しずおかフィナンシャルグループの直近の業績・経営課題と展望

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しずおかフィナンシャルグループの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望

2025/3売上高3,413億円YoY▲1.5%
2025/3売上総利益1,021億円YoY▲0.1%
2025/3販売費及び一般管理費971億円YoY+0.7%
2025/3営業利益1,021億円YoY▲0.1%
2025/3経常利益1,021億円YoY▲0.1%
2025/3親会社株主に帰属する当期純利益746億円YoY+29.2%
2025/3自己資本比率7.4%
2025/3有利子負債合計30億円前年比▲1,000億円
2025/3現金同等物期末残高8,792億円YoY▲38.1%
経営トップ柴田久代表取締役社長
2025/3従業員数4,134前年比+133人
2025/3平均給与1,053万円前年比▲213万円
歴史的背景1943年、戦時金融統制下の一県一行主義で静岡三十五銀行と遠州銀行が合併し静岡銀行が発足、東海道ベルト地帯の製造業・自動車・観光の産業基盤を取り込み、バブル崩壊後も公的資金注入を受けず自力で不良債権処理を完遂した地銀上位行。2022年10月に持株会社化してしずおかフィナンシャルグループ(しずおかFG)となった
経営課題2025年3月期の連結売上3,412億円・経常利益1,020億円・親会社株主帰属純利益746億円。しずおかFG発足後3期で純利益523億円→746億円と約42%伸びたが、梅原弘充CFOは金利ボーナスによる成長率は鈍化していくと述べており、金利剥落後の収益軸を別に立てる必要がある
経営方針2025年6月の中計見直しで柴田久社長はROE目標を8.5%に置き、M&Aロングリストの検討に着手。金融に偏らないM&Aの方針と、配当性向50%以上への累進的引き上げ(2027年度目標)を打ち出した
主な投資2024年9月に新コア預金内部モデル(平均満期6.4年)を導入、2025年5月には全国地銀が加わる「バランスシート・マネジメント・コンソーシアム」を設立。政策投資株式は年間150〜200億円規模で縮減を続け、売却益を配当原資と成長投資原資の双方に充てている

金利ボーナス剥落と持株会社・広域連携への移行

1943年3月、戦時金融統制下の一県一行主義で静岡三十五銀行と遠州銀行が合併し静岡銀行が発足、東海道ベルト地帯の産業基盤に根を張り、預金量・貸出金とも全国地銀上位を80年余維持した。バブル崩壊後の不良債権処理期にも公的資金注入を受けず自力で処理を完遂し、国内地銀屈指の格付けを保つ。ただし2016年のマイナス金利導入で預貸金中心の収益モデルが圧迫され、銀行単独では預貸金収益の落ち込みを補えなかった。2025年3月期の連結純利益746億円は4年で約42%伸びたが、梅原弘充CFOが金利ボーナスによる成長率は鈍化すると説明している通り、金利剥落後の成長軸はしずおかFG経営陣の宿題として残っている。

柴田久社長は2017年6月の頭取就任後、2022年10月に静岡銀行を持株会社しずおかFGへ移行させ、銀行業以外の業務を子会社で持てる体制にした。発足初年度2023年3月期(FY23)は経常収益2,873億円・純利益523億円で立ち上がり、2024年3月期(FY24)に経常利益1,022億円と1,000億円台へ乗せ、中計目標の連結経常利益1,000億円を早期に達成した。2025年6月の中計見直しでROE目標を8.5%へ置き、配当性向50%以上への累進的引き上げ(2027年度目標)とCET1比率13%を安定経営の目線として明示。柴田社長は金融に偏らないM&Aの検討方針を示し、インオーガニック成長へ向けたロングリストの検討着手を公表した。

資本配分は次の3点に置く。第一に2024年9月の新コア預金内部モデル(平均満期6.4年)導入、2025年5月の「バランスシート・マネジメント・コンソーシアム」設立で、コア預金分析の業界横断の枠組みを主導する。第二に広域アライアンスの拡張で、2020年4月開始の山梨中央銀行との静岡・山梨アライアンスは5年で2行合算137億円(目標100億円)を上回り、2025年6月に八十二銀行を加えた「富士山・アルプスアライアンス」へ拡げ、3行合算200億円の収益効果を5年目標に置いた。第三に政策投資株式の年間150〜200億円規模の縮減で、売却益を配当原資と成長投資の双方に充てる方針へ切り替えた。

しずおかFGの直近3年は、戦時統制下で得た静岡の地盤と高格付けという80年積んだ資産を、持株会社と広域連携で収益源として使い直す段階にある。2025年3月期純利益746億円の相当部分が政策金利上昇に連動するため、剥落後の利益はM&A・非金融・広域連携の3領域でどこまで埋められるかにかかる。貸出金約10兆円・預金約12兆円の地銀上位行で預金金利追随率(普通預金40%・調達50%)を経営指標に据える運営は、金利低下局面では利鞘を守るが、上がりきった後の利益は構造的に薄くなる。一県一行主義で生まれた地銀が、連邦型グループとして次のROE10%台を取りに行く段階に入った。

しずおかフィナンシャルグループの業績推移直近10ヵ年・有価証券報告書をもとに作成(XBRLよりデータ取得)

