三井住友フィナンシャルグループの直近の業績・経営課題と展望

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三井住友フィナンシャルグループの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望

2025/3売上高101,749億円YoY+8.8%
2025/3売上総利益17,195億円YoY+17.3%
2025/3販売費及び一般管理費24,020億円YoY+6.7%
2025/3営業利益17,195億円YoY+17.3%
2025/3経常利益17,195億円YoY+17.3%
2025/3親会社株主に帰属する当期純利益11,780億円YoY+22.3%
2025/3自己資本比率4.8%YoY▲0.2pt
2025/3有利子負債合計133,524億円前年比+232,118億円
2025/3現金同等物期末残高661,877億円YoY▲0.3%
経営トップ中島達執行役社長
2025/3従業員数122,978前年比+2,605人
2025/3平均給与1,134万円前年比+39万円
歴史的背景1670年の住友家「泉屋」両替商を起点に、1895年11月に住友銀行が開業、1916年9月のサンフランシスコ支店開設で住友銀行は他財閥系都銀に先行して海外進出した。2001年4月のさくら銀行との合併、2002年12月の持株会社三井住友FG発足を経て、国内2位メガバンクへ到達した。
経営課題2025年3月期(2024年度)は経常利益1兆7195億円・純利益1兆1780億円で過去最高を更新した。一方で、貸出金利差に依存した商業銀行業務から投資銀行・ソリューション業務へ稼ぎ頭を移す作業は途上にある。欧米メガバンクのROTE10%台半ばに並ぶには、貸出スプレッド以外の手数料収益をどこまで積み上げられるかが残された宿題となる。
経営方針2019年就任の太田純社長は「別に銀行である必要はない」(Sustainable Brands 2020/9/10)と脱金融路線を掲げた。2023年12月就任の中島達社長は2028年度ROE10%・2030年頃ROE11%・ボトムライン利益2兆円を長期目標に据え、欧米メガバンクのROTE10%台半ばに並ぶことを正面から目標に置いた。
主な投資政策保有株式は5年6000億円・単年1200億円ペースで削減し、2024年度は売却益4000億円超・自己株取得2500億円を実行した。2025年にはインドYES Bank出資(PBR1.4倍)と米Air Lease Corporation買収を発表し、並行して欧州プロジェクトファイナンスと米国貨車リース事業を売却した。

太田純社長から中島達社長へ継承された「脱金融」路線と政策保有株6000億円削減の最終段階

1670年に住友家「泉屋」両替商として始まった金融業の系譜は、別子銅山の自己資本を背景に1895年11月の住友銀行開業へ結実した。1916年9月のサンフランシスコ支店開設で、住友銀行は他財閥系都銀に先行して海外へ進出した。戦後は1948年に大阪銀行へ一時改称した後、1977年に安宅産業向け1132億円、1995年にイトマン関連8000億円超の不良債権を、他都銀より先に償却した。2001年4月にさくら銀行と合併、2002年12月に三井住友FGが発足し、国内2位メガバンクへ到達した。残された課題は、貸出金利差に頼った収益構造を手数料・投資銀行業務へ移すことであった。

2019年4月、太田純氏が社長に就任し「別に銀行である必要はない」と脱金融路線を掲げた。2023年度には中期経営計画の最終年度目標を初年度で上回り、期中1000億円の上方修正後にさらに400億円超上振れて着地した。太田社長は2023年11月に急逝し、同年12月に中島達氏が社長を引き継いだ。中島社長就任後、2024年3月期の経常利益は1兆4661億円・純利益9629億円、2025年3月期には経常利益1兆7195億円・純利益1兆1780億円と過去最高を更新した。中島社長は2025年5月に2028年度ROE10%、2030年頃にROE11%・ボトムライン利益2兆円を長期目標として公表し、欧米メガバンクのROTE10%台半ばを目標に置いた。

政策保有株式削減は、メガバンク3社の中でも突出した規模で進めた。現中計3年間で簿価2000億円の削減計画を1年半で前倒し達成したのち、三井住友FGは次期中計を含む5年間で6000億円を単年度1200億円ペースで削減する方針を示し、2029年3月末には簿価ベースでSMBC設立当初比93%削減の見込みとした。2024年11月には通期政策保有株式売却益4000億円超、自己株取得通期2500億円という過去最大級の株主還元を表明した。並行して2025年にはインドYES Bank出資(PBR1.4倍)と米航空機リース大手Air Lease Corporationの買収を発表し、低採算の欧州プロジェクトファイナンスと米国貨車リース事業を売却し、その売却資金を成長投資に振り向けた。

