第5章 年〜年

三菱電機:「Changes for the Better」の制定とルネサス・TMEICの設立

2001年〜谷口一郎社長のChanges for the Betterと、野間口有社長が日立と設立したルネサス テクノロジ

業績回復を支えた携帯電話は、販売台数が2000年度の1850万台から2001年度に1050万台へ減った。2002年3月期の営業損益は、情報通信システム部門が902億円、電子デバイス部門が806億円の赤字だった。重電システム・産業メカトロニクス・家庭電器の3部門は、同じ期に332億〜466億円の営業黒字を確保した。三菱電機は2001年6月、コーポレートステートメント「Changes for the Better」を制定した。社長の谷口一郎氏は2001年9月19日の会見で、収益の振れを克服して継続的に成長する方針を示した。後任の社長となった野間口有氏は、収益の振れを抑える策を社内で『山と谷の小さな』という表現で議論してきたと振り返った。将来像を問われた三菱電機は、成長より収益の振れの小ささを軸に選んだのだろう。

  • 日経ビジネス 2003年2月10日号
    • [1]携帯電話の販売台数は2000年度1850万台、2001年度1050万台、2002年度は540万台の見通し
    • [2]2002年3月期の営業損益は情報通信システム▲902億円、電子デバイス▲806億円
    • [3]2002年3月期の営業利益は重電システム466億円、産業メカトロニクス332億円、家庭電器372億円
    • [5]2001年9月19日の記者会見で社長の谷口一郎が、高いボラティリティーを克服し継続的な成長をする経営戦略を示した
    • [6]現社長の野間口有は、社内で収益のブレを小さくする策を「山と谷の小さな」という表現で話し合ってきたと振り返る
  • 三菱電機 有価証券報告書(沿革)
    • [4]2001年6月にコーポレートステートメント「Changes for the Better」を制定

野間口有氏の体制は、収益の振れが大きい半導体と携帯電話の負担を、他社と分け合う方針を取った。汎用DRAMは2003年3月、NECと日立製作所の共同出資会社エルピーダメモリへ営業譲渡した。システムLSIなど残る半導体は、同年4月に日立製作所と共同出資で設立したルネサス テクノロジへ移した。取締役の佐藤行弘氏は、研究開発と設備投資のリスク負担を大幅に軽減できると説明した。携帯電話では北米の販売子会社を2002年3月に閉鎖し、東芝とは第3世代携帯電話の開発で提携した。2003年10月には、東芝との共同出資で東芝三菱電機産業システムを設立した。重電でも一社で投資を抱えるより、競合と規模を合わせる判断が働いたとみられる。

  • 日経ビジネス 2003年2月10日号
    • [7]収益がばらつく半導体と携帯電話の負担を軽減するため、半導体は日立と統合し、携帯電話は東芝と提携
    • [8]汎用DRAMは2003年3月にNECと日立製作所の共同出資会社エルピーダメモリへ営業譲渡して撤退
    • [10]取締役の佐藤行弘は、ルネサスへの集約で研究開発や設備投資のリスク負担を大幅に軽減できると説明
    • [11]北米の携帯電話販売子会社を2002年3月に閉鎖し、東芝とは第3世代携帯電話で提携して開発費の負担を減らす
  • 三菱電機 有価証券報告書(沿革)
    • [9]2003年4月に日立製作所とシステムLSI合弁のルネサス テクノロジを設立
    • [12]2003年10月に東芝三菱電機産業システムを設立

1990年代後半、総合電機各社はカンパニー制や持株会社、執行役員制の導入を競い、時価総額の増大を図った。三菱電機は成長を経営目標の軸に据えず、これらの導入を社内で議論すらしなかった。副社長の万波健彦氏は、持株会社では子会社が自社の都合を主張し、シナジーを引き出しにくいと異を唱えた。ただし2002年度中間期の負債資本倍率は2.81倍で、日立製作所の1.21倍、東芝の2.69倍より重かった。三菱電機は2003年6月に委員会等設置会社へ移り、監督を取締役会、執行を執行役に分けた。1997年度末に1兆7,694億円あった借入金は、2006年度末に6,411億円まで減った。組織の形で市場に訴えず、監督の仕組みと財務の改善で評価を得る方針だったと推察される。