項目単位FY981999/3連結 / JGAAPFY992000/3連結 / JGAAPFY002001/3連結 / JGAAPFY012002/3連結 / JGAAPFY022003/3連結 / JGAAPFY032004/3連結 / JGAAPFY042005/3連結 / JGAAPFY222023/3連結 / JGAAPFY232024/3連結 / JGAAPFY242025/3連結 / JGAAP
損益計算書 (PL)
売上高YoY億円2,792−8.2%2,613−6.4%2,911+11.4%2,246−22.8%1,880−16.3%1,807−3.9%1,840+1.8%2,8743,465+20.6%3,413−1.5%
銀行業億円2,4252,9522,947
リース業億円351324325
売上原価億円2,1342,4432,392
売上総利益億円7401,0221,021
販管費億円959965971
営業利益YoY億円7401,022+38.2%1,021−0.1%
銀行業億円705896950
リース業億円161717
経常利益YoY億円324−20.2%422+30.2%299−29.1%124−58.5%222+79.0%471+112.2%510+8.3%7401,022+38.2%1,021−0.1%
当期純利益YoY億円165+0.6%263+59.4%185−29.7%75−59.5%127+69.3%270+112.6%355+31.5%524578+10.2%746+29.2%
貸借対照表 (BS)
自己資本比率%7.37.57.4
有利子負債比率%0.30.00.0
キャッシュフロー (CF)
営業CF億円-7251,701-5,210
投資CF億円-4,268-2,935165
財務CF億円-619-248-368
従業員
連結従業員数3,9454,0014,134
単体従業員数111421
平均年収(単体)万円1,2661,2651,053

IR資料直近5ヵ年

決算説明会資料

年度経営の振り返り報告資料
FY25経常収益3,412億円・経常利益1,020億円・純利益746億円。新コア預金内部モデル(平均満期6.4年)導入と政策投資株式縮減(150〜200億円計画)。「金利のある世界」を前提としたALM運営の高度化を業界で主導。

2024年度 決算の概要(2025/05)

https://www.shizuoka-fg.co.jp/pdf/ir/2025/2025_4Q_summary.pdf
FY24しずおかFG発足後2期目。連結経常利益1,000億円中計目標を視野、金利上昇環境下の利鞘改善と政策保有株式縮減を継続。

2023年度 決算の概要(2024/05)

https://www.shizuoka-fg.co.jp/pdf/ir/2024/2024_4Q_summary.pdf
FY23柴田久体制初の通期決算。2022年10月の持株会社化後の地銀連邦型グループ運営、貸出金10兆円・預金12兆円基盤の中期方針を整理。

2022年度 決算の概要(2023/05)

https://www.shizuoka-fg.co.jp/pdf/ir/2023/2022_kessan.pdf

ファクトシート

年度経営の振り返り報告資料
FY25データ編。財務指標・貸出金・預金等の定量データを集約。特記すべき構造的トピックなし。

データ編(2025/05)

https://www.shizuoka-fg.co.jp/pdf/ir/2025/2025_data_4Q.pdf
FY24データ編。財務・運用データを集約。特記すべき構造的トピックなし。

データ編(2024/05)

https://www.shizuoka-fg.co.jp/pdf/ir/2024/2024_data_4Q.pdf
FY23データ編。財務指標を集約。特記すべき構造的トピックなし。

データ編(2023/05)

https://www.shizuoka-fg.co.jp/pdf/ir/2023/202305_data_ja.pdf

アニュアルレポート / 統合報告書

年度経営の振り返り報告資料
FY26中計見直し(2025年6月)でROE目標8.5%、インオーガニック成長M&Aロングリスト検討着手を明示。CET1比率13%安定経営目線、配当性向50%以上累進的引き上げ(2027年度目標)、広域アライアンス・非金融・M&Aの3軸成長を提示。

統合報告書2025

https://www.shizuoka-fg.co.jp/pdf/ir/2025/shizuokafg_tougoureport_2025.pdf
FY25「金利のある世界」を前提としたALM運営の高度化と、バランスシート・マネジメント・コンソーシアム設立(2025年5月)を中核に整理。

統合報告書2024

https://www.shizuoka-fg.co.jp/pdf/ir/2024/shizuokafg_tougoureport_2024.pdf
FY24しずおかFG発足後2期目。連結経常利益1,000億円中計目標と政策保有株式縮減方針を整理。

統合報告書2023

https://www.shizuoka-fg.co.jp/pdf/ir/2023/shizuokafg_tougoureport_2023.pdf
FY23柴田久体制初の統合報告書。持株会社化後の地銀連邦型グループ運営の中期方針を整理。

統合報告書2022(一括版)

https://www.shizuoka-fg.co.jp/pdf/ir/discro_tougou_2022.pdf
FY22持株会社化(2022年10月)準備期。中野隆夫CEO最終統合報告書、柴田への社長交代と新体制方針を提示。

統合報告書2021(一括版)

https://www.shizuoka-fg.co.jp/pdf/ir/2021/discro_tougou_2021.pdf

参考文献・出所

有価証券報告書
決算説明会 FY2024
銀行員ドットコム
タナベコンサルティング TCG REVIEW
日経MM 2021/12/14
Japan Innovation Review 2024/06/12
決算説明会 FY2025
財界オンライン 2023/02/07
Japan Innovation Review 2024/06/19
決算説明会 FY2025-2Q
決算説明会 FY2025-3Q
決算説明会 FY2026-3Q