太田社長が打ち出した脱金融路線と政策保有株削減を、中島社長が同じ路線で引き継ぎ、国内では金利上昇下の収益拡大、海外では成長投資とポートフォリオ入替を同時並行で進めている。商業銀行業務から投資銀行業務へ稼ぎ頭を移す実務に落とし込んでいる段階にある。三井住友FGの250年の通史は、別子銅山の自己資本に支えられた金融業の蓄積と、不良債権の先行処理に象徴される合理主義経営で連なってきた。商業銀行業務から投資銀行業務への稼ぎ方の書き換えは、住友家の堅実主義が築いた財務優位を、貸出金利差ではなく手数料収益市場での競争力へ移し替える、通史の延長線上にある経営作業である。

三井住友フィナンシャルグループの業績推移直近10ヵ年・有価証券報告書をもとに作成(XBRLよりデータ取得)

項目単位FY152016/3連結 / JGAAPFY162017/3連結 / JGAAPFY172018/3連結 / JGAAPFY182019/3連結 / JGAAPFY192020/3連結 / JGAAPFY202021/3連結 / JGAAPFY212022/3連結 / JGAAPFY222023/3連結 / JGAAPFY232024/3連結 / JGAAPFY242025/3連結 / JGAAP
損益計算書 (PL)
売上高YoY億円47,721−1.6%51,332+7.6%57,642+12.3%57,353−0.5%45,919−19.9%39,023−15.0%41,111+5.4%61,422+49.4%93,536+52.3%101,749+8.8%
売上原価億円37,86841,27446,00146,00036,59831,91330,70549,81278,87584,554
売上総利益億円9,85310,05911,64111,3539,3217,11010,40611,60914,66117,195
販管費億円17,24818,12418,16217,15117,39617,47118,21119,49222,50624,020
営業利益YoY億円9,853−25.4%10,059+2.1%11,641+15.7%11,353−2.5%9,321−17.9%7,110−23.7%10,406+46.4%11,609+11.6%14,661+26.3%17,195+17.3%
経常利益YoY億円9,853−25.4%10,059+2.1%11,641+15.7%11,353−2.5%9,321−17.9%7,110−23.7%10,406+46.4%11,609+11.6%14,661+26.3%17,195+17.3%
当期純利益YoY億円6,467−14.2%7,065+9.3%7,344+3.9%7,267−1.0%7,039−3.1%5,128−27.1%7,066+37.8%8,058+14.0%9,629+19.5%11,780+22.3%
貸借対照表 (BS)
自己資本比率%4.84.95.25.34.94.94.74.75.04.8
有利子負債比率%3.84.14.64.54.23.73.83.84.44.4
キャッシュフロー (CF)
営業CF億円-11,27345,14493,42845,96270,875187,96015,454-58,9526,42948,485
投資CF億円52,4105,813-33,95310,063-30,117-76,799-24,06859,311-9,189-45,129
財務CF億円-560-1,665-3,505-6,328-10,246-5,626-4,853-3,5782,807-4,801
従業員
連結従業員数73,65277,20572,97886,65986,44386,781101,023105,955120,373122,978
単体従業員数3464218419099941,0341,1301,2901,4141,545
平均年収(単体)万円1,2731,2511,1881,1551,1581,1421,0951,0871,0951,134

IR資料直近5ヵ年

決算説明会資料

年度経営の振り返り報告資料
FY25ベトナム「VPBank」「FE Credit」の減損▲1,350億円を計上、米国貨車リース事業売却損や「SMBCFS」との合併に係る抱合せ株式消滅差益も特殊要因。1,000億円の自己株式取得実施、24/10の株式分割(3分割)を遡求反映。累進的配当を継続し力強いEPS成長を強調。

通期決算説明会

https://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2025_3/2025_fy_setumei.pdf
FY24中期経営計画(2023-2025)2年目。「FE Credit」のれん減損▲460億円、米国貨車リース事業売却損計上などポートフォリオ整理。中計策定時より業務環境が好転しアップサイド追求が可能、政策保有株式の削減加速で売却益によるメリット享受を表明。