  • 日経ビジネス 2003年2月10日号
    • [13]各社はカンパニー制・持ち株会社・執行役員制などの導入を競い、将来の成長を分かりやすくして時価総額の増大を図った
    • [14]三菱電機は成長を経営目標の軸に据えず、カンパニー制・分社化・執行役員制の導入を内部で話し合ったこともなかった(副社長 万波健彦)
    • [15]副社長の万波健彦は、持ち株会社は子会社が自社の都合を言い始めればシナジー効果を引き出しづらいと異を唱えた
    • [16]2002年度中間期のデットエクイティレシオは2.81倍、日立1.21倍、東芝2.69倍
  • 三菱電機 アニュアルレポート2007
    • [17]2003年6月に委員会等設置会社へ移行し、経営の監督は取締役会、執行は執行役が担う体制とした
    • [18]1997年度末に1兆7,694億円あった借入金は2006年度末に6,411億円、借入金比率は40.6%から18.6%へ
参考文献[1]-[18]
  • 日経ビジネス 2003年2月10日号
    • [1]携帯電話の販売台数は2000年度1850万台、2001年度1050万台、2002年度は540万台の見通し
    • [2]2002年3月期の営業損益は情報通信システム▲902億円、電子デバイス▲806億円
    • [3]2002年3月期の営業利益は重電システム466億円、産業メカトロニクス332億円、家庭電器372億円
    • [5]2001年9月19日の記者会見で社長の谷口一郎が、高いボラティリティーを克服し継続的な成長をする経営戦略を示した
    • [6]現社長の野間口有は、社内で収益のブレを小さくする策を「山と谷の小さな」という表現で話し合ってきたと振り返る
    • [7]収益がばらつく半導体と携帯電話の負担を軽減するため、半導体は日立と統合し、携帯電話は東芝と提携
    • [8]汎用DRAMは2003年3月にNECと日立製作所の共同出資会社エルピーダメモリへ営業譲渡して撤退
    • [10]取締役の佐藤行弘は、ルネサスへの集約で研究開発や設備投資のリスク負担を大幅に軽減できると説明
    • [11]北米の携帯電話販売子会社を2002年3月に閉鎖し、東芝とは第3世代携帯電話で提携して開発費の負担を減らす
    • [13]各社はカンパニー制・持ち株会社・執行役員制などの導入を競い、将来の成長を分かりやすくして時価総額の増大を図った
    • [14]三菱電機は成長を経営目標の軸に据えず、カンパニー制・分社化・執行役員制の導入を内部で話し合ったこともなかった(副社長 万波健彦)
    • [15]副社長の万波健彦は、持ち株会社は子会社が自社の都合を言い始めればシナジー効果を引き出しづらいと異を唱えた
    • [16]2002年度中間期のデットエクイティレシオは2.81倍、日立1.21倍、東芝2.69倍
  • 三菱電機 有価証券報告書(沿革)
    • [4]2001年6月にコーポレートステートメント「Changes for the Better」を制定
    • [9]2003年4月に日立製作所とシステムLSI合弁のルネサス テクノロジを設立
    • [12]2003年10月に東芝三菱電機産業システムを設立
  • 三菱電機 アニュアルレポート2007
    • [17]2003年6月に委員会等設置会社へ移行し、経営の監督は取締役会、執行は執行役が担う体制とした
    • [18]1997年度末に1兆7,694億円あった借入金は2006年度末に6,411億円、借入金比率は40.6%から18.6%へ

2006年〜下村節宏社長が退いた携帯電話端末と、山西健一郎社長の成長戦略

下村節宏氏は2006年4月、執行役社長に就任した。下村節宏氏の体制は『強い事業をより強く』を成長戦略の核とし、電力システムや昇降機、FA機器、空調・住設機器などを強い事業に挙げた。2007年7月の年報は、携帯電話端末で他社との開発協業が成果を上げていると報告した。1年後の年報は、2007年度に携帯電話端末事業を終息させ、その経営資源を注力事業へ移したと記した。目的は、強い事業の視点に立った収益性の改善と強化だった。2007年度の営業利益率は6.6%で、経営目標の5%以上を2年続けて上回った。強い事業の利益が積み上がったことが、携帯電話から撤退する判断を支えたと考えられる。

  • 三菱電機 有価証券報告書(沿革)
    • [19]2006年4月に下村節宏が執行役社長に就任
  • 三菱電機 アニュアルレポート2007
    • [20]VI戦略は強い事業をより強くする戦略。強い事業の例は電力システム・昇降機・FA/メカトロ機器・自動車用電装品・人工衛星・空調・住設機器など
    • [21]携帯電話端末事業では他社との開発協業などで開発の効率化を進め、順調に成果を上げている(2007年7月)
  • 三菱電機 アニュアルレポート2008
    • [22]2007年度に携帯電話端末事業の終息とその経営資源の注力事業への戦略的シフトなどの構造改革に取り組んだ
    • [23]携帯電話端末事業の終息は「強い事業をより強く」の視点を踏まえた収益性改善・強化に向けた施策
    • [24]2007年度の営業利益は2,672億円、営業利益率6.6%で2年連続で経営目標(5%以上)を達成

