少とネット銀行の価格競争で新規の住宅ローンが細るなか、2018年12月以降は地方金融機関系の信用保証会社を相次いで取得し、営業だけでは届かない提携網を取得で補っている。
全国保証:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2009年3月期2026年3月期

創業ストーリー 信用保証専業会社としての創業と公的保証から民間住宅ローン保証への展開 (1981年〜)

厚生年金転貸住宅融資保証からの起点

1981年2月、東京都千代田区大手町で全国保証株式会社が信用保証事業を目的として設立された(資本金50百万円)。[1]1980年代初頭の日本では、住宅金融公庫・住宅供給公社の公的融資制度が住宅取得資金の中核を担い、民間金融機関の住宅ローン市場はまだ補完的位置づけにとどまっていた。同年4月、厚生年金転貸住宅融資の保証業務を開始し[2]、公的融資制度の保証を本業の起点に据えた。創業から10年余は公的保証中心の事業構造で、1986年3月に大阪事務所(現大阪支店)、[3]1987年4月に横浜事務所(現横浜支店)、[4]1995年8月に札幌事務所(現札幌支店)と[5]、地方拠点を整備しながら全国展開の基盤を作った。

  • 全国保証 有価証券報告書【沿革】
    • [1]1981年2月 東京都千代田区大手町に信用保証事業を目的として全国保証株式会社を設立(資本金50百万円)
    • [2]1981年4月 厚生年金転貸住宅融資の保証業務を開始
    • [3]1986年3月 大阪事務所(現大阪支店)開設
    • [4]1987年4月 横浜事務所(現横浜支店)開設
    • [5]1995年8月 札幌事務所(現札幌支店)開設

1994年12月、住宅供給公社の保証業務を開始し[6]、公的保証の対象を厚生年金住宅融資から住宅供給公社系へ広げた。1997年7月、民間金融機関の住宅ローン保証業務を開始[7]した。これが20年以上にわたる主力事業の起点であり、当時の日本では金融機関の住宅ローン審査機能を外部化する動きが始まった時期にあたる。1998年5月には保証債務残高1兆円を達成し[8]、信用保証専業会社としての規模の節目を迎えた。住宅金融公庫の融資シェア縮小と民間金融機関の住宅ローン拡大という金融構造の変化が、全国保証の事業機会の拡大に直結する関係構造が、1990年代後半に確立された。

  • 全国保証 有価証券報告書【沿革】
    • [6]1994年12月 住宅供給公社の保証業務を開始
    • [7]1997年7月 民間金融機関の住宅ローン保証業務を開始(主力事業の起点)
    • [8]1998年5月 保証債務残高1兆円を達成
  • 全国保証 有価証券報告書【沿革】
    • [1]1981年2月 東京都千代田区大手町に信用保証事業を目的として全国保証株式会社を設立(資本金50百万円)
    • [2]1981年4月 厚生年金転貸住宅融資の保証業務を開始
    • [3]1986年3月 大阪事務所(現大阪支店)開設
    • [4]1987年4月 横浜事務所(現横浜支店)開設
    • [5]1995年8月 札幌事務所(現札幌支店)開設
    • [6]1994年12月 住宅供給公社の保証業務を開始
    • [7]1997年7月 民間金融機関の住宅ローン保証業務を開始(主力事業の起点)
    • [8]1998年5月 保証債務残高1兆円を達成

主力商品「住まいる いちばん」と全国営業網の拡張

2001年1月には民間金融機関の教育ローン保証業務を開始[9]、2002年4月には主力保証商品『住まいる いちばん』の取扱いを開始[10]した。同年4月に名古屋支店・仙台支店[11]、同年5月に新潟営業所、2003年1月に広島支店[12]、同年4月に金沢営業所(現金沢支店)、[13]2005年5月に宮崎営業所と[14]、全国主要都市への営業拠点展開が継続した[15]。2005年7月に『住まいる いちばん プラス』を発売し[16]、保証商品ラインを拡張した。2007年3月には保証債務残高5兆円を達成し[17]、創業26年で事業規模を5倍に拡大した。同年4月には本店営業部と本社審査部の一部業務統合により本店を開設し[18]、組織体制も整えた。