通期決算説明会

https://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2024_3/2024_fy_setumei.pdf
FY23中島体制初年度。新中期経営計画(2023-2025)の発表号。前中計(2020-2022)を総括し、政策保有株式売却益1,320億円を計上。「SMBCAC」のリース機体追加減損、SMBCの店舗減損▲300億円などポートフォリオ整理を継続。

通期決算説明会

https://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2023_3/2023_fy_setumei.pdf
FY22太田体制下、中期経営計画(2020-2022)2年目。SMBCAC「Goshawk社」買収(約15億米ドル)を発表しリース事業を強化、ロシア向けリース機材は買収対象から除外。SMBCACのリース機体減損▲470億円、政策保有株式売却益1,620億円(前年比+970億円)、9期連続増配で年間配当210円。

通期決算説明会

https://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2022_3/2022_fy_setumei.pdf
FY21

通期決算説明会

https://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2021_3/2021_fy_setumei.pdf

ファクトシート

年度経営の振り返り報告資料
FY25FY25通期の業績報告。特記すべき構造的トピックなし。

データブック

https://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2025_3/2025_fy_databook.pdf
FY24FY24通期の業績報告。特記すべき構造的トピックなし。

データブック

https://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2024_3/2024_fy_databook.pdf
FY23FY23通期の業績報告。特記すべき構造的トピックなし。

データブック

https://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2023_3/2023_fy_databook.pdf
FY22FY22通期の業績報告。特記すべき構造的トピックなし。

データブック

https://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2022_3/2022_fy_databook.pdf
FY21

データブック

https://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2021_3/2021_fy_databook.pdf

アニュアルレポート / 統合報告書

年度経営の振り返り報告資料
FY26「社会的価値の創造」を主題化したSMBCグループのVISION・FIVE VALUES再整理号。財務・非財務両面からの統合的情報開示を強化、政策保有株式・取締役会の構成・1株当たり配当金(株式分割反映)を整理。

統合報告書(SMBC Group Report 2025 発行2025/7)

https://www.smfg.co.jp/gr2025/pdf/2507_ird_00.pdf
FY25中期経営計画(2023-2025)2年目総括号。1990年代以降のSMFG設立・統合の歴史を「突き抜ける勇気」「Solidarity」の文脈で振り返り、Plan for Fulfilled Growthの進捗を整理。

統合報告書(SMBC Group Report 2024 発行2024/7)

https://www.smfg.co.jp/gr2024/pdf/2407_ird_00.pdf
FY24新中期経営計画(2023-2025)の発表号「Plan for Fulfilled Growth」。前中計(2020-2022)の成果と新中計の基本方針を整理、2014年マテリアリティの体系化と価値創造プロセスを再定義した。

統合報告書

https://www.smfg.co.jp/gr2023/pdf/2307_ird_00.pdf
FY23中島体制発足直前期の統合報告書。前中期経営計画(2020-2022)の総括、「Fullerton India」連結子会社化など海外領域での構造改革による持続的成長の実現を主題化、事業基盤強化の成果を整理。

統合報告書

https://www.smfg.co.jp/gr2022/pdf/2207_ird_00.pdf
FY22太田体制下、中期経営計画(2020-2022)初年度の統合報告書。Transformation・Growth・Quality を3軸に据えた新中計の進捗、「Fullerton India Credit」買収(インド・ノンバンク)を発表しアジアフランチャイズ拡大を加速。配当性向40%を中計最終年度目標に据え、政策保有株式は5年間で3,000億円削減目標を発表。

統合報告書

https://www.smfg.co.jp/gr2021/pdf/2107_ird_00.pdf

参考文献・出所

有価証券報告書
日本会社史総覧 1995/11/1
決算説明会 FY2024
読売新聞 2026/3/30
読売新聞 1971/8/24
日経ビジネス 1980/2/25
日経新聞 1987/11/21
PRESIDENT Online 2013/06/14
ダイヤモンド・オンライン 2022/3
決算説明会 FY2023
決算説明会 FY2024-2Q
Sustainable Brands Japan 2020/09/10
Sustainable Brands Japan
読売新聞