山西健一郎氏は2010年4月、執行役社長に就任した。2010年度は新興国を中心に世界の景気が回復し、山西健一郎氏の体制は『自らの強みに根ざした成長戦略の推進に、従来以上に軸足を置いて』取り組んだ。電力、交通、ビル、FA、自動車機器、宇宙、パワーデバイス、空調、太陽光発電の9事業を、成長を期待する事業群に指定した。中国にはFAシステムや自動車機器の製造会社、インドとベトナムには販売拠点を設けた。インドでは2010年9月に三菱電機インド社を設立し、重電システムや産業メカトロニクスを核に市場を開拓すると定めた。2010年度の営業利益は前年度の2.5倍の2,338億円となった。景気の回復局面で、成長の源泉を国内から新興国へ移す判断だったと読める。

  • 三菱電機 有価証券報告書(沿革)
    • [25]2010年4月に山西健一郎が執行役社長に就任
  • 三菱電機 アニュアルレポート2011
    • [26]2010年度は新興国を中心とした世界的な景気回復の中、自らの強みに根ざした成長戦略の推進に従来以上に軸足を置いて取り組んだ
    • [27]特に成長を期待する事業群は電力システム・交通システム・ビルシステム・FAシステム・自動車機器・宇宙システム・パワーデバイス・空調システム・太陽光発電システム
    • [28]事業規模の拡大が著しい市場に対応する製造会社(中国:FAシステム、自動車機器など)や新市場開拓に向けた販売拠点(インド、ベトナム)を設立
    • [29]2010年9月に三菱電機インド社を設立。インド市場では重電システムや産業メカトロニクスなどグローバルに強い事業を核に成長市場を開拓する
    • [30]2010年度の売上高は3兆6,453億円、営業利益は2.5倍の2,338億円(営業利益率6.4%)

三菱電機は2009年9月30日、持分法で評価していたルネサス テクノロジの株式を、公正価値の64,237百万円まで減損した。ルネサス テクノロジは2010年4月1日にNECエレクトロニクスと合併し、ルネサス エレクトロニクスとなった。三菱電機は合併と同時の第三者割当増資134,600百万円のうち、35,235百万円を引き受けた。2013年9月30日の第三者割当増資で、三菱電機の議決権比率は25.05%から6.27%に下がった。三菱電機はこれを機に、ルネサス エレクトロニクスを持分法の対象から外した。社内に残した半導体ではパワーデバイスを成長事業に指定し、2010年11月にVincotech社を買収した。三菱電機は半導体への関与を、電力を制御する素子へ寄せていったとみられる。

