めぶきフィナンシャルグループの直近の業績・経営課題と展望

めぶきフィナンシャルグループの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望

2025/3売上高3,602億円YoY+16.2%
2025/3売上総利益828億円YoY+31.3%
2025/3販売費及び一般管理費1,100億円YoY+2.2%
2025/3営業利益828億円YoY+31.3%
2025/3経常利益828億円YoY+31.3%
2025/3親会社株主に帰属する当期純利益582億円YoY+34.3%
2025/3自己資本比率4.5%
2020/3有利子負債合計50億円
2025/3現金同等物期末残高32,116億円YoY▲27.4%
経営トップ秋野哲也取締役社長
2025/3従業員数5,828前年比▲27人
2025/3平均給与1,203万円前年比+1万円
歴史的背景1895年創業の足利銀行が2003年11月の預金保険機構による国有化処分を経て、2008年に株式会社足利HDとして民間譲渡された経緯がめぶきFGの起点。2013年12月の東証一部直接上場、2015年11月の常陽銀行との経営統合基本合意書締結、2016年10月の株式交換による経営統合で、栃木・茨城・群馬・埼玉・福島南部の北関東広域を地盤とする広域地銀HDが発足した。
経営課題地盤の北関東地域は人口減少と若年層の都市集中による長期的経済縮小局面にあり、本業の地方銀行業務(預金・融資)の規模拡大が構造的に難しい。長期金利の緩やかな上昇による預貸利ザヤの改善は短期的にプラスだが、地方経済全体の規模縮小トレンドそのものは反転の兆しを見せていない。機能子会社(リース・証券・信用保証・カード)の収益貢献拡大が当面の収益基盤補完手段となる。
経営方針秋野哲也社長(FY21〜現任)は、足利銀行と常陽銀行の2行併存型グループの統合深化、機能子会社の収益貢献拡大、地域商社・地方創生ファンドへの事業領域拡張の3面で経営を進める。常陽系3代連続の代表取締役社長と足利系副社長2名(松下正直・清水和幸)による役員配置は、2016年経営統合から9年経過しても旧2行プロパー系が社内執行の中核を担う構造を維持する。
主な投資2020年10月のめぶき信用保証(旧足利信用保証)完全子会社化、2021年4月のめぶきカード設立(常陽クレジット・あしぎんカード合併)、2023年4月の常陽信用保証取得(めぶき信用保証を完全親会社とする株式交換)が直近の主な機能子会社再編。経営統合後7年で機能子会社の段階的統合がほぼ完了する形となった。地域商社・地方創生ファンドへの追加投資も並行して進める。

機能子会社統合の完成と次代の事業領域拡張への模索

2016年10月の経営統合から9年経過し、傘下機能子会社の段階的統合はほぼ完了する局面に到達した。2017年4月のめぶきリース(旧常陽リース)完全子会社化、同年10月のめぶき証券(旧常陽証券)完全子会社化、2020年10月のめぶき信用保証(旧足利信用保証)完全子会社化、2021年4月のめぶきカード設立(常陽クレジット・あしぎんカード合併)、2023年4月の常陽信用保証取得とめぶき信用保証を完全親会社とする株式交換と、ほぼ年1〜2件のペースで機能子会社の再編が継続した。経営統合直後の「持株会社+傘下2銀行+各行の機能子会社」型から、「持株会社+傘下2銀行+グループ統合の機能子会社」型へ、9年かけて事業構造が組み替えられた。

連結業績はFY21(2022年3月期)以降、長期金利の緩やかな上昇と地域経済の部分的回復で再び拡大局面に入った。連結営業収益はFY21の2,681億円からFY24(2025年3月期)の3,602億円へ34%増加、連結経常利益はFY21の650億円からFY24の828億円へ27%増加、親会社株主帰属純利益はFY21の430億円からFY24の582億円へ35%増加と、3年で大幅増益を続けた。地方銀行HDとしては国内有数の高収益体質を維持する一方、地盤の北関東地域の人口減少トレンドが本業の長期的成長制約となる構造は変わっていない。

地方銀行業界では、2010年代半ば以降、広域連合による規模拡大とコスト合理化が経営課題への定型的対応パターンとなった。第四北越FG(2018年)・関西みらいFG(2019年・りそなHD傘下)・ふくおかFG・コンコルディアFG(横浜銀行+東日本銀行)等の地銀HDが相次いで発足し、めぶきFGもその系列に位置づけられる。一方、2010年代後半以降、各地銀HDは規模拡大だけでは構造的な収益圧迫を抜けられないという認識を共有し、事業領域拡張(地域商社・地方創生ファンド・コンサルティング・M&A仲介・地方創生交付金関連事業等)への進出を本格化させている。めぶきFGも地域商社・地方創生ファンド事業への取り組みを進めているが、これらの事業領域は本業の地方銀行業務に対する規模感が小さく、本業の規模縮小を埋め合わせる収益基盤としての貢献度は限定的にとどまっている。