  • 全国保証 有価証券報告書【沿革】
    • [9]2001年1月 民間金融機関の教育ローン保証業務を開始
    • [10]2002年4月 主力保証商品「住まいる いちばん」の取扱いを開始
    • [11]2002年4月 名古屋支店・仙台支店開設
    • [12]2002年5月 新潟営業所開設
    • [13]2003年4月 金沢営業所(現金沢支店)開設
    • [14]2005年5月 宮崎営業所開設
    • [15]2003年1月 広島支店開設
    • [16]2005年7月 「住まいる いちばん プラス」を発売
    • [17]2007年3月 保証債務残高5兆円を達成
    • [18]2007年4月 本店営業部と本社審査部の一部業務統合により本店を開設

民間金融機関の住宅ローン保証市場では、メガバンク系・地銀系の保証会社(三菱UFJ住宅保証・りそな信用保証・三井住友トラスト・ローン&ファイナンス等)と、独立系の全国保証・全国ハウジングサービス・住宅金融保証等が競合していた。全国保証は独立系の強みとして、特定の金融機関に縛られない中立的位置づけで、地銀・第二地銀・信用金庫・労働金庫など複数の金融機関と保証契約を結ぶ営業戦略を採用した。2010年4月の株式会社全国ビジネスパートナー設立[19](金融機関向け事務代行)と並走し、保証業務の標準化と業務効率化を行った。

  • 全国保証 有価証券報告書【沿革】
    • [19]2010年4月 株式会社全国ビジネスパートナーを設立(金融機関向け事務代行)
  • 全国保証 有価証券報告書【沿革】
    • [9]2001年1月 民間金融機関の教育ローン保証業務を開始
    • [10]2002年4月 主力保証商品「住まいる いちばん」の取扱いを開始
    • [11]2002年4月 名古屋支店・仙台支店開設
    • [12]2002年5月 新潟営業所開設
    • [13]2003年4月 金沢営業所(現金沢支店)開設
    • [14]2005年5月 宮崎営業所開設
    • [15]2003年1月 広島支店開設
    • [16]2005年7月 「住まいる いちばん プラス」を発売
    • [17]2007年3月 保証債務残高5兆円を達成
    • [18]2007年4月 本店営業部と本社審査部の一部業務統合により本店を開設
    • [19]2010年4月 株式会社全国ビジネスパートナーを設立(金融機関向け事務代行)

2012年東証一部直接上場と保証事業の成長

2012年12月、東京証券取引所市場第一部に株式を上場[20]した。新規上場でいきなり東証一部直接上場という形態は、保証事業の収益性と資本基盤の安定性が評価された結果である。上場時の営業収益(単体)はFY11(2012年3月期)211億円・経常利益50億円・純利益29億円水準で、上場後の事業拡張のスピードを高めるための資本調達と知名度向上が狙いだった。

  • 全国保証 有価証券報告書【沿革】
    • [20]2012年12月 東京証券取引所市場第一部に株式を上場(東証一部直接上場)

2014年4月には民間金融機関のカードローン保証業務を開始し[21]、住宅ローン中心の保証商品にカードローン領域を加える事業拡張を開始した。同年9月には『住まいる いちばんネクストⅤ』を発売し[22]、保証商品ラインを更新した。2015年4月に高松営業所を開設[23]、2016年3月には保証債務残高10兆円を達成し[24]、創業35年で事業規模をさらに2倍に拡大した。営業収益(単体)はFY11の211億円からFY16(2017年3月期)359億円へ5年で1.7倍に拡大、経常利益(単体)はFY11の50億円からFY16の290億円へ約5.8倍に拡大し、住宅ローン保証専業会社としての高収益体質を整えた。

  • 全国保証 有価証券報告書【沿革】
    • [21]2014年4月 民間金融機関のカードローン保証業務を開始
    • [22]2014年9月 「住まいる いちばんネクストⅤ」を発売
    • [23]2015年4月 高松営業所開設
    • [24]2016年3月 保証債務残高10兆円を達成
  • 全国保証 有価証券報告書【沿革】
    • [20]2012年12月 東京証券取引所市場第一部に株式を上場(東証一部直接上場)
    • [21]2014年4月 民間金融機関のカードローン保証業務を開始
    • [22]2014年9月 「住まいる いちばんネクストⅤ」を発売
    • [23]2015年4月 高松営業所開設
    • [24]2016年3月 保証債務残高10兆円を達成