  • 三菱電機 アニュアルレポート2011
    • [31]2009年9月30日において持分法で評価しているルネサス テクノロジの持分証券を公正価値の64,237百万円まで減損
    • [32]ルネサス テクノロジは2010年4月1日付でNECエレクトロニクスと合併し、ルネサス エレクトロニクスが発足
    • [33]合併の効力発生日に総額134,600百万円の第三者割当増資が実施され、当社は35,235百万円を引き受けた
    • [36]パワーデバイスを特に成長を期待する事業群とし、2010年11月にパワーデバイス事業のVincotech社を買収
  • 三菱電機 アニュアルレポート2014
    • [34]ルネサスが2013年9月30日付で第三者割当増資を実施し、当社の議決権所有割合は25.05%から6.27%に低下
    • [35]所有割合の低下に伴い、ルネサスを持分法適用関連会社から除外
参考文献[19]-[36]
  • 三菱電機 有価証券報告書(沿革)
    • [19]2006年4月に下村節宏が執行役社長に就任
    • [25]2010年4月に山西健一郎が執行役社長に就任
  • 三菱電機 アニュアルレポート2007
    • [20]VI戦略は強い事業をより強くする戦略。強い事業の例は電力システム・昇降機・FA/メカトロ機器・自動車用電装品・人工衛星・空調・住設機器など
    • [21]携帯電話端末事業では他社との開発協業などで開発の効率化を進め、順調に成果を上げている(2007年7月)
  • 三菱電機 アニュアルレポート2008
    • [22]2007年度に携帯電話端末事業の終息とその経営資源の注力事業への戦略的シフトなどの構造改革に取り組んだ
    • [23]携帯電話端末事業の終息は「強い事業をより強く」の視点を踏まえた収益性改善・強化に向けた施策
    • [24]2007年度の営業利益は2,672億円、営業利益率6.6%で2年連続で経営目標(5%以上)を達成
  • 三菱電機 アニュアルレポート2011
    • [26]2010年度は新興国を中心とした世界的な景気回復の中、自らの強みに根ざした成長戦略の推進に従来以上に軸足を置いて取り組んだ
    • [27]特に成長を期待する事業群は電力システム・交通システム・ビルシステム・FAシステム・自動車機器・宇宙システム・パワーデバイス・空調システム・太陽光発電システム
    • [28]事業規模の拡大が著しい市場に対応する製造会社(中国:FAシステム、自動車機器など)や新市場開拓に向けた販売拠点(インド、ベトナム)を設立
    • [29]2010年9月に三菱電機インド社を設立。インド市場では重電システムや産業メカトロニクスなどグローバルに強い事業を核に成長市場を開拓する
    • [30]2010年度の売上高は3兆6,453億円、営業利益は2.5倍の2,338億円(営業利益率6.4%)
    • [31]2009年9月30日において持分法で評価しているルネサス テクノロジの持分証券を公正価値の64,237百万円まで減損
    • [32]ルネサス テクノロジは2010年4月1日付でNECエレクトロニクスと合併し、ルネサス エレクトロニクスが発足
    • [33]合併の効力発生日に総額134,600百万円の第三者割当増資が実施され、当社は35,235百万円を引き受けた
    • [36]パワーデバイスを特に成長を期待する事業群とし、2010年11月にパワーデバイス事業のVincotech社を買収
  • 三菱電機 アニュアルレポート2014
    • [34]ルネサスが2013年9月30日付で第三者割当増資を実施し、当社の議決権所有割合は25.05%から6.27%に低下
    • [35]所有割合の低下に伴い、ルネサスを持分法適用関連会社から除外

2014年〜柵山正樹社長のデルクリマ買収と、売上高5兆円を掲げた成長目標

柵山正樹氏は2014年4月、執行役社長に就任した。三菱電機は2014年度、2020年度までに連結売上高5兆円以上、営業利益率8%以上とする成長目標を掲げた。起点とした2013年度の実績は売上高4兆543億円、営業利益2,351億円、営業利益率5.8%だった。2014年7月の年報は、もう一段高い成長に向けて倫理・遵法を徹底して強化し、経営基盤を再構築すると記した。翌年の年報で柵山正樹氏は、欧米と中国の事業力を強化し、インド・東南アジア・中南米で需要を獲得する方針を示した。2014年度の営業利益率は7.3%となり、目標との差は0.7ポイントに縮まった。

  • 三菱電機 有価証券報告書(沿革)
    • [37]2014年4月に柵山正樹が執行役社長に就任
  • 三菱電機 経営戦略説明会資料「三菱電機の経営戦略」(2020年6月)
    • [38]2014年度に掲げた2020年度成長目標は売上高5兆円以上・営業利益率8%以上
  • 三菱電機 アニュアルレポート2014
    • [39]2013年度の売上高は4兆543億円、営業利益は2,351億円(営業利益率5.8%)
    • [40]もう一段高い成長の実現を目指すにあたり、健全性、特に倫理・遵法を徹底的に強化し、より強固な経営基盤を再構築したうえで成長戦略を推進する
  • 三菱電機 アニュアルレポート2015
    • [41]欧米や中国における事業力を強化し、インド・東南アジア・中南米などの成長市場における需要獲得に注力する(執行役社長 柵山正樹、2015年7月)
    • [42]2014年度の売上高は4兆3,230億円、営業利益は3,176億円(営業利益率7.3%)

柵山正樹氏の体制は、成長目標の実現に向けて協業やM&Aにも取り組むと定めた。視点は、不足する製品群や技術領域の補完、新地域での販売・サービス網の確保、新規顧客層の獲得の3つだった。三菱電機は2015年12月23日、欧州の空調事業の拡大を目的に、イタリアの業務用空調会社デルクリマの株式約74.97%を取得した。売り手はデロンギ・インダストリアルで、取得額は508百万ユーロ(67,141百万円)だった。残る約25.03%には公開買付けを行った。三菱電機は2016年2月、デルクリマを完全子会社とした。買収は、欧州で手薄だった業務用空調の製品群を補う手段と位置づけられていたと見てよい。