次代の経営者継承では、2016年経営統合の社内記憶を持つ世代から、統合後入行世代への引き渡しが視野に入る局面となる。常陽系3代連続の代表取締役社長(寺門一義→笹島律夫→秋野哲也)が示してきた経営継承パターンが、足利銀行プロパー系への移行を含む形で次世代にどう続くかが、めぶきFGの中期的なガバナンス論点となる。1895年創業の足利銀行と1935年創業の常陽銀行という、それぞれ130年・90年の歴史を持つ2銀行を、広域地銀HDとして次代へどう渡すかが、地方銀行業界の人口減少局面における構造的経営論点として、現在進行形で続いている。

めぶきフィナンシャルグループの業績推移直近10ヵ年・有価証券報告書をもとに作成(XBRLよりデータ取得)

項目単位FY152016/3連結 / JGAAPFY162017/3連結 / JGAAPFY172018/3連結 / JGAAPFY182019/3連結 / JGAAPFY192020/3連結 / JGAAPFY202021/3連結 / JGAAPFY212022/3連結 / JGAAPFY222023/3連結 / JGAAPFY232024/3連結 / JGAAPFY242025/3連結 / JGAAP
損益計算書 (PL)
売上高YoY億円1,025+5.9%2,133+108.1%2,624+23.0%2,881+9.8%2,827−1.9%2,747−2.8%2,681−2.4%3,295+22.9%3,101−5.9%3,602+16.2%
売上原価億円7211,6101,9892,1862,2962,2062,0312,8282,4702,774
売上総利益億円304523635695532541650466630828
販管費億円5559811,2041,1961,1961,1581,1461,0701,0761,100
営業利益YoY億円304+44.1%523+72.1%635+21.6%695+9.5%532−23.5%541+1.7%650+20.1%466−28.3%630+35.2%828+31.3%
経常利益YoY億円304+44.1%523+72.1%635+21.6%695+9.5%532−23.5%541+1.7%650+20.1%466−28.3%630+35.2%828+31.3%
当期純利益YoY億円225+31.5%1,585+605.8%431−72.8%463+7.6%364−21.5%365+0.3%430+17.8%322−25.1%434+34.8%582+34.3%
貸借対照表 (BS)
自己資本比率%5.05.45.35.35.04.44.04.24.54.5
有利子負債比率%0.00.00.00.0
キャッシュフロー (CF)
営業CF億円1,7944,9924,122613,56146,61412,321-33,681-252-9,814
投資CF億円-937-1,247-727-2,1151,761-1,124-3,5859,224-3,237-1,956
財務CF億円-133-217-141-549-501-426-318-167-320-330
従業員
連結従業員数2,8986,6036,6666,6476,5566,3736,2215,9715,8555,828
単体従業員数15171715181816141313
平均年収(単体)万円1,0721,1571,1041,4901,2351,2021,203

IR資料直近5ヵ年

決算説明会資料

FY報告資料の種別見所リンク調査時点のURLのため、現在は有効ではない可能性があります
FY25決算説明会2025年3月期通期決算。常陽銀行・足利銀行2行体制下の地域金融機能強化と、価値創造グループ構想下のデジタル戦略・地域経済活性化施策の進捗。
FY24決算説明会2024年3月期通期決算。中期経営計画進捗、地域金融グループとしての価値創造戦略の具体化、IT人材育成(IT Passport取得率)の進捗を整理。
FY23決算説明会2023年3月期通期決算。秋野社長体制1年目の通期業績、価値創造グループ構想と地域経済活性化・気候変動対応・デジタル推進を3本柱として整理。
FY21決算説明会2021年3月期通期決算。コロナ禍下の地域金融支援、企業向け融資残高拡大と地銀統合シナジー効果の進捗を提示。
FY19決算説明会2019年3月期通期決算。常陽銀行・足利銀行統合シナジー進捗、コア業務純益の改善と中期経営計画の進捗を整理。

アニュアルレポート / 統合報告書

FY報告資料の種別見所リンク調査時点のURLのため、現在は有効ではない可能性があります
FY26統合報告書2025年3月期版。地域金融グループとしての価値創造戦略、人材育成(IT Passport取得推進)、地域経済活性化への深掘り。
FY25統合報告書2024年3月期版。中期経営計画の進捗、デジタル戦略、価値創造グループ構想下の重点施策を整理。
FY24統合報告書2023年3月期版。秋野社長体制下の長期ビジョン「ともに歩み、地域とともに〜価値創造グループ〜」の具体化を提示。
FY23統合報告書2022年3月期版。常陽・足利統合5周年期、地域貢献活動と中期経営計画の達成状況を整理。
FY22統合報告書2021年3月期版。コロナ禍対応と地域金融機能の強化、ポストコロナ戦略を提示。

参考文献・出所

めぶきフィナンシャルグループ有価証券報告書
めぶきフィナンシャルグループ決算短信
足利銀行有価証券報告書
常陽銀行有価証券報告書