信用保証グループ拡大と保証債務残高15兆円達成

2018年12月、YUTORI債権回収を子会社化[25](現あけぼの債権回収)し、債権回収事業に参入した。保証会社は代位弁済後の求償権回収を本業内で行う構造を持つが、専門子会社で債権回収機能を外出しすることで、本体の保証事業の収益管理と債権管理を分離する組織構造へ移行した。2020年2月には東和信用保証を子会社化[26](現みのり信用保証)、2021年3月には筑波信用保証を子会社化し[27]、地方信用保証会社の連続買収を開始した。2021年9月には保証債務残高15兆円を達成し[28]、創業40年で事業規模を3倍に拡大した。営業収益(単体)はFY16の359億円からFY21(2022年3月期)488億円へ5年で1.4倍に拡大、経常利益(単体)はFY16の290億円からFY21の406億円へ約1.4倍に拡大した。

  • 全国保証 有価証券報告書【沿革】
    • [25]2018年12月 YUTORI債権回収を子会社化(現あけぼの債権回収)し債権回収事業に参入
    • [26]2020年2月 東和信用保証を子会社化(現みのり信用保証)
    • [27]2021年3月 筑波信用保証を子会社化
    • [28]2021年9月 保証債務残高15兆円を達成

地方信用保証会社の連続買収戦略は、地銀・第二地銀との保証契約パイプの確保と、地方住宅ローン市場での保証シェア拡大を同時に狙う事業拡張である。地方信用保証会社は地元金融機関との独占的または優先的保証契約を持つことが多く、買収による営業権の取得が直接的な収益寄与をもたらす構造である。一方、地方住宅ローン市場の縮小(人口減少と若年層の都市集中)と、メガバンクのフラット35シェア拡大は、地方信用保証会社の長期的な事業継続性に逆風となる構造でもあった。

  • 全国保証 有価証券報告書【沿革】
    • [25]2018年12月 YUTORI債権回収を子会社化(現あけぼの債権回収)し債権回収事業に参入
    • [26]2020年2月 東和信用保証を子会社化(現みのり信用保証)
    • [27]2021年3月 筑波信用保証を子会社化
    • [28]2021年9月 保証債務残高15兆円を達成

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全国保証の沿革1981〜2025年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1981〜2011年信用保証専業会社としての創業と公的保証から民間住宅ローン保証への展開全国保証設立
厚生年金転貸住宅融資の保証業務開始★★
大阪事務所開設
横浜事務所開設
住宅供給公社の保証業務開始
札幌事務所開設
民間金融機関の住宅ローン保証への参入と、公的融資保証からの主力転換

1997年7月、全国保証が民間金融機関の住宅ローン保証業務を開始した経営判断。1981年の設立から16年、厚生年金転貸住宅融資や住宅供給公社といった公的融資制度に付随する保証を業務の中心としてきた会社が、競争のある民間住宅ローンの保証へ主力を移した。

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★★★
保証債務残高1兆円達成
福岡営業所開設
民間金融機関の教育ローン保証業務開始
商品「住まいる いちばん」の取扱い開始★★
「住まいる いちばん プラス」の取扱い開始
石川英治保証債務残高5兆円達成
石川英治本店営業部と本社審査部の一部業務統合し本店を開設
2012〜2021年東証一部直接上場と保証債務残高15兆円達成石川英治東京証券取引所市場第一部への新規上場と公募増資の実施

2012年12月19日、全国保証が東京証券取引所市場第一部へ新規上場した経営判断。二部を経ない直接上場で、上場前日には公募増資735万株を実施し、翌2013年1月のオーバーアロットメントに伴う第三者割当と合わせて80億8,000万円を調達した。

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★★★
石川英治民間金融機関のカードローン保証業務開始★★
石川英治「住まいる いちばんネクストⅤ」の取扱い開始
石川英治保証債務残高10兆円達成
石川英治YUTORI債権回収を子会社化★★
石川英治地方金融機関系の信用保証会社の連続取得によるグループ化

2020年2月、全国保証が東和銀行から東和信用保証の全株式を取得して子会社化し、以後2026年まで地方金融機関系の信用保証会社を相次いで傘下に収めた経営判断。未提携の金融機関を一つずつ開拓する自前の営業に、保証契約を抱えた会社ごと取得する方法を並べた。

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★★★
石川英治保証債務残高15兆円達成
2022〜2025年プライム市場移行と地方信用保証会社の連続買収石川英治四国総合信用と資本業務提携契約を締結
青木裕一三重総合信用を子会社化★★
出典・参考
  • 全国保証 有価証券報告書【沿革】
  • 全国保証 有価証券報告書【役員の状況】

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