  • 三菱電機 アニュアルレポート2016
    • [43]2020年度までに達成すべき成長目標の実現に向け、成長に資する協業やM&Aにも積極的に取り組む
    • [44]M&Aの視点は、事業拡大に向けて不足している製品群や技術領域等の補完、新地域・新市場進出に際しての販売網・サービス網の確保、事業基盤強化に向けた新規顧客層の獲得
    • [45]2015年12月23日、欧州市場における空調事業拡大を目的に、イタリアの業務用空調事業会社(旧デルクリマ社)の発行済株式の約74.97%を取得
    • [46]株式はデロンギインダストリアル社から508百万ユーロ(67,141百万円)で取得
    • [47]残り約25.03%の株式に公開買付けを行い、2016年3月31日時点で完全子会社
  • 三菱電機 有価証券報告書(沿革)
    • [48]2016年2月にデルクリマ社を完全子会社化

杉山武史氏は2018年4月、執行役社長に就任した。2019年7月の年報でも、『2020年度成長目標(連結売上高5兆円以上、営業利益率8%以上)の達成とその後の成長持続に向け』取り組むと記した。2020年6月の経営戦略は、2020年度の見通しを売上高4.1兆円、営業利益率2.9%とし、目標を下回るとした。FAとパワーデバイスでの米中貿易摩擦などによる需要停滞に加え、『市場環境変化への対応不足など反省すべき項目あり』と総括した。2019年度には、労務問題や品質の不適切行為が明らかになった。2020年11月の経営戦略は、不採算事業の見極めとエンゲージメントサーベイを指標にした風土改革を掲げた。三菱電機は成長目標を下ろした時点で、働き方と組織風土の問題を解消できていなかったとうかがえる。

  • 三菱電機 有価証券報告書(沿革)
    • [49]2018年4月に杉山武史が執行役社長に就任
  • 三菱電機 アニュアルレポート2019
    • [50]執行役社長 杉山武史は2019年7月、2020年度成長目標(連結売上高5兆円以上、営業利益率8%以上)の達成とその後の成長持続に向け各種施策に取り組むとした
  • 三菱電機 経営戦略説明会資料「三菱電機の経営戦略」(2020年6月)
    • [51]2020年度の業績見通しは売上高4.1兆円・営業利益率2.9%で、2014年度に掲げた2020年度成長目標を下回る見込み
    • [52]FA・パワーデバイスのマイナス要因は米中貿易摩擦等による需要伸長の停滞。外部要因の一方で市場環境変化への対応不足など反省すべき項目あり
  • 三菱電機 アニュアルレポート2020
    • [53]2019年度、労務問題や品質不適切行為及び不正アクセスによる情報流出の可能性などの課題が明らかになった
  • 三菱電機 経営戦略説明会資料「三菱電機の経営戦略」(2020年11月)
    • [54]2025年度を目標とする新中期経営計画に向け、不採算・低収益事業の見極めと経営資源の再配分、エンゲージメントサーベイを風土の指標とした風土改革を掲げる
参考文献[37]-[54]
  • 三菱電機 有価証券報告書(沿革)
    • [37]2014年4月に柵山正樹が執行役社長に就任
    • [48]2016年2月にデルクリマ社を完全子会社化
    • [49]2018年4月に杉山武史が執行役社長に就任
  • 三菱電機 経営戦略説明会資料「三菱電機の経営戦略」(2020年6月)
    • [38]2014年度に掲げた2020年度成長目標は売上高5兆円以上・営業利益率8%以上
    • [51]2020年度の業績見通しは売上高4.1兆円・営業利益率2.9%で、2014年度に掲げた2020年度成長目標を下回る見込み
    • [52]FA・パワーデバイスのマイナス要因は米中貿易摩擦等による需要伸長の停滞。外部要因の一方で市場環境変化への対応不足など反省すべき項目あり
  • 三菱電機 アニュアルレポート2014
    • [39]2013年度の売上高は4兆543億円、営業利益は2,351億円(営業利益率5.8%)
    • [40]もう一段高い成長の実現を目指すにあたり、健全性、特に倫理・遵法を徹底的に強化し、より強固な経営基盤を再構築したうえで成長戦略を推進する
  • 三菱電機 アニュアルレポート2015
    • [41]欧米や中国における事業力を強化し、インド・東南アジア・中南米などの成長市場における需要獲得に注力する(執行役社長 柵山正樹、2015年7月)
    • [42]2014年度の売上高は4兆3,230億円、営業利益は3,176億円(営業利益率7.3%)
  • 三菱電機 アニュアルレポート2016
    • [43]2020年度までに達成すべき成長目標の実現に向け、成長に資する協業やM&Aにも積極的に取り組む
    • [44]M&Aの視点は、事業拡大に向けて不足している製品群や技術領域等の補完、新地域・新市場進出に際しての販売網・サービス網の確保、事業基盤強化に向けた新規顧客層の獲得
    • [45]2015年12月23日、欧州市場における空調事業拡大を目的に、イタリアの業務用空調事業会社(旧デルクリマ社)の発行済株式の約74.97%を取得
    • [46]株式はデロンギインダストリアル社から508百万ユーロ(67,141百万円)で取得
    • [47]残り約25.03%の株式に公開買付けを行い、2016年3月31日時点で完全子会社
  • 三菱電機 アニュアルレポート2019
    • [50]執行役社長 杉山武史は2019年7月、2020年度成長目標(連結売上高5兆円以上、営業利益率8%以上)の達成とその後の成長持続に向け各種施策に取り組むとした
  • 三菱電機 アニュアルレポート2020
    • [53]2019年度、労務問題や品質不適切行為及び不正アクセスによる情報流出の可能性などの課題が明らかになった
  • 三菱電機 経営戦略説明会資料「三菱電機の経営戦略」(2020年11月)
    • [54]2025年度を目標とする新中期経営計画に向け、不採算・低収益事業の見極めと経営資源の再配分、エンゲージメントサーベイを風土の指標とした風土改革を掲げる

2001年〜2020年の業績

決算期 区分 売上高 営業利益経常利益純利益 主な投資
億円 YoY 億円 億円 億円 利益率
2001年03月期 連結 41,295 n/a n/a 2,104 1,248 3.0% n/a
2002年03月期 連結 36,489 ▲11.6% n/a n/a n/a n/a n/a
2003年03月期 連結 36,390 ▲0.3% n/a n/a n/a n/a n/a
2004年03月期 連結 33,096 ▲9.1% n/a n/a n/a n/a n/a
2005年03月期 連結 34,106 +3.1% n/a n/a n/a n/a n/a
2006年03月期 連結 36,041 +5.7% 1,577 n/a 956 2.7% n/a
2007年03月期 連結 38,557 +7.0% 2,330 n/a 1,230 3.2% n/a
2008年03月期 連結 40,498 +5.0% 2,672 n/a 1,579 3.9% n/a
2009年03月期 連結 36,651 ▲9.5% 1,397 n/a 121 0.3% n/a
2010年03月期 連結 33,532 ▲8.5% 943 n/a 282 0.8% n/a
2011年03月期 連結 36,453 +8.7% 2,338 n/a 1,245 3.4% n/a
2012年03月期 連結 36,394 ▲0.2% 2,241 n/a 1,120 3.1% n/a
2013年03月期 連結 35,671 ▲2.0% 651 n/a 695 1.9% n/a
2014年03月期 連結 40,543 +13.7% 2,490 n/a 1,534 3.8% n/a
2015年03月期 連結 43,230 +6.6% 3,230 n/a 2,346 5.4% n/a
2016年03月期 連結 43,943 +1.6% 3,185 n/a 2,284 5.2% n/a
2017年03月期 連結 42,386 ▲3.5% 2,962 n/a 2,104 5.0% n/a
2018年03月期 連結 44,444 +4.9% 3,646 n/a 2,557 5.8% n/a
2019年03月期 連結 45,199 +1.7% 2,905 n/a 2,266 5.0% n/a
2020年03月期 連結 44,625 ▲1.3% 2,597 n/a 2,218 5.0% n/a

出所:会社年鑑、有価証券報告書

出典・参考

12件
出典・参考
  • 三菱電機 アニュアルレポート2007
  • 三菱電機 アニュアルレポート2008
  • 三菱電機 アニュアルレポート2011
  • 三菱電機 アニュアルレポート2014
  • 三菱電機 アニュアルレポート2015
  • 三菱電機 アニュアルレポート2016
  • 三菱電機 アニュアルレポート2019
  • 三菱電機 アニュアルレポート2020
  • 三菱電機 有価証券報告書(沿革)
  • 日経ビジネス 2003年2月10日号
  • 三菱電機 経営戦略説明会資料「三菱電機の経営戦略」(2020年6月)
  • 三菱電機 経営戦略説明会資料「三菱電機の経営戦略」(2020年11月)

免責事項およびポリシー